
●ペットと暮らすデメリット
すでにペットを飼っている場合、妊娠が判明すると、家族や友だちに「ペットを隔離したほうがいい」といわれることが、しばしばあります。とくに猫は、”トキソプラズマ症”が問題視されることが多いようです。
“トキソプラズマ症”は猫、鳥、豚などのフンに交じっている、”トキソプラズマ”という原虫が原因で起こる感染症。妊娠中、とくに妊娠初期に妊婦さんが感染すると、胎児に脳障害などの、重篤な症状がみられることもあるのだとか。また犬についても、糞尿や唾液、毛が犬アレルギーやアトピー性皮膚炎の原因になることが知られています。
●ペットと暮らすメリット
妊娠中はつわりなど、体調があまりよくないことがあります。なかなか思い通りにいかず、ストレスを抱えてしまうことも。そんな時、ママにとってペットはかけがえのない癒しを与えてくれるパートナーになります。
また、ペットは赤ちゃんを理解し、面倒を見てくれることもあるそうです。これは子どもの情操教育にも影響し、感情を豊かにする効果も期待できます。多少の細菌や毛などであれば、赤ちゃんの免疫力を強くしてくれるという研究結果もあるようです。
●ペットは隔離すべき?
「リスクがあるならペットは隔離しないと…」と考える必要はありません。まず最も恐ろしいトキソプラズマは、猫から直接人に感染するケースはほとんどないのだとか。感染経路のほとんどは、生肉と土なので、豚肉や鶏肉をしっかり加熱せずに食べたり、ガーデニングのあとに手を洗わなかったりしない限り、感染のリスクは少ないのだそう。
また、犬アレルギーに関しても部屋を清潔にし、空気清浄機を使うなどしてアレルゲンを残さないよう気をつければ、大きな問題はないといわれています。
妊婦・赤ちゃんとペットが一緒に暮らすことは、ある程度のリスクはありますが、「絶対禁止!」というわけではありません。近づきすぎないようにする、こまめに部屋を掃除するなど、注意すべき点をしっかり押さえれば、赤ちゃんがペットアレルギーでも、一緒に暮らすことができるそうです。赤ちゃんもペットも大切な家族。みんなで幸せな家庭を築けるといいですね。
(文・姉崎マリオ/考務店)