大きなトラブルを起こすのではなく、スムーズに疎遠になるには、どうしたら良いのだろうか。
「『相手から離れたいけど、嫌われたくない』という前提が、そもそもおかしいですよ!」と言うのは、ママ向けの子育て講座などを開催しているファインコーチングの山崎洋実さん。
「疎遠になりたい相手なら、別に嫌われてもいいじゃないですか? どんなにうまくやっても、離れていったら、嫌われますよ。相手にもだいたい気持ちが伝わりますから」(山崎さん 以下同)
自分は相手を好きではないのに、「誰にも嫌われたくない」という思いが、「スムーズに疎遠になりたい」などという矛盾した願望につながっているそう。
でも、うまくいかない相手とは、たいてい何をやっても、裏目に出るもの。また、「スムーズに疎遠になる」なんてことは無理なことであり、「離れたい」のなら、上手に別れる必要はないという。
●一気に人間関係を切るのは損する面も
ただし、嫌われるのを恐れる必要はないとはいえ、人間関係を一気に切ろうとするのは本人が損をすることも多いという。
「どんなことでも、10か0の人がいますよね。あるコミュニティで親しくなっても、そのうちトラブルになり、一気に関係を切ろうとする。そして、また別のコミュニティにいく。そうした人はどこにいってもトラブルになり、次第に居場所がなくなっていきます」
「自分は正しいことを言っているのに、なぜ周りはわからないのか」と苦しみを感じるタイプの人、白か黒かつけたがる人であり、しんどいコミュニケーションのパターンだそうだ。
「『痛みなくして、別れなし』です。嫌な相手には、ノーをちゃんと言うこと。ノーを言ったところで、実は相手は何とも思わないことが多いんですよ」
また、「人間関係は自然に3年周期で変わる」ともいう。時間の経過とともに、苦手な人とはおのずと距離ができる可能性もある。ある程度は割り切って受け流しながら、少しずつ距離をとるといいのかもしれない。
(田幸和歌子+ノオト)