ママ友との割り勘トラブル――PayPay払いを拒否したら、現金で支払ったはずの飲み代を後日請求された!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。


写真ACより

 ママ同士の付き合いでトラブルになりがちなのが、「割り勘問題」ではないだろうか。少し前も、SNSで「家に遊びに来たママ友が、お昼の宅配ピザ代を支払わなかった。こういう場合は、私が代金を持つのが普通なのか?」といった投稿がバズり、さまざまな意見が飛び交った。ママ友付き合いでは、一緒に遊んだり、ご飯を食べに行くメンバーが流動的なこともあり、そこで生じたお金を誰がどう支払うか、明確なルールが決めにくい。

 今回は、子どもの習い事で親しくなったママ友とちょっとした割り勘トラブルが起こり、頭を悩ませたというあるお母さんの話を取り上げる。

ダンス教室で一緒のママ友。自宅の夕食代を支払ってもらえず

 生命保険会社で営業事務を担当している沙穂さん(仮名・35歳)は、小学4年生になる女の子のママ。自身が韓流アイドルにハマったのをきっかけに、娘もダンスを習い始めたという。

「最初は私が、YouTubeを開いては韓流アイドルのダンス動画ばかり見ていたんです。するとそのうち娘も興味を持って、一緒に動画を見るようになり、『ダンスを習ってみたい』と言い始めたんです。それで小3から地元のヒップホップダンスの教室に通っています」

 沙穂さんは娘の送り迎えをしていたが、仕事の都合で、夕方のレッスンスタート時間に間に合わず、いつも少し遅れての入室となっていた。

「ダンス教室には、同じ学年の子が2人いました。その1人が、隣の学区の小学校に通っている女の子で、お母さんである友里さん(仮名・34歳)とは、教室のお迎えの時に顔を合わすようになり、連絡先を交換。学区は違ったものの、家が近所だったので、『レッスンの開始時間に間に合わないのなら、私が一緒に送ってあげるわよ』と言ってくれたんです」

 義実家の事業の手伝いをしている友里さんは、時間の融通が利きやすいため、沙穂さんの娘の面倒もしょっちゅう見てくれたという。

「友里さんと娘さんは、レッスン後によくうちに遊びに来るようになりました。夕飯として、惣菜屋のオードブル盛り合わせなどを用意するのですが、代金を支払ってくれたことは一度もないんですよね。友里さんには娘がお世話になっているし、手土産をもらうこともあるので、言いづらかったのもありますが……。せめて『夕飯代はどうすればいい?』って聞いてくれてもいいのに、とは思っていました」

 ママ友同士は、長年の友達のように気心が知れた関係ではないため、特にお金の話については言いづらい面があるのだろう。

「この前、ダンス教室の発表会があったんです。小さなスタジオを借りた身内向けの発表でしたが、娘は楽しそうに踊っていて、習わせて良かったと思いましたね。その後、友里さんが幹事の打ち上げが開かれ、ママ友たちと居酒屋へ行ったんです。みんなで飲むのは、その時が初めてでした」

 居酒屋では、コース料理ではなく、それぞれが自由に料理や飲み物を頼んだという。

「友里さんは、ビールやサワーなどをぐいぐい飲んでいました。一方、私はお酒をほとんど飲まないので、1杯目のビール以外はソフトドリンクのみ。仲の良い友人との飲み会だと、私の支払いを安くしてくれることもあるんですが、友里さんは、きっちり割り勘でした。飲み会自体は楽しかったものの、少しモヤモヤしましたね。それに、支払いで困ったことがあったんですよ」

 PayPayやLINE Pay、楽天Payなど、ここ数年ですっかり世間に浸透した電子決済。現金払いでは得られないポイントを獲得できることから、利用者は増加中だ。幹事の友里さんは“ポイ活”に夢中で、居酒屋の代金もまとめてPayPayで支払っていたというが……。

「友里さんは、割り勘した代金を『PayPayで送金して』と言うんですが、私はダウンロードしていなかったんです。友里さんとほかのママ友はPayPayユーザーで、いつもこのやり方で割り勘していたといい、『PayPayやってないの?』と驚かれました……。使わないアプリを入れるのが嫌だったので、結局、友里さんには現金で払うことにしたんです」

 しかし、翌日、友里さんから驚くようなLINEが届いたという。

「昨日の支払いがまだだから、支払ってくれっていうんです。友里さんは酔っていたので、私が払ってないと思ったのかもしれません。PayPayのように証拠が残らないので、私がウソをついていると思われないか不安だったのですが、『現金で支払ったよ』と返信しました」

 沙穂さんは、こういった友里さんの大雑把なところが気になるという。

「友里さんからは『ごめん、そうだったかも』と返信がきました。こっちは『面倒なトラブルになるなら、もう一度払おうか』とまで悩んでいたのに……。彼女に借りを作るのは嫌なので、これからはなるべく娘を自分でダンス教室に送ろうと思いましたね。気兼ねなくものを言い合える仲ではないママ友同士だからこそ、お金のことはきっちりする――これって暗黙のルールだなと。あらためて自分も気をつけたいですね」

 沙穂さんの言う通り、ママ友間では、お金の支払いについて口にしづらいところがある。だからこそ、支払いに関しては事前にきっちり確認し合うことが重要だろう。それをしないと、沙穂さんのように、自宅でふるまった料理の代金が支払われないというケースが続く可能性もある。

 そう考えると、居酒屋の割り勘に関しても、沙穂さんは飲み会が決まった時点で、最初に「あまりお酒は飲まない」と参加メンバーに伝えておくべきだっただろう。そのうえで、「飲み物代の負担は軽くしたい」という意思を示したら、幹事の友里さんも、お酒を飲む/飲まないメンバーで支払う額を変えたり、もしくは「飲み放題」にして、1人分の飲み物代を最初から同じにする提案をしたかもしれない。

 また、沙穂さんは、現金払いと電子決済で送金する者が混在する割り勘で、ちょっとしたトラブルに遭遇した。それを避けるには、代金をまとめて支払う幹事のママが、事前に「割り勘の支払いは電子決済(現金払い)でまとめたい」などと、参加メンバーに相談しておくとスマート。電子決済では送金履歴が残るものの、現金払いでは「払った/払ってない」の食い違いが起こるかもしれないので、幹事がしっかり管理するとともに、支払う側も、LINEで一言「払いました」などと送ってもいいのかもしれない。

 頻繁に顔を合わすママ友と、お金の支払いでモヤモヤを抱えてしまうのは避けたいもの。事前の確認を徹底するよう心がけたい。

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サイゾーウーマン
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料理や収納など暮らしに関する情報や、芸能、海外ゴシップの最新ニュースを連日発信中。ほかにも、皇室や女子刑務所のウラ話、万引きGメンの現場レポなど、個性豊かなコラムも展開。ほかとは異なる切り口で、女性の好奇心を刺激する記事をお届けします。
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