日本人の方と、子どものころの思い出を語り合ったりして、よく「まさか!」と笑われるのが、「お腹が痛くなったら、かならずコーラを飲まされていた」という話。
私がまだ小学生だったとき、腹痛があまりにひどくて、ママに街の病院に連れていってもらったんです。でも、そこでお医者さんにも「それくらいだったら、薬なんて飲まなくてもコーラを飲めば治ります」と言われちゃいました……(笑)。どうもドイツには「コーラはシロップ的な、ちょっとした薬代わりになる」といった考えが、今でもあるようです。
おそらく、眼が覚める効果のあるカフェイン系の成分だとか、お砂糖やガスだとかが、子どもの軽い腹痛などに良いという考え方なんでしょう。それにしても医者にコーラをすすめられるなんてビックリですよね。
とくにドイツ人をはじめとするヨーロッパの人たちは、コーラにかぎらず炭酸水が大好きですからね。カフェとかでも、ドイツでは「お水」と言えばガス水なんです。
腹痛にかぎらず、ドイツでは子どもに何かあっても、日本ほどすぐには薬を飲ませない風潮があるのではないでしょうか。
こういう話があります。たまたま私がドイツに帰っていたとき、友人のドイツ人女性と会っていたのですが、ちょうどそのとき、小学生の息子さんが風邪をひいてしまったんです。
私は日本の感覚で「すぐ病院に連れて行かなくっちゃ!」と言ったのですが、彼女は一向に動こうともしない。「なんで?」と訊ねたら、「風邪は一週間で治る、お医者さんに行って薬を処方してもらえば7日間で治る」と嫌味を返されてしまいました(笑)。
ただ、最近はドイツでも、なんでもかんでも薬で治そうとするママさんが増えていると聞きます。「東洋医学的な自然治癒の発想は一切信用しない!」みたいな? 冗談じゃなく、試験の前に緊張しちゃう子どもに精神安定剤を飲ませるママさんもいたりしますし。
いずれにせよ、ドイツ人は気質として、日本人より考え方が極端に走るきらいがあるのかもしれません。