危ない時に注意してもらうための工夫|杉江勇次 日本テレビ気象デスク④

森田正光さんとの出会い

1995年に受かって、民間の気象予報会社を訪問しているなかで、ウェザーマップ社をたちあげたばかりの森田正光さんに出会いました。1996年からTBSで早朝の番組が始まるというので、「お前、ちょっとしゃべってこいよ」と言われ、そのまま、その番組に出ることが決まりました。今、思えば、あれがオーディションだったんですね。

写真説明:ウェザーマップ社創業者で会長の森田正光さん(ウェザーマップ社提供)

TBSに6年間いて、2002年に日本テレビの昼の番組のオーディションがあったので、そちらに移り、それからずっと日本テレビの仕事をしています。土曜朝の「ズームイン!!サタデー」では、趣味のドラムを生かすというので、朝の5時半か6時くらいに外にドラムセットを持ってきて10秒か15秒くらい生でドラムをたたいて、「今日は晴れ!」とか「雷!」とか、7年間くらいやっていました。隣にホテルがあって、苦情が来たらやめようと思っていたのですが、幸いそのような事態にはなりませんでした。

何もない時の天気予報に印象に残る言葉を1つ織り交ぜる

天気っていうのは災害につながるシビアな面がありますが、だからこそ、普段の何もない時の天気予報は楽しんで聞いてもらえるようにしたい。ちょっと笑いを入れつつ、印象に残る言葉を一つは織り交ぜて、と考えています。その方が、本当に危ない時に「今日は真剣に伝えているから危ないんだな」と視聴者の皆さんに思っていただける気がします。話す時は完全にアドリブです。2分の尺でも、3分の尺でも、少し脱線して、それから天気の話をして、ぴったりと終わることができます。テレビに出演する気象予報士には、表現する力も必要です。

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