【プロが教える】壁紙で洗面所をおしゃれにする方法!機能性やアクセントクロスのコツ等実例を交えて徹底解説

【プロが教える】壁紙で洗面所をおしゃれにする方法!機能性やアクセントクロスのコツ等実例を交えて徹底解説

※本記事の家具・コーディネートなどの画像を確認したい場合は、Hello Interiorホームページにてご確認ください。

身支度や着替え、入浴時など、一日に何度も使う洗面所。浴室やトイレに隣接することもあり、水濡れや湿気が気になりやすい場所です。

洗面所の壁仕上げを検討する際、よく選ばれるのが壁紙(クロス)仕上げ。とはいえ、リビングの壁などと同じ感覚で壁紙を選んでよいか?色柄の選び方はどうしたら?など、迷われる方は意外に多いかもしれません。

今回は、洗面所の壁紙を工夫しておしゃれな空間に仕上げたいという方に参考にして頂きたい、壁紙の選び方のポイントやおしゃれなコーディネート実例をご紹介します。

壁紙を工夫しておしゃれな洗面所を実現する方法

「ビニールクロス」「織物(布)クロス」「紙クロス」「オレフィン・木質系・左官壁(無機質系)」など、実に多くの種類に分かれる壁紙クロス。

お住まいの環境や日頃のメンテナンスによって違いがありますが、一般的な耐用年数は「5~10年」ほどといわれています。

洗面所の壁紙を選ぶ際は、特に下記の点を意識して選びましょう。

機能性壁紙でも水がかかりやすい場所はNG。タイルなどとの貼り分けがオススメ

せっかくなら、ちょっと個性的なデザイン壁紙を検討したいところですが、洗面廻りは「防汚性」「抗菌性・防カビ性」「耐久性」に優れる機能性壁紙から選びたいところ。

壁紙の素材は、できれば塩化ビニール樹脂などを主原料とする「ビニールクロス」を選ぶのがおすすめです。

【タイルのような壁専用不燃メラミン化粧板を組み合わせた例】

とはいっても、壁全面にビニールクロスを貼るのではなく、水や汚れが付きやすい場所は「タイル」や「壁専用不燃メラミン化粧板」などと組み合わせるのがよいでしょう。

上の画像はタイル柄の不燃メラミン化粧板を、洗面シンク近くに貼った例。水撥ねしやすい壁の下部は「メラミン化粧板やタイル」、その上部にそれらと相性が良い色柄の「機能性壁紙」を貼ると、おしゃれな印象に。

【フィルム汚れ防止壁紙の一例】

タイルなどとの貼り分けをせず、水撥ねしやすい場所も全面壁紙貼りにしたい、という方は、ラミネート加工を施した「フィルム汚れ防止壁紙」などから選ぶのがおすすめ。

乾拭きや水拭きだけで汚れを落としやすくなるので、日常のメンテナンスが断然楽になります。

しかしながら、水気が多い場所だけに洗面所の壁紙は劣化しやすいもの。タイルなどと貼り分けても、機能性壁紙を選んでも、10年位を目安に張り替えが必要になることを認識しておきましょう。

暗い色や光を反射しやすい壁紙は避けて。洗面所全体の色数にも注意

【ライトグレーの壁紙とサブウェイタイル柄壁紙で貼り分けた例】

洗面所は広さがとりにくく、狭小スペースになりやすいもの。純色の黒い壁紙などを広い面積に貼ってしまうと圧迫感や閉塞感が強まるので、極端に暗い色合いはおすすめできません。

逆に、光沢感強めの真っ白な壁紙もなるべく避けて。太陽や照明光が反射し、目が疲れやすくなることがあります。

例えば、モルタル調(ライトグレー)+タイル柄(ホワイト)など、モノトーンカラーでも明るめの色合いを選ぶなど。二種の異なるテクスチャーを組み合わせるのも素敵です。

【クリームイエローの壁紙にタイルを組み合わせた例】

特にコンパクトな洗面所では、高明度&中彩度のパステルカラーや、高明度&低彩度のシャーベットカラーがおすすめ。淡い色合いが、空間に柔らかさを引き出します。

とはいっても、有彩色の壁紙を全面に貼るとしつこくなりがち。壁一面だけ、多くても二面までに限定し、他はアイボリーなどの白系色の壁紙と貼り分けるとしっくりまとまります。

【薄い水色・茶色・白の3色でまとめた洗面所の例】

洗面所は、洗面台や家電(洗濯機など)、家具(椅子など)といった、さまざまなアイテムが一か所に集まるところ。そのため、内装(床・壁・天井)含めて、洗面所全体の色数を2~3色程度に絞るのがコツ。

上の画像は、白(洗面シンク・洗濯機)+ブラウン(洗面カウンター・収納棚)+ライトブルー(壁紙)の3色で展開した例。ワンポイントとなるタイルは、これらの色と相性が良い白やブルー系色から選んでいます。

洗面所にアクセントクロスをする場合のコツ

【大きい柄の壁紙を貼った例】

洗面所のアクセントウォールは、大きめの柄は避けたほうが無難。鏡や洗面ボウル、収納棚などで絵柄が途中で切れることが多く、せっかくのデザインが生かせなくなる場合があります。

