ナッツを毎日食べる人は死亡率が低い?
そもそも、ナッツ類が健康的というイメージは正しいのでしょうか?
アメリカで12万人を対象に、ナッツを食べる頻度ごとに、心血管疾患や2型糖尿病による死亡率の差を調べた研究報告がありました。
BMIや生活習慣等の影響を調整した結果では、ナッツを全く食べなかった人の死亡率を1とした場合に
食べない:1.0
週に1回未満 0.93
週に1回 0.89
週に2-4回 0.87
週に5-6回 0.85
週に7回以上 0.80
…となり、最大で20%も死亡率が低減したようです。
結果では影響が調整されていますが、ナッツを頻繁に食べる人ほど
・BMIが低い
・喫煙率が低い
・運動する割合が多い
・果物・野菜・アルコール・マルチビタミンサプリの摂取量が多い
といった傾向がみられることから、ナッツを食べることは健康意識が高い人の習慣のひとつになっているのかもしれません。
この研究はアメリカで行われたものであり、日本人で同じ傾向があるかは不明であり、またナッツ類の摂取が死亡率の低下につながるメカニズムはわかってはいませんが、ナッツ類=健康的…というイメージは間違いではないのかもしれません。
ナッツには健康にいい栄養素が含まれている?
そもそも、ナッツ類とひとくくりにしてしまいがちですが、どれも異なる植物からとれる食品であり、含まれる栄養素や食品成分も同じものではありません。
ナッツ類に共通する特徴としては、
・脂質が多く含まれる(50~75%)
・重さあたりのエネルギーが高い(500~700kcal台/100g)
・食物繊維もある程度含む(6~11g/100g)
…ということが挙げられます。
ナッツに含まれる脂質の大部分は植物油脂に多い「不飽和脂肪酸」が多いのが特徴で、脂質の含有量の割に生活習慣病リスクは大きくないと考えることもできますが、ナッツとしては少量でもエネルギーが高いため、食べすぎは摂取エネルギー過多による肥満の一因ともなりますし、いくら食べても健康に支障がないというものではありません。
ナッツを習慣的に食べると死亡率の低下がみられる一方で、ナッツ類に「明確に健康によい成分」が含まれているわけではないようです。
配信: イマカラ