赤ちゃんに絵本は必要?
絵本は絵・言葉・音などの情報を一度に与えられるので、子どもの内面的な成長を助けてくれます。積極的に読み聞かせをした方がよいですが、まだ言葉を理解できない赤ちゃんに絵本は必要なのでしょうか。
絵本を通じて関係を育める
生まれて間もない赤ちゃんは、まだ言葉や絵の内容などは理解できませんが、絵本を読み聞かせることで親子のコミュニケーションにつながります。
読み聞かせるときは、赤ちゃんを膝の上に乗せて絵本を開いて見せ、話しかけたり顔をのぞき込んだりしながらコミュニケーションを取っていきます。
赤ちゃんは意味を理解できなくても、お母さんやお父さんの声や表情から何かを感じ取ろうとしながら、少しずつ言葉を学習したり、ものを認識したりするようになるので、読み聞かせる意味はあるのです。
赤ちゃんを膝に乗せて話しかける時間が増えれば、大人と楽しい時間を過ごせると認識し、子どもとよい関係を育めるでしょう。
絵本を見せながら話しかけると、手足をばたつかせて喜んでくれるはずです。もし、赤ちゃんが関心を持ってくれないときは無理強いせず、タイミングを見計らって読み聞かせをしてみましょう。
赤ちゃんの絵本を選ぶコツ
赤ちゃん向けの絵本はたくさんあるので、何を重視して選べばよいのか分からなくなりがちです。赤ちゃんの絵本を選ぶコツを見ていきましょう。
カラフル・簡単なお話がおすすめ
小さな赤ちゃんはまだはっきりと目が見えていないので、複雑な色合いよりも赤・青・緑などの、はっきりとした色が多く使われている絵本を選びましょう。成長してくると、複雑な色合いが次第に分かるようになってきます。
最初はストーリーで決めるよりも、カラフルな絵を重視して選びましょう。「トントン」「わくわく」など、リズミカルな言葉が使われているものを選ぶと、言葉の意味が分からない赤ちゃんでも楽しめるはずです。
赤ちゃんにとって身近な音やものが出てくるものなら、より興味を持って聞きやすくなります。
音や触り心地が楽しいもの
まだ絵やストーリーを楽しめない赤ちゃんには、音や触感で楽しめるものを与えるとよいでしょう。0歳児は興味のあるものに手で触れて、触り心地を確認しようとします。
絵本のページを触ると「カシャカシャ」と音が出る布絵本は、0歳の赤ちゃんでも楽しめるアイテムです。複数の感触を味わえる工夫がされているものや、イラストを動かせる仕掛けがあるものを選ぶと喜んでくれるでしょう。
布製の絵本は軽量のため持ち運びも簡単で、ベビーカーに取り付けられるように工夫されているものが多く、子どもが小さいうちは重宝します。
安全性にもこだわって
赤ちゃんは、手にしたものを何でも口に運びます。誰も見ていない場所で、ものを口に入れてしまうことも珍しくありません。紙はぬれると脆くなるので、ちぎった紙を誤って口に入れてしまうと危険です。
破れにくい厚紙や防水加工された紙が使われた絵本を選びましょう。手が触れたり、ぶつかったりしたときに危険がないように、角を丸めてあるタイプも安全に使えます。
洗えるタイプの布絵本は水分で破れる心配がなく、清潔に使えるところが魅力です。また、小さめの絵本を選ぶと読み聞かせをする際に腕が疲れづらく、赤ちゃんが絵本に集中しやすくなります。
興味を持ちやすい「カラフル絵本」
生まれて間もない赤ちゃんは、まだ目がよく見えていませんが、時間の経過とともにだんだんと濃い色が見えてくるようになります。
コントラストが強いカラフルな色が使用された絵本を選べば、小さいうちからでも楽しめるでしょう。カラフルな色がメインに使われた、赤ちゃん向けの絵本を紹介します。
