●実りある習い事になるかどうかは親次第?
『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』の著者の立石美津子さんによると“親がやらせることに夢中になってしまうのではなく、親が子どもを習い事に夢中にさせることができるかどうか”が身になるかどうかを左右すると言います。
「子どもが希望していなかったとしても、人生の先輩として『これからの時代に必要になること』はある程度見通しが立っているわけです。そのため、習い事を選ぶ際には子どもがやりたいかどうかだけではなくて、親の意向で決めることがあってもいいと思います。問題なのは入会した後です。子どもはその日の感情によって『行きたくない』とか『辞めたい』ということもあります。そのときに、子どもの言いなりになったり、責めたりするのではなく、子どもが夢中になれるように導いてあげることが大事です」(立石さん、以下同)
たとえば、年齢が上の子どもたちのクラスを覗かせてもらい上達するとどんなに楽しいことが待っているのか、少し先の自分を想像することで目的意識が芽生え、やる気が起こります。
「たとえば、ピアノであれば小さい頃は指が動かないので、結局つまらなくなってしまうんです。少し年上のお兄さんお姉さんが演奏しているのを見ると、自分も同じ曲を弾きたいなと思うようになります。習い事にはスキルアップという面だけでなく、目的意識を持ち達成する経験を得られる面があります。無理矢理お尻を叩いて通わせてもかえって子どものためになりません」
直接的ではなく遠回りをして、子どもの目的意識に火をつけてあげることで、習い事に向き合う姿勢に変化が生じるようです。
●体験クラスだけで教室を選ぶのはNG!
習い事をある程度ものにしようと思ったら、子ども自身が習い事を楽しむことが最大のポイント。しかし、それは子どもと習い事の相性だけではなく、指導者によっていかようにも変わってしまうそう。
「当然のことながら先生によって当たり外れはあります。たとえば、体験授業でいい先生だと思っても、実際のクラスは別の先生が受け持つということがあります。そのため、通わせたい曜日のクラスの様子を見学させることが一番いいと思います。そこで、退屈だなとか子どもにこの先生は合ってないということが分かると思います。“外れ先生”に当たってしまったら、長く続くものも続かなくなってしまいます。それは全ての習い事において言えることです」
つい遠慮してしまってそこまでできないという人もいるかもしれませんが、「学校と違って習い事はサービス業」と立石さんはきっぱり。本当に長続きしそうな教室かどうか、評判だけに頼らずに納得できるまで確かめることも、“本当にためになる習い事”を選ぶうえで欠かせないことかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)