【応急手当てのシン・常識】鼻血が出たら「ティッシュを詰めて上を向く」は間違いだった!正しい手当てとは?

【応急手当てのシン・常識】鼻血が出たら「ティッシュを詰めて上を向く」は間違いだった!正しい手当てとは?

看護師のmocaです。鼻血が出た時の正しい対処法をご存じですか?昔から行われている「ティッシュをつめて上を向く」は実はNGなんです。以前、朝の情報番組『スッキリ』で”応急手当ての新常識”という特集をしていました。今回はそのなかから鼻血が出たときの正しい手当てについて深堀りしていきます。

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鼻血の出やすい部位や原因は…

鼻の内側の粘膜にはたくさんの微細な血管が集まっています。
鼻の入り口から1㎝くらい奥に位置するキーゼルバッハという部位は、粘膜のすぐ下に軟骨の板があるのでとくに傷つきやすくここから出血しやすいんです。

キーゼルバッハ部位

小さな子どもってよく鼻血を出しますよね。
鼻血は幼児から小学校低学年にかけてよく起こります。

子どもの鼻血は、突然起こることもあれば、鼻をぶつけたりいじったりすることでも起こります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎で鼻の粘膜に炎症がある場合にも起こりやすいです。

大人の場合は、高血圧や糖尿病、妊娠・月経・薬の影響、鼻のなかの腫瘍などが主な原因となります。

鼻血の誤った応急手当て

『スッキリ』によると、昔よく行われていた鼻血の手当ては、『① ティッシュを詰めて上を向く』、『② 頭の後ろを叩く』でした。でもこれNGなんです。

なぜこの方法はNGなのかというと…

ティッシュを鼻に詰めてしまうとそのまま血が固まってしまい、あとでティッシュを取り出すときに再び粘膜を傷つけてしまうんです。せっかく止血したと思っても再出血してしまう可能性があるんです。

上を向いてしまうと血液がノドの方へ逆流、血液を飲み込んでしまった場合は吐き気・嘔吐を誘発します。
また、血液が気道を塞いでしまうととても危険なんです。

頭の後ろを叩くという対処に関しても、おまじないのように行われてきたもので鼻血を止めるための根拠はありません。

では、正しくはどのように対処したらいいのでしょう。

鼻血の応急手当ての新常識

『スッキリ』で紹介していた正しい鼻血の対処法は『①小鼻をつまんで座り下を向く』、『②目と目の間のおでこを冷やすと5分ほどで止まる』です。

この方法について詳しく解説していきますね。

鼻血が出たら、出血部位を心臓よりも高くするため椅子に座り、親指と人差し指で小鼻(鼻の柔らかい部分)を強くつまんで『圧迫止血』します。

横になる場合でもあおむけは避け、顔と体を横に向けるようにしてください。
左右どちら側から出血しているかわかる場合は出血側だけを圧迫すれば大丈夫です。

次に血液のノドへの逆流を防ぐため、そのまま前かがみになり下を向きます。
ノドの方へ血液が回ってきたら吐き出してください。

目と目の間のおでこを冷やすと血管を収縮させて、鼻のなかの毛細血管の血流を一時的に減少させることができるためより効果的です。

5~10分間圧迫を続けるとほとんどの場合は止血できます。
もしも30分ほど圧迫止血を続けても止まらない場合や、出血が多くふらふらして顔色が悪い場合などは、早めに耳鼻咽喉科や救急外来を受診しましょう。

また、鼻血を頻回に繰り返す場合や、歯茎からも出血したり皮膚に内出血を起こしやすい場合は、血液の病気など他の疾患が潜んでいることがありますのでこのようなときも受診してください。

気温差が大きい季節の変わり目や、空気が乾燥したり鼻風邪をひいたりしやすい冬場は特に鼻の粘膜がデリケートになりやすいので注意が必要です。

ご自身や周りの方が鼻血を出してしまった際は、落ち着いて正しい応急手当てを行ってくださいね。

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