【ご当地おむすび】ほっくり香ばしい大豆の香り~♪素朴な甘み~♡奈良県の「奈良茶飯おむすび」作ってみた!

【ご当地おむすび】ほっくり香ばしい大豆の香り~♪素朴な甘み~♡奈良県の「奈良茶飯おむすび」作ってみた!

炒った大豆とお米をほうじ茶で炊いた「奈良茶飯」をご存じですか? 江戸時代初めに奈良で誕生した奈良茶飯ですが、遠く離れた東海道の川崎宿で評判となり、逆輸入という形で奈良でも人気になったとか。NHKの番組『おむすびニッポン』では、そんな奈良茶飯をおにぎりにした「奈良茶飯おむすび」を紹介していました。このおむすび、形が「俵型」なのですが、それにも理由があるのだとか。ほうじ茶のやさしい味わいの素朴なおにぎりを、さっそく作ってみましょう!

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ほうじ茶で炊く「奈良茶飯」とは?

味わい深い「大和茶」の産地として有名な奈良。そんな奈良には古くから緑茶を焙煎したほうじ茶でお米を炊く文化があり、炒った大豆とお米をほうじ茶で炊く「奈良茶飯」は江戸時代初期頃に誕生したといわれています。

ほうじ茶は、香ばしさとすっきりとした味わいが特徴。茶葉を焙煎することで「カフェイン」や「カテキン」が減少し、苦味や渋味が少なくなって甘みが引き立ちます。一方で、香り成分「ピラジン」が増加し、ほうじ茶独特の香ばしさが生まれるそうです。

なぜ緑茶ではなく、ほうじ茶で炊くのか疑問でしたが、なるほど! ほうじ茶は、緑茶より渋みや苦みが少なく、また、香ばしくて甘みがあるからなんでしょうね…きっと。そういえば、料理やスイーツにもよく使われていますものね。

さて、江戸時代に奈良で生まれた「奈良茶飯」ですが、有名にしたのは奈良ではなく、東海道の宿場町「川崎宿(神奈川県川崎市)」だったそう。「河崎万年屋」という茶屋で「奈良茶飯」を出したところ、お店の名物になるほど大評判となりました。

当時、江戸周辺ではお茶が大変貴重で珍しかったそうなので、上方からやってきたお茶で炊いたご飯のおいしさは江戸時代の庶民にとって衝撃の味だったのかもしれませんね。

そして、川崎宿で食べた「奈良茶飯」のおいしさは、旅人たちの口コミで全国に広まり、川崎からの逆輸入という形で奈良でも評判になったというから、それもまたおもしろいですよね。

奈良茶飯おむすびの定番は「俵型」

今回作る「奈良茶飯おむすび」には定番の形があるようで、それは三角ではなく、俵型。「奈良茶飯」が広まった江戸時代、庶民たちの娯楽は芝居見物でした。そこで欠かせなかったのが幕の内弁当。お弁当に入れやすく、芝居を見ながらでも箸でつまみやすい形…ということで、俵型になったといわれています。

では、奈良茶飯おむすびを作ってみましょう♪ もちろん俵型で!

「奈良茶飯おむすび」材料と作り方

番組では材料の分量は紹介していなかったので、自分で考えて作ってみます。

【材料】2人分
お米…1合
ほうじ茶…普段お米を1合炊く時の水の量(約200ml)
大豆…20g
塩…ひとつまみ

【下準備】
ほうじ茶の準備をします。

煮出したほうじ茶で炊くレシピもあるようですが、わたしは煮出すのではなく、お茶を飲むときと同じように急須で淹れたほうじ茶を使うことに。ほうじ茶の淹れ方は世界緑茶協会と江戸時代から続く銀座にある老舗「煎茶堂東京」のサイトを参考にしました。

茶葉の量は1人分3~4g、お湯の量は120~130mlくらいが目安とのこと。今回ほうじ茶は200ml必要で、また、少し濃いめのほうが、お米に味も香りも付きやすいと思うので、茶葉8g、お湯240mlで淹れることに。

淹れ方は、急須に茶葉を入れ、沸騰した熱いお湯を注ぎ、急須にふたをせず30秒ほどおきます。沸騰した熱々のお湯を注ぐとほうじ茶特有の香ばしい香りが立つそう。ふたをしないのは、ほうじ茶の焦げ臭を飛ばすため。また、長時間蒸らすと渋みが出るので30秒ほどでいいそうです。

今回は冷ます必要があるので、ボウルにお茶を注ぎます。

ああ~、ほうじ茶のとってもいい香り♪ せっかくおいしく淹れたほうじ茶ですが、ご飯を炊くために冷まします。

ほうじ茶が冷めたら準備完了!

【作り方】

1.大豆をフライパンに入れ、中火で軽く炒ります。炒り具合は大豆に少しヒビが入るくらいが頃合いだそう。

5分くらい炒ると、ヒビが入りました。

2.洗ったお米を炊飯器に入れ、冷ましたほうじ茶と塩を入れます。

冷ましたほうじ茶を使うとお米がよく水分を吸うようになり、ふっくらと炊き上がるのだとか。また、塩を入れると、ほのかな塩味がお茶の甘みを引き立ててくれるそうです。

3.2を通常の炊飯モードで炊きます。

ピーピー♪と炊飯器から炊き上がりの合図。炊きあがったご飯は軽くほぐしましょう。

ほんのりほうじ茶色に染まったご飯。炒った大豆とほうじ茶のダブルの香ばしさがとってもいい香り~。

4.俵型ににぎって出来上がり。 

ではいただきます!

ワォ!おいしい。ふた口サイズの俵型なので食べやすくて◎。塩味がほんのり効いています。お米ひと粒ひと粒が立ってしっかりしているので、ちょっとおこわっぽい食感。大豆は硬すぎず、やわらかすぎずちょうどいいです。そして甘い!やさしい甘みがあって、ホクホク感もあって、栗ご飯にも似ています。

ご飯には色だけでなく、ほんのりとほうじ茶の味がついていて甘みを感じます。これがほうじ茶の甘さなのかしら。お茶の苦みや渋みはゼロ。香ばしい香りと甘みのある、素朴でやさしい味のおむすびです。

お茶が貴重だった江戸時代の人たちは、この味に至福の喜びを感じたんだろうなぁと思いを馳せながらいただくと、より味わい深いものになりました。

みなさんもほうじ茶で炊いたホクホク大豆の「奈良茶飯おむすび」、作ってみてくださいね。

<参考文献>
WEB
「宇治田原製茶場ネットショップ・茶の間〜やさしい味わいで親しまれるほうじ茶の特徴とは〜」
https://shop.chanoma.co.jp/column/kind/houjitya.html

「世界緑茶協会〜ほうじ茶のおいしい淹れ方〜」
https://www.o-cha.net/omotenashi/houjicha.html

「煎茶堂東京〜ほうじ茶の美味しい淹れ方レシピ。あつあつのお湯で香り立つ一杯を〜」
https://shop.senchado.jp/blogs/recipe/20201013_151

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