
●グルジアで行われたある社会実験
東ヨーロッパにある、グルジアの首都トビリシである社会実験が行われました。その内容は、6歳の少女に「裕福そうな子ども」と「貧乏そうな子ども」をそれぞれ演じてもらい、人々の反応を比較するというもの。
●通行人の反応は?
まず、可愛らしい洋服に身を包み、裕福そうな子どもを演じてもらいます。たったひとりで街角に立っていると、彼女を心配して「お名前は?」「迷子になったの?」と、次々と通行人が声をかけていきます。なかには、どこかに電話をかける人もいました。
一方、貧しそうな格好で立たせると…。先ほどと同じ場所に立っているにもかかわらず、誰ひとり声をかけようとはしません。
●レストランでの実験も!
続いて、レストランに場所を変え、同じように裕福そうな子どもと貧乏そうな子どもを演じます。
裕福そうな格好をしていると、誰もが嫌な顔ひとつせず、話しをしたり、キスやハグをしてあげたり。笑顔で接しています。
しかし貧しそうな格好をしていると、店員を呼んで店の外に出させようとする人や少女に触れないように荷物を移動する人、「あっちに行って」と追いやる人など、冷たい態度ばかり。その冷たい態度に、実験中にもかかわらず少女は泣き出してしまいます。
●2週間足らずで150万回再生!
じつはこの動画は、UNICEFが公開したもの。なんと今年の6月に公開され、たった10日間で再生回数は150万回を超えます。ネット上でも話題になり、この実験での人々の反応に、子どもの貧困や優しさについて、あらためて深く考えさせられる人が多いようです。
たった一日実験しただけでも、この少女は悲しみや寂しさを感じたと思います。しかし、毎日このような生活を送る子どもたちは、世界中に数えきれないほどいるはず。大きなことはできないかもしれませんが、まずはこの現状を知るということが大切なのではないでしょうか。
(文・明日陽樹/考務店)