【中サイズの柄入り壁紙を貼った例】

とはいえ、極端に小柄の壁紙も、視界がごちゃついて落ち着かなくなりがち。上の画像のようなサイズ感を目安に検討してみましょう。壁一面だけでも、十分フォーカルポイントとしての効果が期待できます。

【アクセントウォールと洗面台のカラーを揃えた例】

こちらは、洗面台をアクセントウォールと同色でコーディネートした例。壁紙の薄い水色は、かなり落ち着いた色調ですが、そのぶん洗面台の存在感が際立ちます。

後悔したくない!失敗しがちなパターン紹介

洗面所に似通った色がいくつも混在する際は、注意が必要です。

上の画像は、ドア表面材はダークブラウン、洗面台はライトブラウン、壁紙はミディアムブラウンを選んだ例。いずれもウッド柄&茶系色ではありますが、それぞれ濃淡が異なるのでまとまり感に欠けます。

色の違いをあえて味とする場合は別ですが、統一感を出すなら色の濃淡をなるべく揃え、ドアや洗面台、壁紙の色味を揃えましょう。

カタログやネットの画像だけで判断するのは難しいので、カラーサンプルを取り寄せると比較がしやすくなります。

スタイル別おしゃれな洗面所壁紙コーディネートサンプル16選

ここからは、代表的なインテリアスタイル別のコーディネート事例をピックアップ。壁紙の色柄の選び方、床材や天井との貼り分け方など、ぜひ参考にしてみてくださいね。

モダンスタイルの洗面所壁紙コーディネート 4選

ガラスやアクリル、スチールなど、無機質な素材を取り入れるのがモダンスタイルの主な特徴。

白や黒の無彩色、シルバーやゴールド系壁紙は、クールでスタイリッシュな印象に。赤・黄・青など彩度の高い純色を含む壁紙は、ポップで快活な印象になります。

柄入りタイプなら直線や幾何学模様、曲線のほか、モダンアートなどのデザイン壁紙もおすすめ。

焼き物特有の色幅を再現したタイル調壁紙

洗面カウンター正面の壁にニッチ(壁のへこみ)を設け、同色・サイズ違いの焼き物調タイル壁紙を貼った例です。

同じ四角形タイルでも、ニッチ側の壁紙の柄を小さめにしたことで奥行き感UP。両サイドの壁や床面には、ワントーン明るめの長尺・石目調タイル柄を組み合わせ、正面の壁紙に視線が集まるよう計算されています。

モダンアート柄壁紙とサブウェイタイルの組み合わせ

洗面スぺ―スの壁上部にモダンアート柄壁紙、壁の下部はサブウェイタイルを施工した例。どちらも白色をベースにしているため馴染みやすいばかりか、モダンアート柄の賑やかな印象をほどよく抑えています。

洗面まわりとトイレの壁面をゴッホの絵柄で揃えて華やかに

洗面カウンターとトイレの壁に、ゴッホの油絵をモチーフにした壁紙を貼った例。どちらもエンボス加工が施され、まるで本物の油絵のような立体感が楽しめます。

いずれも個性溢れるデザインですが、同じ赤系色で揃えたのがポイント。それぞれが違和感なくおさまっています。

ブルー&ホワイトのジオメトリック柄で清涼感を演出

洗面カウンター上部に四角形タイル。その上部に、くすみブルーの幾何学柄壁紙を貼った例です。

視線を集めやすいジオメトリック(幾何学柄)は、洗面所のワンポイントとして選んでみたいパターン。特にブルーはリラックス感を感じやすい色といわれています。

北欧・ナチュラルスタイルの洗面所壁紙コーディネート 4選

自然を感じる素材や色合いを中心に展開する「ナチュラル」や「北欧調」のインテリア。

洗面ボウルはホワイト、洗面カウンターや収納棚はオークやホワイトウッドなど、明るい木目調から選ぶと自然素材ならではの温かみを演出しやすくなります。

【ナチュラル】
壁紙の色は、アイボリーやライトブラウン、ライトグリーンなどの淡いアースカラーがおすすめ。柄入り壁紙なら、樹木や葉、花といった、自然をモチーフにした植物柄などを。

【北欧調】
白やグレーなど無彩色から1色程度を選び、オレンジやイエローなどの暖色を組み合わせるのがおすすめ。動物や植物を模したプリント柄、シンプルな幾何学柄もよく似合います。

アートを飾る感覚で北欧テキスタイルブランドのクロスを縦張り

FINLAYSONは、1820年に創業されたフィンランド最古のテキスタイルブランド。洗面スペースの一角にアートを飾る感覚で、FINLAYSONの「Viserrys(ヴィゼルス)」シリーズの壁紙を貼った例です。

