2022年の年末調整の準備はできていますか?必要な書類と主な変更点をFPが解説!

2022年の年末調整の準備はできていますか?必要な書類と主な変更点をFPが解説!

ファイナンシャルプランナーの大野先生が、2022年の年末調整について詳しく教えてくれました。10月になり保険会社から控除証明書なども届く時期になりましたね。直前になって慌てないようにするためにも、事前の準備や必要事項の確認をしておくことが大切です。細かな部分に不安がある方はぜひチェックしてくださいね。


10月に入り、控除証明書が保険会社から届いている方も多いと思います。毎年10月後半~12月前半は、会社員・公務員等の給与所得者の方は年末調整の手続きをする時期ですので、準備を進めている方もいらっしゃると思います。

そこで今回は2022年(令和4年)の年末調整の手続きについてのポイントについてお伝えして参ります。

1.提出する主な書類について

年末調整では、生命保険・地震保険の保険料を払っている方や住宅ローンを利用して主に10年以下の方などに所得税・住民税を減額する控除の適用を申請しますが、該当する方は提出する書類があります。ここでは、対象者の多い必要書類をご説明します。

①生命保険料(地震保険料)控除証明書

生命保険や地震保険を2022年中に支払った金額がある場合、保険料の控除証明書が10月下旬頃までを目途に保険会社から届きます。年内に一括払(一時払または年払)の保険に加入した際には、保険証券に同封していることもあります。11月上旬までに届かない場合には、保険会社に連絡して再発行してもらうと良いでしょう。後述しますが、マイナンバーカードを持っている方は、マイナポータルと連携可能な控除証明書を電子化することができます。

②住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

住宅ローン減税(正式には住宅借入金等特別控除)の適用を受ける方は、金融機関から10月下旬頃までを目途に「年末残高等証明書」が届きます。2年目以降の住宅ローン減税の適用を受ける人はこの年末残高等証明書と合わせて、税務署から届く「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」・「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」を提出します。

なお、2022年中に新規借り入れした方は1年目のため、年末調整での手続きができず確定申告で申請をするため、2023年に入ってから年末残高等証明書を発送する金融機関もあります。

③社会保険料控除証明書

勤務先の社会保険以外に国民健康保険料や国民年金保険料等を支払った期間がある場合には、国民健康保険料はお住まいの市区町村から、国民年金保険料は日本年金機構から社会保険料の控除証明書が届きますので、年末調整で社会保険料控除が追加できます。

④小規模企業共済等掛金払込証明書

確定拠出年金・個人型(iDeCo)や中小企業基盤整備機構の共済、心身障害者扶養共済制度の掛金がある場合は、各団体から払込証明書が届きます。こちらは、小規模企業共済等掛金控除の対象となります。


上記の控除書類等が年末調整の期限に間に合わなかった場合には、人事・総務等の年末調整担当部署に確認して後日の提出ができるか確認をすると良いでしょう。それでも年末調整に間に合わなかった場合や年末調整後に保険の加入をした方は、2023年1月4日以降、お住まいの管轄の税務署で確定申告をすれば年末調整でできなかった控除の追加ができ、年末調整と同じ税額になり、後日還付を受けることができます。


また、病気の治療費や分娩費用等で多額の医療費がかかった場合の「医療費控除」や災害や盗難などの被害があった場合に適用される「雑損控除」等は年末調整では申請できませんので、こちらも確定申告の手続きで控除を追加することになります。

2.2022年・2023年の年末調整について

年末調整はその年の1月~12月の給与や賞与から源泉徴収している所得税を、保険料や住宅ローンの控除等を考慮して、年末に再計算(調整)する手続きですが、来年2023年(令和5年)の1月からの源泉徴収額を計算する上での扶養人数を確認する手続きでもあります。2022年・2023年の年末調整の手続きは大幅な変更点はありませんが、以下の変更点がありますので、ご確認ください。

①「社会保険料控除」などの控除証明書が電子データで提出可能に

2022年の年末調整からは、「社会保険料控除」・「小規模企業共済等掛金控除」の控除証明書が電子データで提出可能となります。なお、「生命保険料控除」・「地震保険料控除」等については、2020年からすでに電子データ提出が可能となっています。各金融機関・団体とマイナポータルの連携と勤務先が対応していることが必要ですが、マイナンバーカードを持っていて、勤務先で年末調整の手続きの電子申請が可能な場合には、一度試してみてはいかがでしょうか。なお、マイナポータル連携可能な控除証明書等の発行主体(団体名・会社名)は国税庁のサイト(マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧)をご確認ください。


②非居住者の扶養控除の範囲が縮小

2023年から非居住者の扶養控除の範囲が縮小します。子育て世帯には直ちに影響がある方は少ないと思いますが、30歳以上70歳未満の非居住者(「非居住者」とは、所得税法で規定されている、“国内に住所を有すか、引き続き1年以上居所を有す”「居住者」以外の個人)は2023年から扶養控除の対象外となります。なお、留学生や障害者等は例外となりますので、該当しそうな方がいる場合には、税務署等で事前に確認されることをお勧めします。


毎年手続きが面倒に感じる方もいる年末調整ですが、12月から1月に掛けて多くの給与所得者の方が還付を受けられる手続きでもありますので、頑張って申請漏れがないように、また追加の申請や漏れた事項があった場合には確定申告で手続きをしていただければと思います。

監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。

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