ジーナ式育児法とは?やり方やメリット・デメリットを解説します

第212回 みんなが共感!ママのお悩み
赤ちゃんの寝かしつけについて調べるなかで、ジーナ式育児法に興味を持つ人は少なくありません。ジーナ式育児とはいったいどのような育児法なのか、その詳細やメリット・デメリットを確認していきましょう。ジーナ式育児の具体的な取り組み方も紹介します。

ジーナ式育児とは?

ジーナ式育児について「興味はあるけれど、具体的にどんなものなのかがよく分からない」と感じてはいませんか?まずは、ジーナ式育児の詳しい内容からチェックしていきましょう。

イギリスのナニーが提唱する育児法

ジーナ式育児は、赤ちゃんの1日をルーティン化し、睡眠を中心とした生活習慣を整える育児メソッドです。

ジーナ式育児では、赤ちゃんの起床・昼寝・授乳・沐浴・就寝といった、1日のスケジュールを固定化します。これにより、赤ちゃんが決まった時間に寝られるようになり、寝かしつけや夜泣きなどにまつわる両親の負担も軽減するとされています。

このジーナ式育児は、イギリスのカリスマナニー(乳母)であるジーナ・フォードによって提唱された育児メソッドです。ジーナ・フォードは、イギリス王室を始め、300人以上の赤ちゃんのナニーとして経験を積んだ人物で、執筆した育児書はベストセラーとなりました。

その内容については賛否両論あるものの、世界中で広く実践されている育児メソッドです。

日本ではネントレとして知られている

赤ちゃんの睡眠を整える育児メソッドは、日本では「ネントレ」として知られています。

ネントレは、ジーナ式育児を取り入れた育児メソッドともいわれ、ジーナ式と比較するとやや緩めという特徴があります。

たとえば、ジーナ式の場合、赤ちゃんとママ・パパが同じ部屋で寝ることは基本的に推奨されません。しかし、ネントレの場合は、状況に応じて一緒に寝ることもOKとしています。

ジーナ式育児・ネントレともに、赤ちゃんの睡眠習慣を整え、1人で眠れるようにすることをめざす点では同じですが、取り組み方にはやや違いがあるといえるでしょう。

ジーナ式育児で期待できるメリット

ジーナ式育児を実践すると、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか?期待される主なメリットを紹介します。

寝かしつけがスムーズになる

一般的に、ジーナ式育児を実践すると、寝かしつけがスムーズになるとされています。

ジーナ式育児では、毎日決まった就寝時間に赤ちゃんを暗い部屋に寝かせます。たとえ赤ちゃんが泣いたとしても、ママ・パパは基本的に抱き上げることはせず、部屋を立ち去らなくてはなりません。

このルーティンを毎日繰り返すことで、赤ちゃんはやがてスムーズに1人で入眠できるようになると考えられています。ベッドに寝かせると自然に眠るようになるため、寝かしつけの必要がありません。

もちろん個人差はありますが、多くのママ・パパが寝かしつけに多くの時間や労力を割いていることを考えると、これは大きなメリットといえそうです。

赤ちゃんの機嫌がよい時間が増える

生活リズムを整えることにより、赤ちゃんの機嫌がよい時間が増えるのも、ジーナ式育児を実践するメリットのひとつです。

ジーナ式育児で育てられている赤ちゃんは、一定のスケジュールで毎日を過ごします。寝るタイミング・授乳のタイミングが決まるため、常に欲求が満たされた状態でいられると考えられるのです。

満たされた赤ちゃんは、基本的にご機嫌で「1日中ぐずっていて理由が分からない」といったことも少ない傾向にあります。ママ・パパもゆとりを持って赤ちゃんの世話を楽しめるでしょう。

ジーナ式育児の知っておきたいデメリット

ジーナ式育児では、メリットと合わせていくつかのデメリットも指摘されています。取り入れる育児法を検討する際のヒントとして、チェックしていきましょう。

スケジュールを徹底する必要がある

ジーナ式育児は、前提として1日のスケジュールを徹底しなければなりません。赤ちゃんのルーティンに合わせて過ごす必要があるため、ママ・パパのスケジュールは大きく制限されてしまいがちです。

ちょっとした外出でも、授乳時間や昼寝時間を考慮すると、思うようにはいきません。ましてや、旅行などの計画を立てるのも苦労を要するでしょう。

ジーナ式育児を忠実に実践するのなら、多少の不自由さは受け入れる覚悟が必要といえます。

根気よくトレーニングする必要がある

トレーニングに根気が必要な点も、ジーナ式の実践が厳しいと考えられている点です。ジーナ式育児では、最終的に赤ちゃんが1人でスムーズに眠れるようになることをめざします。