Sassyのあかちゃんえほん「にこにこ」
シリーズ累計100万部突破の、人気の絵本です。白・黒・赤・黄色など、赤ちゃんが認識しやすいコントラストの強い色がふんだんに使用されています。
発達心理学を元にして考え抜かれた規則的な模様や、左右対称のはっきりとした顔など、0歳児でも楽しめるように作られているところが魅力です。
「むしゃむしゃ」「ぶんぶん」など、赤ちゃんが興味を持ちやすい言葉もたくさん散りばめられています。絵本を使った「いないいないばあ遊び」もでき、赤ちゃんを夢中にさせてくれるでしょう。
・商品名:Sassyのあかちゃんえほん「にこにこ」
すこやかあかちゃんえほん「カラフル」新井 洋行
名前の通りカラフルな色づかいで、赤ちゃんの目を引くように作られた絵本です。丸・三角・四角などの図形が動き回る内容となっており、楽しみながら色や図形を認識する力を養えます。
赤ちゃんは成長とともに様々な色を認識できるようになっていくので、時間を置いてから読み直すと、最初は分からなかった色を発見する喜びも味わえるでしょう。26ページとボリュームのある内容で、長く活躍してくれます。
・商品名:すこやかあかちゃんえほん「カラフル」新井 洋行
「しましまぐるぐる」柏原 晃夫
0~2歳の赤ちゃん向けの定番絵本として、人気がある作品です。赤ちゃんの関心を引く、コントラストの強い色が使われています。
絵本を上下左右に動かしながら「しま模様」「ぐるぐる模様」を動かすと、赤ちゃんは夢中になって見つめるでしょう。目と口があるところも、赤ちゃんの心をくすぐるポイントです。
耐水コーティングを施した厚紙を使用しているので、よだれなどの水分が付着しても破れず、安全に長く楽しめるでしょう。
・商品名:「しましまぐるぐる」 柏原 晃夫
赤ちゃんにも安心な「布絵本」
布絵本は絵やお話だけでなく、手触りも楽しめるところが魅力です。紙とは違い、落としたりぶつけたりしても、けがをしないので安心して赤ちゃんに与えられます。楽しい仕掛けが取り入れられた、布絵本を見ていきましょう。
バンダイ「ベビラボ 〜脳を育む〜おでかけ布えほん」
赤ちゃんの脳を研究して生まれた絵本です。小さな赤ちゃんでも見える柄を使用し、知的好奇心を育んでくれます。
全8ページのなかに『アンパンマン』に登場するキャラクターたちの豊かな表情や楽しい場面が盛り込まれており、子どもの心をくすぐる内容です。
ページをめくると「パリパリ」という音が出る仕掛けや、鈴の入った布おもちゃも付属し、音でも赤ちゃんの興味を引き出せます。
ベビーカーに取り付け可能なリングが付いているので、持ち運びにも便利です。
・商品名:バンダイ「ベビラボ 〜脳を育む〜おでかけ布えほん」
日本育児「エリック・カール はらぺこあおむし どこでもソフトブック」
世界中で人気がある『はらぺこあおむし』の布絵本です。緑・赤・黄色などたくさんのカラフルな色が使われており、赤ちゃんに興味を持ってもらえます。
様々な生地が使われているので、バラエティー豊かな感触を味わえるでしょう。りんごに空いた穴からのぞく虫や、めくる仕掛けなど、触って楽しめる工夫が満載です。
赤ちゃんが成長してきたら、指先を使ってめくったりつまんだりして遊べるようになります。イチゴ型の歯固めやソフトミラーなどの小物も付属し、赤ちゃんを飽きさせません。
・商品名:日本育児「エリック・カール はらぺこあおむし どこでもソフトブック」
「ぬのえほんベビー ペネロペとあそぼう」ひがし かずこ
『ペネロペ』はフランスで誕生し、日本でもアニメ化された人気キャラクターです。うっかりものな性格の、コアラの女の子が主人公の布絵本となっています。
