親の財布からお金を盗む子は、将来盗難に走る?

第3回 親の財布からお金を盗む子の心理とは?
親のお財布からちょろっと拝借! ママも子どもの頃、ひょっとすると体験しているかもしれない悪事だが、これが常習化した場合、他人の財布や万引きにつながることはないのだろうか? そこで、家族間の問題に定評がある心理カウンセラー・三枝みき氏に取材。万引きにつながる可能性と、常習化させないための予防策を聞いた。

●見て見ぬふりは危険!

親のお金を盗む子が、やがて他人のお財布からお金をとったり、万引きするようになるケースはないのだろうか。

「もちろん一概にないとは言えませんが、可能性はそう高くないと言えると思います。親が子の盗みを見つけた場合、最初の対応さえ間違えなければ、ほとんどの子はやらなくなるはずです。ですが時に、親が子の問題と直接向き合わず、“見て見ぬふり”をしてしまうと、家のなかだけではおさまらず、外にまで問題として出てしまうケースもあります。子どもは無意識にですが、親に振り向いてもらいたいばかりに、“もっと事を大きくすれば、親は自分に関心を持ってくれるかもしれない”と考えるようになって、学校で盗みを働いたりすることも…。子どもの非行には、実はこういう側面があると見られています」(三枝氏 以下同)

お金を盗む子

それでは、子の悪事を防ぐための予防策はあるのだろうか。

「第一に、普段から子どもに関心を持ち、こまめにコミュニケーションをとること、どんなに忙しくても、短時間でもいいので子どもの話を聞いてあげる姿勢でいることが大切です。その上で、欲しいものがある時は、話し合って決める。例えば、買ってあげる代わりにお手伝いをしてもらう、来月のお小遣いを少なめにするなど、その都度、親子で一緒に一番いい方法を考えていくことが望ましいと言えます。自分が困ったときや欲しいものがあるとき、したいことがあったときに、“いつでもお母さんは自分の話を聞いてくれる”という信頼関係が結ばれていれば大丈夫。“話せばわかってくれる、何かあったときに絶対守ってくれる”子ども自身がそう感じることができれば、お金を盗んだりはしないものです。もちろん、物理的な予防策として“お財布やお金を出しっぱなしにしない”ということも必要ですね」

家族のなかで、お互いへの信頼が育まれていれば絶対に大丈夫。お金問題に限らず、子どもを巡るトラブルが発生したら、「コミュニケーション不足だったかも…」と反省し、その日から、家族の絆を深めるように心がけてみては? 家族はきっとママ次第で、いつどんな時も、いい方向へとシフトチェンジできるはずだ。

(取材/文・ワタベマキ)

お話をうかがった人

母娘カウンセラー
三枝みき
カウンセリングサービス・心理カウンセラー
親のような優しさで包み込み、直感とユーモアでお客様を笑顔に…。 子どもの自傷、強迫性障害がきっかけで心理学を学び始め、家族の問題、母子関係、子育て、対人関係、コミュニケーション、罪悪感、自己嫌悪、自己否定、自己攻撃、夫婦問題、嫁姑問題、喪失などを扱う。 うつ病による自死で家族を亡くした経験もあり、心の病気を抱える家族のサポートについても得意とする。
親のような優しさで包み込み、直感とユーモアでお客様を笑顔に…。 子どもの自傷、強迫性障害がきっかけで心理学を学び始め、家族の問題、母子関係、子育て、対人関係、コミュニケーション、罪悪感、自己嫌悪、自己否定、自己攻撃、夫婦問題、嫁姑問題、喪失などを扱う。 うつ病による自死で家族を亡くした経験もあり、心の病気を抱える家族のサポートについても得意とする。