油の値上げは「揚げ焼き」で対策!少ない油で節約しながら上手に揚げ物を作るコツ

油の値上げは「揚げ焼き」で対策!少ない油で節約しながら上手に揚げ物を作るコツ

料理に関するちょっとしたお悩みに対して、解決方法をわかりやすく教えていただく料理研究家・井上かなえ(かな姐)さんのフーディストノート公式連載。今回は、物価高の影響でニーズが高まっている「揚げ焼き」についてです。少ない油で節約をしながらおいしく調理する方法は必見です!

こんにちは!かな姐です。

新年度が始まり、こちらの連載もちょうど1周し、ありがたいことに2年目に入りました。

昨年度から引き続き「料理に関する素朴な疑問、お悩みにお答えしましょう!」の、オンライン料理教室としてみなさまからいただいたご質問の中から毎月1テーマを選んでお答えさせていただきます。

今回選んだのは、同様の質問が一番多かったもので、揚げ焼きについてです。

家で揚げ物をするとき、カリッとサクッと揚がったことがありません…。油をたくさん使いたくなく、ケチっているせいかもしれません。でも物価高ですし、できればたっぷりの油を使いたくないです。

少なめの油で、確実に、カリッとサクッと揚げるにはどのようなポイントがありますか。

このご質問、昨年度は全くなかったのに今年度は何人もの方が書かれていて、ご質問者の方おっしゃる通り、物価高の影響もありそうですよね。

油の値段!びっくりするほど上がってしまったので、家でたっぷりの油を使っての揚げ物というのは、もはや高級料理になりつつあるのかもしれません。

だからこそ、失敗できない!なるべく少ない油でカリッとサクッと揚げたい。お気持ちわかります!

というわけで、今回は揚げ焼きについてご紹介していきます。

ご家庭で揚げ物といえばきっとから揚げのことが多いのかな?と思いましたので、今回は鶏もも肉のから揚げを例に見ていただきましょう。

揚げ焼きでから揚げを上手に作るコツ

うちでは揚げ物用の専用の鍋は使わず、いつもフライパンを使って作ります。

これは26cmのフライパンですが、使用する油はこめ油で100mlを入れてみました。

フライパンの底にたったのこれだけ!

これで鶏もも肉2枚(600g)を揚げていきますよ。設定温度は170℃、火加減は中火~強火です。

火加減が弱すぎるとカラッと揚がりません。

鶏もも肉は一口大に切り(300gくらいの鶏もも肉を6等分にした大きさ)、下味をもみ込んで15分ほど室温において片栗粉をまぶします。

たっぷりの片栗粉をまぶし、その後粉はなるべくはたいて落とします。

粉をたっぷり付けて、落とす。揚げ焼きにするときはこれがけっこう大事で、粉が少なすぎて付いていないと油が跳ねますし、逆に余分な粉がついていると一気に油に粉が落ち、油の温度が上がりにくくなる原因にもなります。また、油も汚れてしまいます。

1つずつ丁寧に粉を落とし、油の中に静かに入れていきます。

鶏肉同士がくっつかないくらいの間隔で、皮目は下になるように入れます。

入れ終わったらこのまま4分ほど触りません。火は最初は強火、途中で温度が上がり過ぎたら中火にしますが、基本強め!温度設定ができるコンロならば170℃です。

3~4分くらいしてくると、見てください、お判りでしょうか。

フライパンに面している側の鶏皮の部分がカリッとなり、色付いてきていますね。

衣が固まるまで触らないことが重要です。

ここでやっとお箸でひっくり返していきます。お箸で触るとカリカリさが伝わってきます。

裏返しました。

見事にきれいな色、見るからにカリカリサクサク。

ここからまた3~4分、裏面も同じようにカリサクになるまで揚げ焼きにしたらバットに取り出します。

続いて残った鶏肉を揚げていきます。

油はこんなに減っていますが、これでも十分に揚げられます。

先ほどと同じように皮目から3~4分ずつ両面揚げ、バットに取り出します。

火を止めました。

油はこれだけ残りました。

わたしはこれを捨てません!なんせ油高いですから、もったいない!

茶こしで濾しながら小さなカップなどに入れます。

昔はオイルポットを使っていたんですが、あれって大きいし洗いにくいし、ベトベトになって触るのも嫌になったりするので使わなくなりました。普通の陶器のカップで充分。

ちゃんと余分な粉を落としてから揚げたので、油はまだこんなにきれいです。

量ってみたところ、50ml残りました。

アルミホイルで蓋をして、置いておきます。

翌日の朝の出汁巻き卵を焼くのも、お肉を焼いたり炒め物をしたりするのも、ここから油をスプーンですくって使います。

無駄なし!この量なら、たいてい1~2日でなくなります。

今回はから揚げの場合を写真に撮ったんですが、後日市販の冷凍の牡蠣フライでも揚げ焼きを試してみたら、衣がどんどん油を吸収してしまい、途中で油がなくなるわ、落ちた衣が焦げてくるわ、けっこう大変でした。油の再利用も無理なくらい!

油を吸収しやすいフライ衣の付いたものを揚げ焼きにする場合やかき揚げなどは、から揚げの場合よりは油の量を多めにするのが良さそうです。

また、衣に使用するパン粉を細目パン粉にしたり(油の吸収率が低くなります)、生パン粉ではなく乾燥のパン粉を使うことでも油の吸収率は低くなり、少ない油でも揚げ焼きしやすくなると思います。

カツやかき揚げの場合は油の減りが早いので、1周目が終わってバットに取り出した後、2周目に揚げ焼きするタイミングで、油を少し足すと2回目もうまく揚げ焼きできると思います。

今回作った基本のから揚げのレシピ

分量

3~4人分くらい

材料

鶏もも肉…2枚(600g弱くらい)

A 塩…小さじ1/2

Aこしょう…少々

Aしょうが(すりおろし)…小さじ1

Aごま油…小さじ1

Aしょうゆ…大さじ1

片栗粉…大さじ5

こめ油…100ml

作り方

1. 鶏もも肉は余分な脂を切り取って厚みを均一にし、一口大に切る。Aをもみ込んで15分ほど室温におく。

2. フライパンに油を入れ、強火で170℃に温める。

3. 1に片栗粉をまぶし、余分な粉をはたきおとして油を温めたフライパンに1個ずつ、皮目を下にして入れていく。

4. 3~4分触らずにそのまま揚げ、下側がカリッとなってきたら裏返し、裏面も同じように3~4分揚げ焼きにし、バットに取り出す。

 

というわけで、今回は揚げ焼きのポイントについて書いてみました。

使用する油なんですが、わたしはこめ油を使っています。

こめ油で揚げ物をすると、部屋に揚げ物独特のにおいがしない!!お惣菜屋さんの前を通ると揚げ油のにおいにウッ…とすることがある方にはこめ油がおすすめです。

また酸化もしにくいので、揚げ物に使用したあとの油も炒め物に使用したり卵を焼いたりすることが可能です。

ではまた来月お会いしましょう。

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