スパウトとは?おすすめスパウトマグや選び方・使う時期の目安も紹介

第71回 どれがいいの?子育てグッズ
赤ちゃんが1人で飲み物を飲むための道具として、スパウトマグを検討する人は多いのではないでしょうか。赤ちゃんにぴったりなアイテム選びの参考として、スパウトマグの特徴や、利用するメリット・特徴別のおすすめ商品を紹介します。

スパウトとは?

赤ちゃんが生後約5~6カ月を迎えると、多くのママ・パパたちが離乳食のあれこれを調べ、必要な道具の準備を始めます。そんななかで「スパウト」について見聞きし、興味を持つ人は少なくありません。

まずは、スパウトとはどのような道具なのか、基本的な情報や使用時期の目安を確認していきましょう。

赤ちゃん用マグに取り付ける飲み口

「スパウト」とは、赤ちゃん用のマグに取り付ける飲み口のことで、スパウトを取り付けたマグを「スパウトマグ」といいます。

スパウトは、乳首(哺乳瓶用も含む)からスムーズに移行できるよう、シリコンなどのやわらかい素材で作られているのが一般的です。幅広の先端部にはいくつかの穴が空けられ、そこから飲み物が飲める仕様です。

スパウトマグを使うと、傾けるだけで中身を飲めるため、強く吸う力は必要ありません。ストローやコップが使えない赤ちゃんでも、無理なく1人で飲み物を飲めます。

その利便性の高さから、スパウトは今や赤ちゃんの定番アイテムのひとつとなっています。

スパウトマグを使い始める時期の目安

スパウトマグを使い始める時期について、これといった決まりはありません。しかし、離乳食を開始する生後約5~6カ月のタイミングで取り入れる家庭が多いようです。

スパウトマグの対象月齢を見ても、その多くが生後約5~6カ月以降の赤ちゃんを対象としています。対象月齢より早い段階での使用は、赤ちゃんの発達に影響を与える可能性もあるので、かならずパッケージなどを確認しましょう。

生後7〜8カ月ごろから、次第にストローマグやコップ飲みに移行する赤ちゃんも増えるようです。とはいえ、成長の度合いには個人差があるので、時期が前後しても不安になる必要はありません。

スパウトマグは必要?使用するメリット

多くの家庭で利用され、赤ちゃんの定番アイテムのひとつともなっているスパウトマグですが、その人気の秘密はいったいどのような点にあるのでしょうか?その必要性や、利用することで得られるメリットを紹介します。

コップを自分で持つ練習にもなる

スパウトマグは、赤ちゃんが1人で飲み物を飲むための道具です。

大人の場合、飲み物を飲むにはコップを使いますが、赤ちゃんはまだコップをじょうずに使えません。傾ければ勢い余ってこぼしてしまいますし、場合によってはむせてしまいます。そもそもコップをじょうずにつかむことすら難しいでしょう。

スパウトマグであれば、こぼしたりむせたりの心配が少ないといえます。赤ちゃんの手に合わせたハンドルが付いている製品がほとんどで、しっかりとグリップできるからです。

スパウトマグで、飲み物を飲むことに慣れた赤ちゃんは、ストローマグ・コップ飲みへとスムーズに移行できるでしょう。赤ちゃんにとって必須ではないものの、用意することでママ・パパと赤ちゃんの双方に大きなメリットのあるアイテムといえます。

スパウトマグを選ぶポイント

実際にスパウトマグを選ぶ際、注目すべきはどのような点なのでしょうか?赤ちゃんが使いやすいアイテムを選ぶために、知っておきたいポイントを整理していきましょう。

飲み口がやわらかいもの

スパウトマグを選ぶ際、まずチェックしたいのが飲み口の硬さです。

スパウトマグは、多くの赤ちゃんにとって、ママや哺乳瓶の乳首以外で初めて口に含むものです。硬さの違和感から拒否されてしまうリスクがあるため、できるだけ乳首に近いやわらかさを持つ素材を選ぶ必要があるでしょう。

