3、同居で離婚する前に~同居を解消するには
夫が上述の離婚原因に当たるようなことをしていないのであれば、裁判で離婚を認めてもらうことはできないので、夫を説得するしかありません。
このとき、夫に何を説得するかですが、あなたが嫌なのが、夫ではなく義両親との同居なのであれば、離婚は切り札にして、まずは同居の解消を説得することを粘り強く試みるとよいでしょう。
以下では同居を解消するきっかけとなった事例を紹介します。
(1)ハウジングフェア、モデルルーム、内覧会に夫を連れて行く
夫には家やマンションを買う気はおろか、両親と別居する気もないかもしれませんが、何かと理由をつけて連れ出せば、新居への憧れが生じる可能性はゼロではありません。
連れ出すことと、その気にさせることの2つのハードルを越えなければなりませんが、試してみる価値はあるでしょう。
何度も付き合ってくれないでしょうから、1発目が重要です。
夫が憧れる可能性があるのは、タワーマンションなのか、戸建なのか、購入可能な価格帯でなくてもなくても構いません。
少しでも夫がその気になりそうなものをチョイスしてください。
(2)働きに出る、転職する
同居解消のハードルが経済的な事情であれば、あなたが働きに出ることや、収入増が見込まれる転職をすることを条件に、同居の解消を説得するとよいでしょう。
(3)妊娠
今の家の広さに十分なゆとりがない場合、新たな家族が増えることが同居の解消につながることがあります。
(4)子供の就学、成長
子供の就学や成長によって部屋が必要になり、手狭になって同居の解消につながることもあります。
(5)子供への悪影響
子供にとって母と祖父母の喧嘩が絶えない状況は、間違いなく子供にとって良い環境ではありません。
また、祖父母が孫に過剰に干渉したり甘やかしたりしているなら、それも良い環境ではないといえるでしょう。
子供への悪影響を理由に同居の解消に夫が応じることもあります。
(6)転勤
夫が転勤のある仕事をしているなら、転勤の機会を待つという手もあります。
(7)廃業、倒産
良いことではありませんが、家族で自営をしていることが同居の理由であれば、廃業や倒産が同居の解消につながることがあります。
(8)離れを建てる
同居の解消が難しいとき、敷地にゆとりがあれば、離れを建てて同じ敷地内に別居するという手もあります。
4、同居がつらくて離婚したいとき、自分だけ別居してもよい?
(1)同居義務
夫婦には同居義務があります。
夫婦関係が破綻し離婚に向けた協議中というような状況であったり、夫も納得の上でのことであれば、別居しても問題となりませんが、義両親の問題に対して夫が協力的ではなかったとしても夫婦関係が破綻しているとまではいえませんから、夫の同意なく別居すると同居義務に違反したということなります。
(2)同居義務に違反するとどうなる?
同居義務違反は、前述の悪意の遺棄に当たり、夫から離婚を請求される原因となります(自分からは離婚を請求できません)。
また、夫は離婚の際に慰謝料を請求することができるようになります。
(3)子供を連れて別居した場合は?
子供を連れて別居した場合も、同様に離婚原因となり、離婚と慰謝料を請求されてしまいます。
さらに、子供を夫との話し合いなく連れ出した場合、離婚時の親権争いで不利になります。
だからといって子供を放置して自分だけ別居した場合も当然親権争いで不利になります。
(4)別居したい場合はどうしたらよい?
夫と十分に話し、渋々であっても夫を納得させてから別居すべきです。
なお、義両親を納得させる必要はありません。
別居したい場合の詳しくは、以下のページをご覧ください。
配信: LEGAL MALL