
●世界と比べても日本の不妊率は高い
不妊に悩む夫婦が6組に1組というのは、2010年のデータ(最新版)。少し古いデータなので、実際にはもっと増えているのかもしれませんね。意外にも、不妊の原因は女性が45%、男性が40%、原因不明が15%で、男女間で差はあまりないのです。
また、不妊率の世界平均は9%であるのに対し、日本は16%。男女ともに、晩婚化が進んでいることが関係しているという意見も散見されます。
●男性不妊の原因とは?
男性不妊の原因はおもに4つ。それぞれの特徴を見ていきましょう。
□男性不妊のおもな原因4つ
1)乏精子症
これは文字通りの意味で、精子の数が圧倒的に少ない状態のこと。精子をつくる力が弱まる「造精機能障害」が原因になることもありますが、原因不明のケースも珍しくないのだそう。
2)無精子症
精液のなかに、精子が見当たらない状態のこと。無精子症は、さらに2つに分けられ、精子があっても、通路がふさがれている「閉塞性」と、精子そのものが作られていない「非閉塞性」があります。
3)精子無力症
精子は作られていますが、元気な精子が少ない状態のこと。元気な精子が少ないと、卵子にたどり着く前の段階で精子が死んでしまうので、受精ができませんよね。そのため、不妊の原因になってしまうのだそうです。
4)勃起障害(ED)
勃起できなかったり、勃起状態が持続できない症状のこと。男性が性交渉に神経質になっていると、なりやすいそうです。妊活に励んでいると、夫婦ともに焦ってしまうもの。「今日は子どもを作る日」「今日を逃すと、来月まで待たないと…」など、妻からのプレッシャーに耐えられずになってしまうケースも多いのだとか。
●男性不妊セルフチェック
“男として”のプライドが邪魔して、男性は自分に原因があると認めようとしない傾向があります。病院に行くのが恥ずかしいと思っている人も少なくありません。そんな時は、まずセルフチェックから始めてみてはいかがでしょうか?
□セルフチェック
1)乏精子症
・左右の陰嚢に違いはないか
・長時間座り続けた時、痛みがないか
2)無精子症
・知らない間に陰嚢が腫れていないか
・不潔な手で性器を触ってしまった
3)精子無力症
・おたふくかぜの経験アリ
・乳児期に停留精巣の手術経験はないか
4)勃起障害(ED)
・失敗したら…という不安がある
・妻の排卵日に帰宅するのが憂鬱
心当たりがある場合は、男性に不妊の原因があるかもしれません。勇気をだして、受診してみてください。
どちらに原因があったとしても、妊活は夫婦の問題。パートナーの理解や協力がないと、なかなかうまくいきません。また、焦れば焦るほど、逆効果になってしまうこともあります。我慢強く、夫婦で支え合いながら妊活に励むのが理想なのではないでしょうか。
(文・明日陽樹/考務店)