1カ月健診の目的とは?
産後1カ月で受ける1カ月健診とは、何のために行われるのでしょうか?まずは、健診の目的から紹介します。
赤ちゃんとママの健康チェック
1カ月健診は、出産後のママや生後間もない赤ちゃんの健康状態をチェックするために行われます。出産した病院で行われるのが一般的です。
健診内容は、赤ちゃんの健康状態や、発育・栄養状態・体の異常・先天性の病気の有無・ミルクの飲み具合など様々です。
ママについては、産後のメンタルや健康状態などのチェックがあります。母乳や、ミルクの悩み・育児の不安なども相談できるため、今後の赤ちゃんとの生活について大きなヒントを得られるでしょう。
1カ月健診は任意のため、受ける・受けないは自由です。しかし、赤ちゃんの様子や今後について、専門医に相談できる機会はそうありません。生まれて間もない赤ちゃんを連れての外出は大変ですが、健診を受けておくことをおすすめします。
赤ちゃんの1カ月健診の内容
赤ちゃんの1カ月検診では、あらゆる角度から赤ちゃんの状態がチェックされます。基本的な健診内容を見ていきましょう。
問診や視診・聴診・触診など
医師が問診、そして視診・聴診・触診を行い、赤ちゃんの健康・発育状態や、病気の有無を細かくチェックします。
おおまかなチェック項目は、以下の通りです。
・関節や筋肉の具合
・眼や口の中、皮膚の状態
・黄疸の有無
・おなかの張り
・うんちの色
このほか、医師が聴診器を使い「赤ちゃんの心拍数が正常か」「心音に雑音が混じっていないか」「呼吸の状態は正常か」なども確認するようです。
参考:産後のケア 1ヶ月健診| 産科 | 医療法人社団マウナケア会清水病院
身体測定
赤ちゃんの身長・体重に加え、頭囲・胸囲を、病院スタッフが計測してくれます。計測のときは赤ちゃんを裸にするので、着脱しやすい洋服でいく方がよいでしょう。
なお、厚生労働省の資料によると、生後1カ月の赤ちゃんの身長・体重の中央値は以下の通りです。
・男子:身長53.5cm・体重4.13kg
・女子:身長52.7cm・体重3.89kg
身体測定でママが覚えておきたいのは、身長や体重を気にしすぎる必要はないということです。生後1カ月の赤ちゃんの発育状態は、個人差があります。医師から特に指摘されなかった場合は、中央値と差があっても心配はいりません。
参考:平成22年乳幼児身体発育調査の概況について|厚生労働省
原始反射の確認
原始反射とは、赤ちゃんが無意識に行う反射反応です。赤ちゃんの発達に問題がないかを確認する目安として、1カ月検診では主に以下のチェックが行われます。
・把握反射(手掌把握反射)
・モロー反射
・吸啜(きゅうてつ)反射など
把握反射とは、手のひらに何かが触れたとき、ギュッと握りしめる反応のことです。手と同様に、足にも同じような反応が見られるようです。
モロー反射とは、主に赤ちゃんが驚いたときなど、両腕をカエルのように広げる反応のことをいいます。吸啜反射は吸引に関する反射で、健診では医師が赤ちゃんの唇に触れ、吸いつくような反応があるかどうかをチェックします。
参考:吸啜反射|現場で使える実践ケアの情報サイト|アルケア株式会社
参考:乳児特有の原始反射について|柊みみはなのどクリニック有松駅前 耳鼻咽喉科・小児科
ママの1カ月健診の内容
1カ月健診は、赤ちゃんだけでなくママの健康チェックも兼ねています。不安や疑問があれば、積極的に質問しましょう。
心と体の健康状態をチェック
病院によって詳細や順番は異なりますが、ママの主な健診内容は以下の通りです。
・授乳に関すること
・子宮・悪露の状態
・血液・血圧の状態
・尿検査
・体重測定
・育児の悩み
・ストレスチェック
授乳に関するチェックでは、授乳のペースや母乳の出具合について確認されます。授乳や乳房のトラブルなど、気になることがあれば相談してみるとよいでしょう。
また、産後1カ月程度では、まだ子宮は回復途中といわれています。子宮のチェックも健診に含まれているのは、そのためです。
1カ月健診は、ママの不安や困りごとを解消できる場でもあります。健康面に限らず、産後の変化や育児の不安がある場合は、小さなことでも相談しましょう。産後はメンタルが不安定になりやすいため、1人で抱え込まないことが大切です。
1カ月健診の持ち物・費用・服装
赤ちゃんを連れての1カ月健診をスムーズに終えるには、事前準備が必須です。1カ月健診に必要な持ち物や、費用・服装などを紹介します。
持ち物・費用
1カ月健診で必要なものは、以下の通りです。
・母子手帳
・赤ちゃん・ママそれぞれの保険証
・乳幼児医療証
・診察券
・ビタミンK2シロップ代
・その他お世話セット(赤ちゃんの着替え、タオル、オムツ、お尻拭き、哺乳瓶やミルク、ビニール袋、授乳ケープ、おもちゃなど)
健診は保険適用外となり、費用は病院によって異なります。一概にはいえませんが、数千円から1万円程度が多いでしょう。
自治体によっては、1カ月健診に補助金が出るところも少なくありません。「事前に補助券を配布」「後で申請して還付してもらう」など様々なケースがあるため、自治体に確認するのがおすすめです。
なお、医療行為が発生するケースもあるため、保険適用外でも健康保険証は持参しましょう。
参考:1ヶ月健診の時、乳幼児医療証を持っていけば無料になりますか?|産婦人科 ベリエの丘クリニック
赤ちゃんとママの服装
赤ちゃんの服装は、着脱・体温調節のしやすさを考慮して選びます。薄手で通気性のよい衣服・羽織や、おくるみで調節するのがおすすめです。
前開きのカバオールタイプや、スナップボタン・テープ付きの衣服を選べば、着替えに手間取りにくいでしょう。
また、ママのコーデも着脱しやすい服装にするのが重要です。トップスとスカートのセパレートコーデなら、内診検査もスムーズです。
まとめ
1カ月健診は、赤ちゃんが初めて受ける健康チェックです。健診では、赤ちゃんの発育・健康状態を詳しく診察してもらえます。
また、同時に1カ月健診では、ママの健康チェックや育児相談も合わせて行われるのが一般的です。産後1カ月で「体の回復が思わしくない」「育児がつらい」などあれば、ためらわずに相談しましょう。
赤ちゃんを伴っての外出は大変なこともありますが、不安に感じることなどを医師に相談できる機会でもあります。ママの気分転換にもなり得るので、できるだけ受診するとよいでしょう。