とはいえ、赤ちゃんはママ・パパから離れたがらないのが一般的です。目標達成までには順を追ったトレーニングが必要で、これは決して簡単なことではありません。

なかには、泣いている赤ちゃんを1人にさせることに、ママ・パパがストレスを感じてしまい、ジーナ式育児の実践を諦めてしまうケースもあります。

場合によっては、トレーニング中に周囲からの理解が得られず、心ない言葉を掛けられてしまう可能性も否定できません。ジーナ式育児を実践するにあたっては、こうした問題についてあらかじめ理解し、対策を考えておく必要があります。

ジーナ式育児のやり方

実際にジーナ式育児に取り組みたいと思ったら、どのようなステップで進めるのが正解なのでしょうか?詳しい実践方法を紹介します。

寝る場所の環境を整え固定する

ジーナ式育児を実践するにあたり、まず行いたいのが、赤ちゃんの寝る場所の準備です。

睡眠習慣を整えるため、赤ちゃんの寝る場所は静かで真っ暗にできる場所を選び、固定します。よりスムーズな睡眠習慣の定着を促すためにも、出産前に適切な場所を決めて準備しておくとよいでしょう。

もちろん、すでに育児が始まっていても遅くはありません。この場合、速やかに赤ちゃんの寝場所を選び、固定化するのがおすすめです。寝る場所が決まることで、徐々に赤ちゃんの睡眠習慣が整っていくでしょう。

1日のスケジュールを決める

ジーナ式育児では、赤ちゃんの月齢ごとに1日あたりの昼寝時間や授乳時間が決められています。また、就寝サイクルについては月齢を問わず、7時起床・19時就寝と定められています。

ジーナ式育児を実践する際は、これらの基本をベースに、赤ちゃんの1日のスケジュールを管理しなければなりません。

仮に、授乳時間が定まらなかった場合、空腹時間や過剰に満腹な時間が増え、赤ちゃんのぐずりの増加や、睡眠習慣の乱れにつながる可能性も考えられます。

もちろん臨機応変な対応が必要なときもありますし、無理をしないことも大切ですが、まずはできるだけ遵守するつもりでスケジュールを決めましょう。

就寝時は部屋を真っ暗にする

赤ちゃんの就寝時に室内を真っ暗にすることも、ジーナ式育児の大切なポイントです。

赤ちゃんの睡眠習慣を整えるには、就寝場所・就寝環境の固定化が必要です。「この場所に来たら寝る」「真っ暗になったら寝る」など、場所と環境を睡眠に関連付けることで、スムーズに睡眠習慣の定着を進められるとされています。

部屋を真っ暗にする簡単な方法としては、遮光カーテンの導入がおすすめです。合わせて、人の出入りが少ないスペースにベビーベッド(布団)を設置すると、より効率的にジーナ式育児を実践できるでしょう。

赤ちゃんとは別室で就寝する

日本の一般的な育児と、ジーナ式育児の大きな違いは「赤ちゃんとは別室で就寝する」点です。

赤ちゃんが1人で規則正しい睡眠がとれるのをめざすジーナ式育児では、赤ちゃんとママ・パパは基本的に別室で就寝します。赤ちゃんが眠れずに泣いている場合でも、原則として添い寝や抱っこはしません。

ただし、生後6カ月ごろまでは同室での就寝が推奨されています。特に「乳幼児突然死症候群(SIDS)」のリスクが高い時期にあたるためです。

6カ月以降でも、別室での就寝に不安がある場合には、遠隔で赤ちゃんの様子を観察できる「ベビーモニター」の設置を検討するのもひとつの方法です。

参考:乳幼児突然死症候群(SIDS)に関するガイドラインの公表について

まとめ

ジーナ式育児を実践するには、赤ちゃんの就寝場所・環境の固定や、スケジュール管理など、ある程度の手間や努力が必要です。

特にトレーニング中は、思うように進展せず、焦りや不安を覚えることもあるでしょう。赤ちゃんの個性やタイミングもあることから、まずは、トライアルで気軽に始めてみるのがおすすめです。

ジーナ式育児をひとつの参考として、自分に合った育児法を見つけ出し、赤ちゃんと過ごす幸せな時間を楽しみましょう。

商品名:「カリスマ・ナニーが教える 赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」ジーナ・フォード

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