管理栄養士のともゆみです。レタスが「ピッチピチ」に復活する方法、なんとなく聞いたことがあります。それは、50℃で野菜を洗うという方法。聞いたことはあるけれど、正確なやり方とどういう原理でそうなるのかを情報番組『バゲット』の「知って得する裏ワザ」特集で解説していました。実際にやったことがなかったので、試してみたくなりました。どの程度復活するのでしょうか?検証してみたいと思います。
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割と使い勝手が良いので、いつでも使えるようにと買い置きしがちな「レタス」。でも、なかなかチャンスがなくほったらかしになって… 気が付くとしおれてしまって「しなしな」に。そんな残念な経験、ないですか?
ほら、こんな状態。このレタスでサラダはちょっと悲しいですよね。今回は「50℃で洗う」という裏ワザを使って「しなしな」になったレタスを復活させてみたいと思います。
しおれたレタスを復活させる方法
【用意するもの】
しなしなしてしまったレタス(今回のレタスは買ってから冷蔵庫に2週間置いたもの)
50℃のお湯
氷水
ボウル2個
菜ばし
【やり方】
まずは50℃のお湯を用意します。
わが家は給湯器が50℃に出来るタイプなので、それを利用します。
温度が下がらないように大きめのボウルにたっぷりと入れます。
給湯器で50℃に出来なければ、作りましょう。
ボウルに熱湯と水を半分ずつ入れると50~55℃くらいになるので、調理用の温度計を使いそこから少しずつ水を足して50℃になるように調節します。
(注)お湯の温度が低いと、効果が得られにくいだけでなく、43℃以下になると雑菌が繁殖しやすくなります。たっぷりのお湯を使う、レタスは少量ずつ入れるなど、50℃の温度をキープできるようにしてください。
氷水を準備します。
別のボウルに氷水を入れておきます。
レタスは1枚ずつはがし、50℃のお湯にさっと浸します。
お湯から取り出したら、氷水に約1分浸します。
1分経ったら取り出します。
見た目だけでも、かなりパリパリ感が伝わってきます。すごい!
ただ、「しなしな」のままの部分も一部ありました。下記画像の左下あたり。
それぞれ比較してみます。
最近買った「しなしな」していないレタス(水道水で軽く洗っただけ)
うん、まあいつものレタスですね。おいしいですよ。
裏ワザで「しなしな」を復活させたレタス
おお~!シャキシャキしてて歯ごたえ抜群です。おいしいです。
ほんとシャッキシャキですよ。最近買ったレタスよりずっとシャキシャキです。
色もきれいに仕上がっています。
裏ワザを試したものの復活しなかった「しなしな」のままの部分
腐っている感じではなかったので、食べてみました。見た目通り、「フニャフニャ」で歯ごたえが悪いです。味は悪くはないのですが…。
比較してみて
裏ワザで復活させたレタスがダントツでおいしかったです。
最近買ったレタスはと言うと、見た目は全然「しなしな」していないんですが、復活させたものと食べ比べてみるとフレッシュ感が全然負けてしまいましたね。
裏ワザで50℃で洗ったときに色が鮮やかになりシャキッと感が出ましたが、そのあとの氷水に浸けた時にさらに葉がピーンと張った感じになったので、最近買ったレタスも氷水だけつけてみました。そうしたら… 見た目は変わらないのですが、食感はパリッパリになりましたよ。
「しなしな」したレタスが復活した原理
野菜の細胞同士をつなぐ「ペクチン」という成分が反応して固まり、食感が強化されることと、気孔と呼ばれる呼吸をする穴から水分を吸い上げてシャキシャキ感が復活するという原理だそうです。レタスが「しなしな」になってしまう原因は水分が失われたためなので、水分を入れることで復活させることができるのです。なので、傷んでいるレタスには効果はありません。
レタスを「しなしな」になりにくくする方法
収穫後もレタスは呼吸しているため、水分が失われます。芯の部分に爪楊枝を2~3本刺しておくと呼吸を止め、長持ちさせることが出来ます。
そして、水分を逃がさないようにラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
レタスの栄養素
レタスは、ほとんどが水分でエネルギーは100g当たり12kcalと低カロリーの野菜です。食物繊維をはじめ、β‐カロテンやビタミンC、カルシウムなども少量ですが含まれています。香りと苦みの成分が精神を安定させ、眠りを誘う作用があります。また、カロテノイド、フラボノイド、クロロゲン酸といったポリフェノールが含まれているため、免疫力を高めたり、血糖値の安定などの効果が期待できます。
50℃のお湯と冷水で「しなしな」だったレタスは、一部復活出来なかった部分もありましたが、ほとんどの部分でシャキシャキに復活しました。レタスは割と冷蔵庫で常備している確率の高い野菜だと思うので、もし「しなしな」してしまったら、ぜひやってみてください。
しなしながシャキッとしますよ。
<参考文献>
病気にならない人の食べるクスリの本 永岡書店
配信: あたらしい日日
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