優しい世界観を表現する独特の色味で描かれ、色彩感覚を養えます。「カラカラ」と音が鳴るボールで、サッカー遊びの場面を再現したり、かくれんぼしているペネロペを探すゲームができたりと、赤ちゃんが楽しめる工夫がいっぱいです。
めくると文字や絵が出てくる仕掛けがふんだんに取り入れられ、いないいないばあ遊びもできます。
・商品名:「ぬのえほんベビー ペネロペとあそぼう」ひがし かずこ
大きくなってもそばに「笑顔になれる絵本」
子どもは成長していくにつれ、絵本への理解度が増していき、0歳のときは分からなかった表現も楽しめるようになります。
何度もお母さんやお父さんに読み聞かせをしてもらった絵本は、大きくなってからもかけがえのない存在になってくれるでしょう。0歳のときだけでなく、成長してからも笑顔にさせてくれる絵本を紹介します。
「だるまさんが」かがくい ひろし
コミカルな動きで動く「だるまさん」の様子を楽しめる絵本の1作目です。シリーズ累計551万部を超える人気を誇ります。
「だるまさんが」との掛け声のあとにページをめくると、だるまさんが変形したり転んだりと、楽しい工夫がされています。大人から見ても面白く、ページをめくる度に大笑いする子どももいるほどです。
成長して文字が読めるようになると、自分で読みながらページをめくって楽しめるようになります。続きが気になる構成になっておりどんどん読み進められるので、初めて1人で読む絵本としてもおすすめです。
・商品名:「だるまさんが」かがくい ひろし
「いないいないばあ」松谷 みよ子
ねずみ・ねこ・くまなど、様々な動物が「いないいないばあ」をする様子を楽しめる絵本です。
1967年に日本で初めて赤ちゃん向けの絵本として制作され、これまでに700万部以上販売されています。世代を超えて愛され続け、ファーストブックとして人気がある作品です。
言葉やストーリーが理解できない赤ちゃんでも、キャラクターの表情を見て楽しめます。赤ちゃんとキャラクターが目を合わせやすいように、意識して描かれているところもポイントです。
「いないいないばあ くまちゃんが ほらね いないいない」というように、リズミカルに赤ちゃんに語りかけられるように、考え抜かれた言葉を使用しています。
・商品名:「いないいないばあ」松谷 みよ子
「ぎゅう ぎゅう ぎゅう」おーなり 由子
作者の子育ての体験を活かして制作されたシリーズです。「ぎゅう」と誰かに抱きしめられたり、ぬいぐるみを抱きしめたりと、赤ちゃんやお母さんお父さんにとって身近な題材が用いられています。
「おててを、ぎゅう」「おなかを、ぎゅう」というように、お話に合わせて赤ちゃんとスキンシップを取りながら遊べる内容です。
言葉が理解できなくても、ふれあいを通じて笑顔になることの大切さが伝わってくるでしょう。赤ちゃんにスキンシップの楽しさを伝え、お互いに愛情を感じ合いたい人にぴったりです。
・商品名:「ぎゅう ぎゅう ぎゅう」おーなり 由子
まとめ
赤ちゃんに絵本を読み聞かせてあげるときは、コントラストが強いカラフルな色が多く使われているものや、動く仕掛けなどがあるものを選びましょう。赤ちゃんが認識しやすい色や模様が使われた絵本なら、きっと興味を持ってくれるはずです。
まだ言葉を理解できない赤ちゃんへの絵本の読み聞かせは、赤ちゃんにとってお母さんやお父さんとスキンシップをしながら、多くのことを学べるよい機会になります。
2歳ごろになると、お気に入りの絵本を自分で読もうとするようになるので、0歳のころから絵本が身近にあれば、将来の読書への興味も育むきっかけになるでしょう。