予測しにくい直下型地震
海溝型地震の原因となるプレートの境目のずれも、直下型地震の断層のずれも一定の期間で繰り返しおこります。
プレートの境目のずれによるマグニチュード8クラスの海溝型地震は100~200年の周期でおこります。この周期は地震のおきる場所によって変わってきますが、周期を200年とした場合、地震がおきてから100年間は静穏期、100年以降は活動期となり時間が経つにつれて地震がおきる確率が高まっていきます。
内閣府によって、おきる確率が高いとされる海溝型地震が予測されていますが、南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率70~80% 、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の今後30年間の発生確率60~70%といった予測は、プレート境界のずれの周期をもとに計算がされています。
活断層による地震の発生確率
海溝型地震のように周期が100年単位であれば、人間のライフサイクルに近い数十年単位の発生確率は求めやすいのですが、直下型地震の原因となる断層のずれの周期は、数千年~数万年となっているため、数十年単位の確率を求めようとすると誤差が大きくなり予測は難しくなります。
主要活断層帯の地震発生確率を見てみると、発生確率がとても高いSランクとされているものでも5~10%程度、多くが1%以下となっています。
この数字だけをみると発生確率が低いように思えますが、日本には2,000もの活断層があることを忘れてはいけません。
過去におきた直下型地震で、30年間の地震発生確率がどうなっていたかの例をあげると、阪神・淡路大震災では0.02%~8%、平成28年 熊本地震の場合は0%~0.9%とされていました。 このように、数値が小さくても地震が発生しないということをではありません。一つ一つの確率は小さくても、日本の下に網の目のようにある活断層のどこかで地震がおきる確率は高くあるのです。
活断層による地震の発生確率を予測することは難しく、内閣府などから予測が出されていない地域や、活断層による地震の発生確率が低い場所には地震がおきないという保証にはなりません。
そのため、日本にいる限りどこにいても地震がおこると考え、いつ大きな地震が来ても大丈夫なように、日頃から対策をしっかり行うことが大切です。
参考資料
国土交通白書 2020 第2節 地球環境・自然災害に関する予測
NHK 日本海側 地震直後に津波到達する「海陸断層」が多数存在
配信: moshimo ストック