実際、いつも一緒にいたママ同士が、いつからかまったく会わなくなっているケースは多々あるもの。ママ友同士は、どんな理由から疎遠になっていくの?
ママ向けの子育て講座などを開催しているファインコーチングの山崎洋実さんに聞いた。
「まず前提として、『ママ友』は自分の友だちではありません。だから、疎遠になるのは当たり前で、そのうえで、1~2人後々まで残る人がいたらラッキーくらいに思うといいですよ」(山崎さん 以下同)
山崎さんいわく、「人の流れは、3年周期」。最初の3年間は、幼稚園に入るまでの時期で、そこから「幼稚園」「小学校」と、新しいコミュニティの人たちに会うようになるそう。
「新しいコミュニティに入ると、ふるいにかけられて8割は自然と消えます。私は『宇宙の法則』と呼んでいるんですが、10人いたら、気が合うのは2人程度で、6人は同じコミュニティにいるときにはランチにも行くけど、違うコミュニティに行くと行かなくなる人、残る2人はもともとあまり気が合わない人。それが普通なんです」
疎遠になった相手を自分が大好きかというと、実はそうでもないことは多い。にもかかわらず、気になるのは、単に「自分がふるいにかけられたこと」が嫌だからではないかという。
●共通点ではなく、「共感点」が合う人を探すこと
ママ友付き合いでつながっていくのは、「お母さん」「子どもが同じ年齢」「子どもの習い事が一緒」などの「共通点」を持つ者同士。それらは単なる「グループ」だそう。
一方、「ママ友」を超えて付き合いが続くのは、「共感点」があることが必要だという。
「勉強が大事だと思っている人と、泥んこ遊びが大事だと思っている人とでは、価値観が違いますよね。趣味や行動パターン、金銭感覚が合うことも重要です。例えばランチをするとき、780円のランチで満足する人と、1500円のものが食べたい人では、どちらかが無理をしてしまい、キツくなってしまいます」
疎遠にならず残っていきやすいのは、子どもの話ではなく「私の話ができる人」だそう。
「そのためには、共感点が一緒の人を見つけられるかどうか。また、コミュニティは複数持っておいたほうが、どこかでうまくいかなくても、逃げ場があるためラクですよ」
基本的には3年間で入れ替わっていく人間関係のなかで、まれに続く相手に出会えたら、それが初めて「ママ友」ではなく「自分の友だち」なのだろう。
(田幸和歌子+ノオト)