なお、やわらかさそのものに問題はなくても、形状が口に合わないため、じょうずに飲めず嫌がってしまうケースも見られます。

すぐにはうまくいかない可能性をふまえ、実際に使用するなかで、赤ちゃんにぴったりなものを見つけるというスタンスでいるのがおすすめです。

両手で握れる持ち手がある

スパウトマグを使い始める時期の赤ちゃんの握力はまだ弱く、片手でものをしっかりとつかむのは難しいものです。

安定して使えるようにするためにも、スパウトマグは両手で握れる持ち手があるものを選ぶのがおすすめです。

特に、持ち手が斜めに付いているものは、赤ちゃんがマグを傾けやすく、1人飲みの練習を無理なく促せます。

また、持ち手が輪になったスパウトマグであれば、マグホルダーの取り付けが可能です。持ち運びがラクになったり、落下防止できたりというのは、赤ちゃんの世話をする上で、大切なポイントといえます。

手入れのしやすさ

赤ちゃんの口に入るスパウトマグは、常に清潔に保つ必要があります。毎日の手間を考えると、手入れのしやすさもスパウトマグ選びの大切なポイントといえるでしょう。

手入れのしやすさを考える上で、まず確認しておきたいのが、分解のしやすさと分解した際のパーツの数です。分解しにくいものやパーツが多いものは、手入れの負担が大きく、毎日利用するスパウトマグとしては不向きです。

自宅に食洗機があるのなら、食洗機対応のスパウトマグを選ぶと手間が省けます。煮沸消毒・電子レンジ消毒・薬液消毒など、対応している消毒の仕方によっても、日々の負担は大きく変わります。

イラストがかわいいスパウトマグ

スパウトマグとひと口にいっても、流通しているアイテムは非常に多く、特徴もそれぞれ異なります。

スパウトマグ選びの参考として、まずは赤ちゃんが喜ぶかわいいイラストが特徴のおすすめ商品からチェックしていきましょう。

スケーター「折りたたみ式両手ハンドル付スパウトマグ」

手描き風のくまのプーさんのイラストが目を引く、260mLのスパウトマグです。7カ月ごろから使用できます。

両サイドの持ち手は折りたためる仕様で、持ち運びや収納もスムーズです。スパウト部分を清潔に保つフタは、180度に倒すことで固定されるため、赤ちゃんの使用時も邪魔になりません。

本体には透明性が高く、丈夫なPET素材が使用されているため、赤ちゃんにありがちな、落としたりぶつけたりするのを気にせず使用できます。電子レンジ・食洗機は使用不可ですが、本体は100度までの熱湯で煮沸消毒が可能です。

・商品名:スケーター「折りたたみ式両手ハンドル付スパウトマグ」

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コンビ「ラクマグ はじめてコップ 240」

ぽってりと丸みを帯びたコンパクトなデザインと、ポップで豊富なイラスト・カラーバリエーションが特徴の240mLスパウトマグです。

スパウト部分の特殊なスリットにより、逆さまにしても中身がこぼれにくくなっています。くわえたときだけ中身が出てくるため、飲みやすく、同時に思いがけない漏れを防ぎます。

飲み口とパッキンが一体化した仕様で、手入れの手間が省けるのもうれしいポイントです。煮沸・電子レンジ・薬液消毒、食洗機可能で、対象月齢は5カ月ごろからです。

・商品名:コンビ「ラクマグ はじめてコップ 240」

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ダンバイディア「2WAY スナックカップ スパウトマグ」

デンマークのベビーブランド「Done by Deer(ダンバイディア)」のスパウトマグです。

両ハンドル付きの白いコップに、フタ状のスパウト部分を被せるシンプル設計です。スパウト部分を付け替えると、スナックカップとしても利用できます。

北欧らしさを感じさせる、かわいらしい象のイラストや、スパウト部分のくすみカラーも大きな特徴で、「人とはちょっと違うおしゃれなアイテムを選びたい」というママ・パパの心をくすぐるアイテムです。

電子レンジ不可ですが、耐熱温度は70度まで・食洗機対応です。

・商品名:ダンバイディア「2WAY スナックカップ スパウトマグ」

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リッチェル「トライスパウトマグ」

くすみイエローベースと、くすみピンクベースの2色のイラスト・デザインから選べるスパウトマグです。

独自の空気弁が漏れを防ぎ、フタを開けたまま倒してしまっても吹きこぼれにくい仕様です。持ち運びや転倒も気にせず使用できます。

パーツ数が少なく、それぞれの構造がシンプルなので、手入れに手間がかかりません。全部品が煮沸消毒と食洗機対応のため、衛生面を重視するママ・パパにおすすめです。容量は270mLで、5カ月ごろから使用可能です。

