声を荒らげる義母に圧倒される私
練習指示書をもらってから約1カ月後、レッスンを終えて娘を迎えに行くと「お家で練習してないでしょ」と義母に言われドキッとしました。私が「まだ下の子も小さいのでそこまで手が回らなくて」と言うと、「そんなんで、これからこの教室を背負っていけるの!?」との言葉が。「えっ、背負う……!?」と驚いていると、義母はこう続けました。
「この子はこの教室の先生の孫として見られるの。だからこの教室の看板になるの。つまり孫ちゃんはだれよりも特別にじょうずじゃなくちゃダメなのよ!」と声を荒らげたのです。私と娘は義母の勢いに圧倒されうまく言い返せず、「ちゃんと練習するんだよ!」の声を背に家に帰りました。
だったら「やめる!」夫の決意
その日、夫に義母から言われたことをすべて伝えると、「うちの親がごめん」とあきれ顔。夫婦で話し合い、「このままの指導ならばやめることも辞さない」と義母にこちらの意思をきちんと伝えることになりました。
後日、義実家にお邪魔し、「孫だからと特別扱いされるのは、娘にとってよくありません。他の子と同じように扱っていただけなければこちらのピアノ教室はやめて、他のピアノ教室に通わせます」とはっきり伝えました。ピアノ教室の孫が他のピアノ教室に通うなんてもってのほか、と義母は焦った様子で、特別扱いはしないことを約束してくれました。
その後も義母は、私に「ピアノはこう練習するとじょうずになるの」「こんな練習でリズム感がつくんだって」と事あるごとに伝えてはきますが、強制することはなくなりました。私は娘の気持ちと自分たちの生活を一番に考えながら、今日も楽しくピアノの練習をしています。
イラストレーター/miyuka
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
配信: ベビーカレンダー(ライフ)
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