MCTオイル、ダイエットにはどう活用するべき?|管理栄養士執筆

MCTオイル、ダイエットにはどう活用するべき?|管理栄養士執筆

健康やダイエット方面で注目されている「MCTオイル」。
高カロリーな油でありながら、体脂肪を減らすのに役立つともいわれていますが、MCTオイルを取り入れることでダイエット効果は得られるのでしょうか?

ダイエットにおけるMCTオイルの効果的な取り入れ方を検討しました。

「MCTオイル」ってなに?

MCTオイルの「MCT」とは、Medium Chain Triglycerides の略で、「中鎖脂肪酸」のことを指します。

中鎖脂肪酸とは、油脂の構成成分である脂肪酸のひとつのグループのこと。

脂肪酸にはいくつもの種類が存在しますが、この脂肪酸を炭素原子の鎖の長さによって分類した場合の炭素数8~12のものを中鎖脂肪酸といいます。

(一般的な食用油では、炭素数12以上の長鎖脂肪酸が多くなっています)

脂肪酸の分類(鎖)

中鎖脂肪酸は天然にはココナッツオイルやパーム油、牛乳や母乳に一部含まれています。

日本で市販されているMCTオイルはココナッツオイルなどを主原料として、含有脂肪酸が中鎖脂肪酸100%になるように加工されています。

MCTオイルでダイエットできる?

中鎖脂肪酸は食事から摂取した後の代謝経路が一般的な食用油に含まれる長鎖脂肪酸と異なることが知られており、「エネルギーとして消費されやすい油」とされています。

中鎖脂肪酸の代謝経路

実際のダイエット効果については、中鎖脂肪酸、MCTオイルの減量効果を調べたアメリカの研究が報告されています。

この研究は、アメリカでBMI27~33(肥満)の成人男女に減量指導とエネルギー制限を行ったうえで、16週間にわたってMCTオイルまたはオリーブオイルを摂取し、それぞれの体重減少量を比較したものです。

結果として、MCTオイルのグループとオリーブオイルのグループにおいて、どちらも体重の減少は見られたものの、MCTオイルのグループでより多く体重・体脂肪量の減少がみられたとのことです。(16週間後の平均体重変化:オリーブオイル-1.4㎏、MCTオイル-3.2㎏)

また、MCTオイルとしてではないものの、植物油の一部を中鎖脂肪酸に組み替えた食用調理油について、通常の調理油と比較して4~12週間で体脂肪量などの低下がみられたことから、「体に脂肪がつきにくい油」として特定保健用食品(トクホ)として販売されているものもあります。

これらの報告と同じような条件でダイエットにMCTオイルを取り入れることで、ダイエットの効果をより大きくできるかもしれません。

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