・商品名:リッチェル「トライスパウトマグ」

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シンプルなデザインのスパウトマグ

「赤ちゃんのグッズとはいえ、ゴチャゴチャとした派手なデザインは好きじゃない」「手入れがラクそうなシンプルな商品を選びたい」というママ・パパもいるのではないでしょうか。

使いやすさと、シンプルなデザインを両立したスパウトマグを紹介します。

ムシエ「シッピーカップ」

アメリカの人気ベビー・キッズ用品ブランド「mushie(ムシエ)」が手がけるスパウトマグです。

本体はシリコン製で、本体からスパウト部分までがシームレスに一体化されています。持ち手はないものの、本体がコンパクトなため、赤ちゃんの小さな手でもしっかりと握れるでしょう。

マットな質感と、人気のニュアンスカラーがセンスのよさを感じさせる、機能面と見た目を両立した人気アイテムです。

耐熱温度は175度で、食洗機・電子レンジも利用できます。容量は175mL、対象月齢は6カ月以上です。

・商品名:ムシエ「シッピーカップ」

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OXO tot「グロウハンドル付ソフトスパウトカップ」

くびれたコンパクトな本体にハンドルが付いた、シンプルデザインのスパウトマグです。

スパウト部分は、くわえやすいアーモンド型で、乳首からのスムーズな移行をサポートしてくれるでしょう。逆流防止弁が漏れを防ぎ、かつキャップ付きなので衛生面にも配慮されています。

透明な本体部分は目盛り付きで、赤ちゃんが飲んだ量をひと目で把握できます。ハンドル部分は取り外しができ、成長に合わせて長く利用できるのもうれしいポイントです。

カップは煮沸消毒に対応していませんが、食洗機・電子レンジは使えるので、手入れの手間を省けます。容量は200mL、4カ月ごろから使用可能です。

・商品名:OXO tot「グロウハンドル付ソフトスパウトカップ」

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SmartAngel「2way マグR」

マタニティーから、ベビー・子ども用品まで、幅広く手がける「西松屋」のプライベートブランド「SmartAngel」のスパウトマグです。

フロントロゴがあしらわれた卵形の本体に、ふたつの持ち手が付いた、無駄のないデザインで広く人気を集めています。スパウトは生後5カ月ごろから使用でき、コンパクトながら赤ちゃんには十分な240mLの飲み物を入れられます。

「定番のスパウトマグをリーズナブルに用意したい」という人にぴったりのアイテムです。

・商品名:SmartAngel「2way マグR」

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成長に合わせて使えるスパウトマグセット

スパウトマグには、ストロー付きの飲み口などがセットになった「スパウトマグセット」もあります。赤ちゃんの成長に合わせて使用できる「スパウトマグセット」を紹介します。

エジソンママ「ごくごくトレーニングコップセット はじめてのコップ飲みにぴったりなセット」

赤ちゃんの「自分で飲める」を長くサポートするトレーニングコップセットです。

コップ本体に、シリコン製のスパウト・ストローが付属し、それぞれワンタッチで簡単に装着できます。持ち手部分は、赤ちゃんにとって飲みやすい太さと角度で設計され、握ることに不慣れな赤ちゃんでも無理なく挑戦できる仕様です。

コップ部分が倒れにくい形状にデザインされているのも、ママ・パパにとっても大きな安心ポイントとなるでしょう。

容量は約180mL、スパウトの対象月齢は5カ月ごろからです。コップは薬液消毒のみ可能ですが、スパウトのフタは電子レンジ・煮沸消毒、食洗機が対応しています。

・商品名:エジソンママ「ごくごくトレーニングコップセット はじめてのコップ飲みにぴったりなセット」

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ピジョン「マグマグコロン セット」

「とにかく漏れやこぼれを防ぎたい」というママ・パパにおすすめのスパウトマグセットです。

スパウトの飲み口は、クロスカットが施され、逆さまにしても漏れにくい仕様になっています。さらにフード(キャップ)付きなので、持ち運びの際も衛生的です。

ストローとして使用する際も、通気穴までふさぐフードが一体化しているほか、コップとして使用する本体にも専用のフードが付属しています。

スパウトは5カ月ごろから、容量は約260mLです。ストローチューブ以外の部品は、煮沸・電子レンジ・薬液消毒が可能です。

・商品名:ピジョン「マグマグコロン セット」

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ビーボックス「ステップアップマグパック」

哺乳瓶・スパウトマグ・ストローマグ・コップと、4ステップで利用できるスパウトマグセットです。

成長に合わせて飲み口を付け替えることで、生後約4カ月から、コップ飲みの練習まで対応できます。ミルクの時期から使用できるアイテムがワンセットで用意できるため、成長のたびにあれこれと買い足す必要がありません。

