1)ペットボトルボーリング
「ボールを転がして10本のピンを倒し、10ゲームの累計で競うボーリング。実は、自然に数の概念、計算が学べるゲームなんです。倒れたピンの数を数えて、多く倒したほうが勝つわけですが、“3本立っているから、7本倒れた”と、自然に引き算をしていることになり、同時に、1年生の算数の単元で一番大切な“10の合成分解(10は1と9、10は4と6など)”の学習にもなるのです。ボーリング場でやるとなると、かなり費用もかかりますが、ペットボトルを使えば簡単に手作りボーリングができるので、ぜひ作って楽しみながら学んでください」(立石さん 以下同)
【作り方】
(1)空のペットボトル10本と、ボールを用意する。
(ペットボトルが立ちにくい場合は、砂やおはじきなどを入れるとおもりになります)
(2)三角形にペットボトルを並べ、ボールで倒し、累計で競う
2)合成分解が学べる神経衰弱
合成分解が学べる、簡単な手作りカード遊びもあるそう。
「名刺サイズの白紙カードの片面に1~9個のシールを貼ったら、すべて裏返しにします。それを神経衰弱のように2枚めくって足した数が10になれば、もらえるというゲームです。普通の神経衰弱は、同じ絵柄だともらえるので視覚的に判別するだけですが、このゲームは、シールの数を足さないと、自分がカードをもらえるかどうかがわからないので、計算を楽しみながら、競いながら10の合成分解が学べます。10の合成分解がわかってはじめて、繰り上がりが理解できるので、このようなゲームも活用してしっかり身につけましょう!」
3)お店屋さんごっこ
お金の概念を学ぶのに家で手軽に実体験できるのが、“お店屋さんごっこ”。100円ショップなどで売っているおもちゃのお金を使ってもいいですが、せっかくなら本物のお菓子とお金をつかってリアルに楽しんでみては?
「品物には、お煎餅1枚10円、クッキー1枚30円、飴は1円、チョコレートは1箱100円など、値段をつけます。親御さんがお店屋さんになり、“好きな物を2種類選んでいいわよ”と、買わせてみたり、“今日は200円までであればどれでも買っていいわよ”と、設定してみるのもいいでしょう。ただし、5円玉、50円玉の5の単位は幼児には難しいので、10の単位の理解が深まってから取り入れてください。かなり慣れてきたら、お子さんにお店屋さんになってもらい、お釣りを渡すところまでチャレンジさせてみましょう」
算数を学ぶことは、お金をかけて計算ドリルをすることや幼児教室に通うことだけではありません。むしろ、生活のなかの実体験が大事であり、さらに楽しみながら身につけるのが何より効果的なようです。
(構成・文/横田裕美子)