大人の「きょうだい不仲」、その原因やきっかけは、どんなことなのだろうか。母娘関係改善カウンセラーの横山真香さんに聞いた。
「大人のきょうだい不仲には様々な原因がありますが、特に姉妹の場合に多いのは、母親との関係性です。例えば、片方が母親と仲良しで、もう片方はギクシャクしているパターン。片方ばかりがかわいがられるというジェラシーから不仲になるのです」(横山さん 以下同)
母親をめぐるきょうだい不仲は、幼い頃から続いていることもあれば、時期によって仲良しの側が変わることもあるという。
「母親が作為的に姉妹の仲を引き裂く場合もあります。姉妹仲が良すぎると、母親がジェラシーを感じることもありますし、姉妹がタッグを組んで自分に歯向かうことを恐れることもあるのです」
特に、権力意識が強く、子どもをコントロールしたがる「支配型」の母親の場合、子どもが自分に服従しなくなることを恐れ、意識的、あるいは無意識に、姉妹仲を悪くさせるよう画策するそう。
●ライフステージの変化で起こる嫉妬、焦りがきょうだい不仲に
また、きょうだい不仲のもうひとつの大きな原因に「ライフステージの変化」もあると言う。
「例えば、社会人になったとき、姉妹の片方が華やかな職業について、もう片方はごく普通の就職をすると、相手が羨ましいとか、妬ましいことはありますよね。女性の場合、20代~30代になると、片方が結婚・出産をして、もう片方は結婚していない場合など、焦りを感じることがあります。ライフステージの変化によって、これまで気にならなかったことが、チクチクと胸に刺さってくるのです」
しかも、きょうだいが異性である場合、「将来活躍してほしい」と思う人が多いのに、同性の姉妹に対しては、応援したい半面、素直に活躍を喜べない思いが湧きやすいそう。
「さらに、もうひとつの原因に、幼い頃から感じる『性格が合わない』こともあります。『友だちだったら、付き合わないタイプ』ということは、どうしてもあるんです」
性格の「合う・合わない」は、誰にでも少なからずあるものだが、血縁関係の場合はそれが根深くなりがちだ。だが、あくまで嫉妬や性格の不一致であり、深い憎しみでない場合には、ある程度自然なことと割り切ることも必要かも。
(田幸和歌子+ノオト)