【果物の漢字クイズ】「香母酢」はなんて読む?漢字の由来は?旬の時期や生産地、栄養など…豆知識も!

【果物の漢字クイズ】「香母酢」はなんて読む?漢字の由来は?旬の時期や生産地、栄養など…豆知識も!

毎日のようにキッチンで手に取る「玉葱」「人参」「大根」といった野菜たち。ところが、耳で聞けばよく知っているのに、漢字で書いてあるとさっぱり読めない…そんな野菜や果物も結構ありません?というわけで今回は、ふだんあまり意識していないけど、実は読めない(ことが多い)「果物の漢字」を紹介します。おまけにその果物の旬や産地、栄養などの豆知識つき。では、さっそく今回の果物は…。


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果物の漢字クイズ 「香母酢」ってなんて読む?

なんて読む? どんな果物?

「香母酢」

この漢字3文字でなんと読むかわかりますか?
それは、どんな果物のことを指すのでしょう?

ヒントは、大分県特産のあの果物です。
焼き魚に絞ってかけるとおいしいですよ!

正解は…

「カボス」です。

「臭橙」と書いても、カボスやカブチと読みます。香りが特徴的で、見た目がダイダイに似ているため「臭(にお)」う「橙(だいだい)」で「カボス」なのだと思いますが、何となくイメージがよくないですよね…。ただし、「カボス(カブチ)」はダイダイの古名・異名でもあります。そのため、本当に紛らわしいのですが、この「臭橙(カボス・カブチ)」が現在のカボスのことを指しているのかどうかは不明です。一生懸命調べたのですが、真相はわかりませんでした。

一方、「香母酢」は漢字の由来が不明です。
きれいな漢字を使った当て字なので、もしかしたら比較的最近の名づけなのかもしれません。

「カボス」という名前の由来には諸説ありますが、蚊をいぶす=かぶす、が変化したものだと言われています。しかし、これも「ダイダイ」のことを指すのではないかという説があるため、「カボス」の語源や歴史は謎に包まれています。

↓こちらがダイダイ。鏡もちの上に置く柑橘類です。

画像出典:photoAC

カボスの生産地は大分県で、全国生産の9割以上を占めています。
江戸時代の医師・宗源が京都から大分県臼杵市に苗木を持ち帰ったのが、大分県での生産の始まりだそうです。
しかしこれも諸説あり…。身近なようでいて謎の多い柑橘類、それがカボスです。

余談ですが、わたしは大分県の出身で、いつも食卓にはカボスがありました。
今回、カボスの由来を調べるために、図書館のレファレンス資料(辞書や事典など)を何冊も確認したのですが、「香母酢」どころか「カボス」についての記述が少なくて驚きました。
野菜や植物の語源事典では、たいてい「カブ」の次が「カボチャ」になっているのです。もしかしてわたしが思っているより、カボスの知名度は低いのかも…? 
カボスは梅のように、果実酒にしてもおいしいですよ。ぜひ皆さん食べてみてくださいね!

↓カボスの近縁種は「ユズ」だそうです。

画像出典:photoAC

カボスの種類は?

「カボス大分1号」…広く流通している品種です。大分県で生産されるカボスの85%を占めているのだとか。
「豊のミドリ」…貯蔵用の品種です。他の種類に比べ、クエン酸や糖を多く含んでいます。
「香美の川」…種が少ない希少品種です。果汁が多く、フルーティな風味が特徴。
「祖母の香」…種が少なく小ぶりな希少品種です。名前は宮崎県との境にある「祖母山」に由来します。

カボスとよく似た柑橘類に「スダチ」がありますが、カボスのほうがスダチより大きいそうです。
↓こちらがスダチです。カボスの写真と見比べてみてくださいね。

画像出典:photoAC

カボスの旬はいつ?主な生産地は?

カボスの旬は、8月~11月です。
旬が長いだけでなくハウス栽培もされているため、3月中旬から7月にかけては、ビニールハウスで育てられたカボスが流通しています。
国内の生産量は大分県が98%を占め、宮崎県、福岡県がこれに続きます。

おいしいカボスの選び方って?

ずっしりと重く、色味がきれいで、表皮がなめらかなものがおすすめです。
熟したものは黄色味を帯びるため、酸味がまろやかなものを選びたいときは、黄色いカボスを探してみてくださいね。

カボスの保存方法は?

冷暗所で保存します。
長期保存する場合は、冷凍保存も可能です。使うときは自然解凍しましょう。

カボスの栄養素って?
 

画像出典:photoAC

調べてみるとカボスには、次のような栄養素が含まれるようです。

・カリウム…ナトリウムの排泄を促すため、塩分を摂りすぎた場合に摂りたい栄養素です。
・ビタミンC…抗酸化作用があり、病気にかかりづらい身体作りに役立ちます。また、コラーゲンの生成を助ける栄養素です。
・クエン酸…疲労回復や肝機能の改善などに役立ちます。
・フラボノイド…ポリフェノールの一種。抗酸化作用、抗がん作用が期待されます。

さらにカボスの香りにはリラックス効果があり、ストレス解消に役立つそうですよ。

カボスの調理のコツ
  

画像出典:photoAC


焼き魚に絞ってかけるだけでなく、カボスと同じ大分県臼杵市の名産であるフグを使った料理とも合います。
また、果汁に蜂蜜や炭酸水などを足して、ジュースにしてもおいしくいただけます。

※1歳未満の乳児には、ぜったいに蜂蜜を与えないでください。腸内環境が未熟なため、「乳児ボツリヌス症」を発症する危険性があります。

カボスの花って?

画像出典:photoAC


カボスは初夏に白い花をつけます。小さくて可憐な花ですね。
カボスの花言葉は「健康」「健康美」だそうです。

<参考文献>
・向笠千恵子・監修 『まるごとわかる ふるさとおもしろ食べもの百科5九州・沖縄』日本図書センター,2010
・堀知佐子・監修 『47都道府県ビジュアル文化百科 地野菜/伝統野菜』丸善出版,2016
・「クエン酸」『漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典』(講談社)
WEB
・「カボス」『果物情報サイト 果物ナビ』 https://www.kudamononavi.com/zukan/kousan/kabosu
・「カボス」『JAグループ とれたて大百科』 https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=98
・「カボスの生産」『大分県カボス振興協議会』
https://web.archive.org/web/20200119082745/http://www.oitakabosu.com/information/production/

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あたらしい日日
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世界が目まぐるしく変わってゆく今だからこそ、自然を身近に感じながら、自分らしく、気持ちよく暮らしたい。『あたらしい日日』は、そんな思いを抱くすべての女性のためのライフスタイルメディアです。「食」や「農」の話題を中心に、“あたらしい暮らし”に合う食べ方、住み方、働き方、遊び方、自分の磨き方…などを提案します。
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