無地の壁紙効果で、花々と戯れる小鳥たちの躍動的な雰囲気がより強調されています。

洗面カウンター天板と壁紙を、明度違いのグレーでコーディネート

北欧インテリアの鉄板といわれる、グレーカラーベースの植物柄壁紙を貼った洗面廻り。

グレーなどの無彩色の壁紙は、クールな印象を受けやすいのですが、大きめのプリント柄をモチーフにすることで、どこか親しみやすさが感じられます。

洗面カウンターの天板は、白&グレーの大理石柄。壁紙と似たグレー系色でも明度を変えることで、単調な印象になるのを防ぎます。

淡いブラウンカラーの格子柄壁紙で穏やかな印象に

太い格子と細い格子を組み合わせた格子柄壁紙を、腰壁の上部に貼ったナチュラルスタイルの洗面所。淡いブラウン&グレーのラインはシンプルながら、穏やかな気持ちになりそうな色合いです。

壁紙の下に配された腰壁パネルは、壁紙に使われているライトグレーに近い色をチョイス。デザイン性を高めつつ、水撥ねやこすりなどによるキズも防いでくれる、一石二鳥のアイディアです。

寒色の樹木柄クロスで大人ナチュラルなテイストに

寒色系の樹木柄クロスを貼った、大人ナチュラルスタイルの洗面所。鏡にまで樹木が映り込み、まるで森のなかに佇んでいるような自然美が感じられるデザインです。

西海岸・インダストリアルスタイルの洗面所壁紙コーディネート 4選

【西海岸スタイル】
海沿いのラフでこなれた雰囲気を打ち出すのが西海岸スタイル。白やブルー系の壁紙を効果的に取り入れるのがコツです。柄は、木目調やストライプ柄、海を感じさせるマリン柄などをモチーフにしたものがおすすめ。

【インダストリアルスタイル】
黒やダークブラウン、グレーを基調に、白色を組み合わせるのがポイント。柄はコンクリート(モルタル)やレンガ、古材など、無機質かつ使い古した雰囲気を演出するデザインがよく合います。

西海岸のビーチハウスを思わせるペイントウッド柄壁紙

洗面カウンター奥の壁に、ホワイトのペイントウッド柄壁紙を貼った例。板壁と、白いマリンランプの相性もよく、心地よいゆるさが感じられるコーディネートです。

寒色系無地クロスにブルーのモザイクタイルが映える

洗面廻りの壁と階段の蹴込み板に、灰みのある寒色系壁紙を貼った例。

ブルーは後退色という特性があり、空間を広く見せる効果が期待できます。洗面ボウルの周囲に貼った同系色のモザイクタイルは空間のアクセントとしてだけでなく、水撥ね対策にも有効。

モルタル風壁紙に木調の洗面台を合わせて温かみをプラス

洗面スペースの壁や天井にモルタル調クロスを貼り、床材も同系色で仕上げたインダストリアルスタイルの洗面スペース。

グレーはインダストリアルスタイルの定番色ですが、クールなテイストを感じさせやすいカラー。洗面台やキャビネットに木質系の素材を組み合わせることで、程よい温かみをプラスできます。

レンガ調壁紙×黒色で「きれい目インダストリアル」にブラッシュアップ

エイジング感の強いレンガ調壁紙を、洗面カウンター奥の正面壁に貼った例。

インダストリアルスタイルは、古さや錆感を強く打ち出すハードなテイストが多いのですが、白系色の壁紙と貼り分けたり、曲線型のインテリアを組み合わせたりすることで、”きれい目”の方向性にふることが可能。

独自のスタイルを突き進む洗面所壁紙コーディネート 4選

最後に、壁紙を使って洗面所廻りを独自にアレンジしたデザイン実例をご紹介します。

パブリックなお部屋では選びにくい壁紙も、他の居室と独立した洗面所まわりなら、オリジナリティを存分に盛り込むことができそうですね。

壁紙と洗面台を白×赤2色でコーディネート

海の生き物をモチーフにした壁紙に合わせ、洗面所を白×赤2色でコーディネートした例です。

壁に溶け込むよう、窓枠も白色をチョイス。洗面台のストライプ柄天板と壁紙のマリン柄が、違和感なく馴染んでいます。

プリントシールにミラーを組み合わせたユニークなアレンジ

落ち着いたラベンダーグレーの壁にカッティングシールを貼り、2つのウォールミラーを配した例です。

洗面カウンターの幅いっぱいにおさまる猫のサングラス姿が、なんともユーモラス。

流れるような文様が特徴のイスラム圏の伝統柄壁紙

水のアートとよばれるトルコの伝統工芸エブル(マーブリング)柄の壁紙を、洗面スペース正面の壁に貼った例です。

イスラム文化圏に限らず、日本でも墨流しと呼ばれるこの技法は、独特の浮遊感が味わえるのが楽しいところ。ぐにゃりと溶けて広がるような柄が、洗面所に”動き”をもたらします。

シャークツアーを再現した海中写真の壁紙

海に沈めた観覧用の檻の中からサメを観ているかのような、シャークツアー気分を味わえる写真壁紙です。壁紙を天井や壁一面に貼るだけでなく、鉄格子や船窓も設置して、洗面所をまるごと檻のように再現。

獲物を求めてウヨウヨと集まってくるサメが、こちらに向かってくるような迫力がありますね。

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