ブルーベリー・ラズベリー・レモンのポップなカラー展開で、食洗機にも対応しています。デザイン性と機能性を兼ねそろえているので、赤ちゃんや、ママ・パパにもうれしいアイテムです。

・商品名:ビーボックス「ステップアップマグパック」

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赤ちゃんの城「マグセット トリコロール」

ポップなトリコロールカラーの、くまさんデザインが特徴のスパウトマグセットです。哺乳瓶・スパウトマグ・ストローマグと、月齢や成長に合わせてステップアップできます。

赤ちゃんが飲みやすいやわらかな飲み口や、軽い素材など、赤ちゃん目線でたくさんの工夫が施されています。

スパウトマグの対象月齢は5カ月ごろからで、容量は約260mLです。

・商品名:赤ちゃんの城「マグセット トリコロール」

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・楽天:商品はこちら

スパウトマグを練習する際のコツ

赤ちゃんがスパウトマグをスムーズに使えるようになるまでには、ある程度の練習が必要です。赤ちゃんが楽しく取り組める練習のコツをチェックしていきましょう。

少量のミルクから始めてみる

乳首しか口に含んだことのない赤ちゃんにとって、スパウトは異物と感じやすいものです。赤ちゃんの個性にもよりますが、思うようにくわえてくれないケースも珍しくありません。

そんな赤ちゃんの抵抗感を軽減するためにも、スパウトマグの練習は、慣れ親しんだミルクや母乳を少量から試しましょう。中身が飲んだことのない飲み物だった場合、赤ちゃんのスパウトに対する抵抗感が強まり、慣れるまでにより一層時間がかかるおそれもあります。

スパウトマグの練習は、どうしたら赤ちゃんの抵抗感を和らげられるかを意識して、取り組むのがおすすめです。

使い始めは手を添えてサポートする

赤ちゃんの1人飲みを促すスパウトマグですが、使い始めはやはりママ・パパのサポートが必要です。

というのも、初めてスパウトマグを使う赤ちゃんは、傾けることで飲み物を飲めるというスパウトの仕組みを知らないからです。

赤ちゃんにスパウトの使い方を教える意味で、まずはママ・パパがスパウトを傾け、赤ちゃんの1人飲みをサポートしてあげましょう。

勢い余って中身をこぼしてしまった場合に備え、赤ちゃんに防水の食事用エプロンを着せたり、床にシートを敷いたりと対策をしておくとより安心です。

お手本を見せてあげる

場合によっては、親子であれこれ努力してみても、思うようにスパウトマグの練習が進展しないかもしれません。

そんなときは、ママ・パパが赤ちゃんの前でスパウトを使うふりをし、お手本を見せてあげるのもひとつの方法です。

大好きなママ・パパが楽しそうにスパウトを使って見せることにより、スパウトに対する赤ちゃんの興味を引く効果に期待できます。興味を持ってもらえると、遊び感覚で練習を進められるようになるでしょう。

たとえある程度時間がかかったとしても、いずれはじょうずにスパウトマグを使いこなせるようになるはずです。

まとめ

スパウトマグは、哺乳瓶の乳首に似た、幅広でやわらかな飲み口が付いた赤ちゃん用のマグのことをいいます。

母乳やミルクからスパウトマグへの移行は、赤ちゃんにとってコップでの1人飲みをめざすためのファーストステップといっても過言ではありません。

スパウトマグを選ぶにあたっては、飲み口のやわらかさ・両手で握れる持ち手の有無・手入れのしやすさといったポイントに注目するのが大切です。

おすすめアイテムを参考にスパウトマグを用意して、赤ちゃんの初めての挑戦をじょうずにサポートしてきましょう。

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