保育園児が学ぶ英語はどんな内容?
一般的に、保育園児が学ぶ英語とはどのような内容になるのでしょうか。前提として、保育園は子どもの保育を目的とした施設なので、必ずしも学習が行われるわけではありません。
ここではまず、保育園に通う年代の子どもが学ぶ英語活動の内容を紹介します。
英語を楽しむ「ゲーム・歌」が中心
個人の学習スピードや施設による違いはあるものの、保育園児では英単語・発音などの読み・書きの学習は行われません。ゲーム・歌など遊びが中心になることが多い傾向にあります。
例えば「apple」という単語が出てくる歌だと、りんごの絵を描いたカードを見て英語の意味を理解していくイメージです。手遊び歌を用いて、単語と体の部位の名称を覚えることもあります。
また、英語での読み聞かせでは、日本・海外で有名な童話を、ペープサート・パネルシアターなどを用いて、物語の流れが想像できるように工夫して行われます。
このように、保育園の年代の子どもたちが学ぶ英語は「楽しみながら自然と学べる内容が多い」のが特徴といえるでしょう。
保育園児のうちから英語に触れるメリット
0歳のうちから親子で英語教室に通う人がいるほど、早期の英語教育が注目されているのも事実です。幼少期から英語に触れることで期待できるメリットは、大きく2つあります。
英語特有の発音に慣れやすい
保育園児の段階で英語を学ぶメリットは、英語の発音に慣れやすいことです。言葉を覚える幼少期は、特に耳から情報を取り込む力にたけています。
そのため、できるだけ幼いうちから英語に触れておく方が、ある程度の年齢になってから学習するよりも有利だと考えられているのです。
日本語に慣れ親しんでいる大人が、英語ならではの「R」「L」の発音を聞き分けるのは困難です。幼少期から英語に触れてきた人ほど、リスニング・英会話が得意になる傾向にあります。
小学校の英語教育に対応できる
保育園から英語に触れておくと、2020年度から必修になった小学校3年生からの英語学習に対応しやすいのもメリットです。小学校3年生からは英語のほかにも理科・社会など、学習する教科が増えます。
まったく知らない状態で学習するよりも、英語の発音・リズムなどを知っていることがひとつの自信につながるのも事実です。
先取り学習として保育園から英語に触れておくと、苦手意識・抵抗感がない状態で小学校・中学校の英語学習を始められます。
参考:2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート! | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
本格的な英語が学べる保育施設「プリスクール」
自治体が管轄する一般的な保育園では学習は行われません。英語教育に力を入れたい人には、本格的な英語が学習できる「プリスクール」がおすすめです。特徴を見ていきましょう。
英語で学び、生活する認可外施設
プリスクールの大きな特徴は、園内の生活を主に英語で行うことです。まるで英語圏の保育園に通っているように、朝の会・保育活動・帰りの会などを含めたコミュニケーションのすべてが英語で行われます。
プリスクールは自治体が管轄する保育園とは違い、ほとんどが認可外の保育施設です。認可外の保育施設と聞くと、不安になる人もいることでしょう。
しかし、認可外といえども、認可保育所に準じた基準で審査を受けているプリスクールがほとんどです。心配であれば、興味があるプリスクールに連絡をして見学してみるとよいでしょう。
英語の専門性が高い保育士が指導
一般の保育園とプリスクールの違いは、保育士の英語力です。もちろん一般の保育園のなかにも、英語が得意な保育士は存在します。ただ、保育士になる上で、高い英語力は求められていません。
一方、園の生活を英語で行うプリスクールでは、子どもの指導を担当する保育士にも日常会話ができる程度の英語力が求められます。海外留学経験のある保育士しか採用しないプリスクールもあるほど、保育士の英語力を重視しているのです。
子どもに英語を学ばせる際の注意点
英語が好きな子どもに育てるためには、親の関わり方も大切です。子どもの語学力を伸ばすために知っておきたい注意点を2つ紹介します。
動画・アプリなどを活用し、楽しめる工夫を
英語が嫌いな子どもにしないポイントは、楽しい学習環境にあります。英語力を高めたいからといって、親が間違いを叱ったり、子どもが望んでいないのに苦手分野を強化したりするのは逆効果です。
幼少期の子どもほど、親の反応が学習意欲を大きく左右します。子どもと一緒に教材を選んだり、動画・アプリを活用したりして、親子ともに楽しく学習することが大切です。
英語の学習教材にこだわる必要はなく、子どもが好きなアニメ映画を英語音声で鑑賞する方法もあります。
日本語の学習も忘れずに
言葉を話し始めたばかりの子どもは、言語を習得する力が高いのも事実です。スポンジが水を吸収するように多くの言語を覚えていく時期なので、英語だけではなく生活のなかで日本語に触れさせることも大切です。
たとえ英語力が優れていても、母国語の日本語を理解していなければコミュニケーションの幅は狭まります。
特にプリスクールに通わせる場合には、自宅の会話は日本語にするのがおすすめです。また、昔から伝わる正月・節分・七夕などの年中行事を通して、日本文化に触れさせることも意識していくとよいでしょう。
まとめ
言語を習得する能力が高い幼少期は、日本語にはない独特な発音がある英語学習にぴったりといえます。ただ、一般的な保育園で子どもが体験ができる英語は、ゲーム・歌などの遊びが中心です。
英語でコミュニケーションをとるプリスクールは、保育士の語学力を重視しています。より現地の英語に近い発音・話し方などに触れさせられるので、本格的に英語を学ばせたい人にはプリスクールを選ぶのも方法です。
英語が堪能な子どもに育てるポイントは、楽しく英語を学べる環境と日本語力です。学習アプリ・動画はもちろん、子どもの興味がある映画・音楽などを活用すると、楽しく英語を学べます。
さらに、英語だけに学習が偏ることがないように、日本の言葉・文化に触れさせるように心がけましょう。