友だち付き合いで、将来は仕事の上でも非常に大切になる「約束を守る」こと。親はその大切さを教えるべく、子どもといろいろな約束をするけど、あっけなく破られてしまうことは多々ある。
なぜ子どもは約束を守れないのか。病児保育、ベビーシッター、家事代行を行う株式会社マザーネット代表取締役の上田理恵子さんに聞いた。
「子どもが約束を守れない一番の理由は、なぜ守らないといけないかがわからないからです。約束をきちんと聞いていない場合もあります。子どもにしてみれば、大切さがわからないと、それを守らずに親に怒られても『なんで怒るんだろう』と思うだけです」(上田さん 以下同)
幼いうちは「約束を守らなくても普通」と思っておいたほうが良いそう。また、「約束」が本当に必要になるのは、子どもだけで行動する機会やひとりで過ごすことも出てくる小学生くらいからだという。
「ただし、小学生になっていきなり約束が守れるようになるわけではありませんので、『他人を傷つけないこと』『ウソをつかないこと』など、基本的なことは保育園・幼稚園の頃から絵本などを読みつつ教えていくと良いと思います」
●親の前でだけ約束を守る子には注意!
ところで、「約束を守れる子」と「約束を守れない子」にはどんな違いがあるのか。
「言葉で言うだけでわかる子もいますし、そうじゃない子もいます。話を聞いているフリがうまく、実は聞いていない子もいますし、聞いていないように見えて意外と聞いている子もいます。なかには、親の前でだけ守る子もいて、いちばん難しいのがそうした『人によって態度を変えるタイプ』です」
人によって態度を変えるタイプの子にはどうしたら?
「約束をするのが親のためじゃなく、自分のためだということを教えていくことが大切です。『あなたの人生で将来必要になるから』『約束を守れないと、信頼は一瞬で崩れるよ』『あなたのことが大切だから言うんだよ』などと真剣に伝えれば、内容は難しくても、幼い子にも響くはずですよ」
また、約束がたくさんあると覚えられないこともある。さらに、パパとママ、おじいちゃんやおばあちゃんなど、人によって言うことが違うと、子どもが戸惑う原因になるそう。
子どもと約束をする場合は、本当に必要なことだけにすること。そして、家族でルールや基準の統一をする必要はありそうだ。
(田幸和歌子+ノオト)