●笑いを生み出す“伝え方”を考える
まめちゃんの挙動を観察してイラスト化する、という作業を続ける横峰さん。
“育児の伝え方”を工夫することで、自分自身も育児を楽しめるようになるはず、といいます。
「たとえば、育児中にイラっとしたときに、どうしても愚痴りたくなると思うんですけど、お友達や旦那さん、母親とかに、ちょっと面白く伝えることを意識してみるといいのかもしれません。『これってけっこうエピソードとして面白いじゃん』と発想を転換することで、愚痴る前にイライラが減っていくので、けっこういいかなと思います」(横峰さん、以下同)
そう語る横峰さんですが、子育ては挫折の連続だったとか。
「子どものためにご飯もちゃんと作って、一緒に遊んであげて、おしゃれでかわいいおもちゃを揃えてあげてっていう理想はありました。でも、そんなの全然できないということが分かりました(笑)。朝は5時くらいに『起きろ起きろ』って、本で殴られながら起きますし、ご飯を作っておいても、食べずにだめになることもすごく多くて。こんなはずじゃなかったのに…って今でも思っています」
思い通りの育児ができないことで、ストレスも溜まったそう。しかし、考え方を180度変えたことで気持ちが楽になったと語ります。
「一番大事なのは、その時の気分を察知して的確に動いてあげることなのかなって。だからいくら準備してもそれが活きたことはなくて、アドリブ力が重要だなって。だから、あれを買ってあげようとか、これを準備してあげようとかもやめることにしたんです。できるだけ子どもの様子から何が欲しいのかっていうのを読み取って、対応できるように頑張っています。でも、振り回されっぱなしですけどね(笑)」
●子どもの行動が創造力を刺激
ちなみに、仕事は在宅でしている横峰さん。最近は知恵がついてきたまめちゃんのこんなエピソードも。
「私が机に向かってしまうとすごい怒るんですよ。『オレがいるのにお前は』みたいな(笑)。最近はコンセントを抜いたり、ニヤニヤしながらスマホを舐めたりして、私が焦ったら楽しそうにしています。だから、息子が起きている間は絶対仕事はしないでひたすら遊んでいますね」
保育園には落ちてしまったという横峰さんですが、「保育園にいっていたらたぶん絵日記は書けなかったです」と前向き。
「これだけわがままにつき合わされてネタが生まれているので、そこは保育園落ちてよかったなって気もしますね。本も出せたので(笑)」
最後に、誰でも始められるクリエイター的な育児の楽しみ方を教えてくれました。
「ツイッターとかインスタグラムは、ママと相性がいいツールだと思うんですよね。以前、旦那さんのお弁当のご飯にのりで『バカ』って書いていたのを載せている方がいましたが、かなりスカッとしました(笑)。日常の些細なことを笑いに変えることで、たくさんの人に共感してもらえたりするのはとても達成感を感じられることです」
観察力をフルに働かせ、視点をちょっと変えるだけで、子育ての何気ないシーンも面白いものになるはず。クリエイターならではの発想を取り入れることで、毎日の育児がちょっぴり楽しくなるかも。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)