ドイツはとても寒い国なので、昔からの名残だと思うのですが(今はセントラルヒーティングで家のなかも暖かいんですけどね)、子どもの身体の先端部位である、頭や耳、足(の先)をまず防寒し、中耳炎や風邪から守る習慣があります。これも、子どものお腹を第一に守りがちな日本のママさんからすれば、おかしい“違い”ではないでしょうか。
あと、ドイツのママさんはどんなに外が寒くても、子ども連れでの長い散歩を欠かしません。モチロン、子どもには「これでもか!」というくらいに着込ませます。毛糸の帽子で耳を完全に隠したり、何枚も何枚も重ね着させて、靴下もふわふわで暖かいブーツとかもはかせて……。赤ちゃんで靴をはかない場合は、ノドはマフラーで、足は毛布でグルグルに巻いてから、ベビーカーに乗せたり……。
日本だと「子どもは風の子だから」という教えが未だ根強いのか、冬なのに裸足の赤ちゃんや半ズボンの子どもがいたりしますよね? 私なんかはそういうのを見ると本当にビックリしてしまいます。ドイツだとこれらは虐待に近い(笑)。夏でも裸足の赤ちゃんは絶対にいません。
おそらく、「子どもは風の子」に代表される日本特有の精神論が、ドイツ人からすると合理的ではないのでしょう。「寒ければ着るでしょ!」みたいに。先にも言いましたが、ドイツの寒さは日本と比べると桁違いで、我慢できるようなレベルじゃないんです。
日本では、どちらかと言えば「我慢」が美徳とされる傾向があるじゃないですか。でも、ドイツ人はワガママなので(笑)、我慢をしません。体育会的な教育がもてはやされる文化もないので、「辛いことを我慢しましょう」という主張は、ドイツでは受けないんです。
そんな寒さに弱いドイツ人なんですが、意外にも「使い捨てカイロ」は一般的に普及していません。ドイツ市場で売り出されたのも、本当につい最近の話。
ドイツの感覚では、使い捨てカイロは腰痛の方だとかのために処方される“医療用品”なんです。「使い捨て」という使用法が、環境に人一倍うるさいドイツ人には合わないんでしょうね。