そのほかの紅茶の種類
ここまで紹介したように、紅茶の茶葉の名前はおもに生産地に由来しています。
しかし、ほかにも「アールグレイ」「フレーバードティー」「ハーブティー」などと呼ばれる紅茶があります。
これらはいったいどのような種類の紅茶なのでしょうか。
特徴やおすすめの飲み方などとあわせてくわしく解説します。
茶葉に香りをつけた紅茶「フレーバードティー」
フレーバードティーとは、花やフルーツ、スパイスなどの香りを茶葉につけた紅茶のことです。
茶葉の種類に決まりはなく、ダージリンをベースにしたもの、キームンをベースにしたものなど、多種多様なフレーバードティーがあります。
茶葉と同じく、香り付けに使う花やフルーツ、スパイスの種類にも決まりはありません。
たとえば、アプリコットやオレンジショコラ、ベルガモットやバラの香りなど、自由に楽しまれています。
アールグレイ
アールグレイとは、特定の茶葉の名前ではなく、フレーバードティーの種類のひとつです。
茶葉にベルガモット(橘類のフルーツ)の香りをつけたフレーバードティーをアールグレイといいます。
アールグレイは、イギリス伝統のフレーバードティーとして親しまれてきました。今では、さまざまな茶葉をベースにしたアールグレイが世界中で飲まれています。
・香り…爽やかなベルガモット(柑橘)の香り
・味、紅茶の色、おすすめの飲み方…ベースの茶葉によって異なる
ラプサンスーチョン
ラプサンスーチョンとは、中国福建省の武夷山(ぶいさん)で作られた正山小種(ラプサンスーチョン)紅茶に、燃やした松の煙を使って香りづけしたものです。
ラプサンスーチョン特有のオリエンタルな香りが多くの西洋人から人気を集め、アールグレイが生まれるきっかけとなったともいわれています。
・香り…スモーキーでクセのある香り
・味…渋みは少なく、甘みがある
・紅茶の色…深い赤色
・おすすめの飲み方…ストレート、ミルク
複数の茶葉を組み合わせた紅茶「ブレンドティー」
生産地や茶摘みの季節などを問わず、2種類以上のちがう茶葉を組み合わせて飲まれる紅茶がブレンドティーです。
ブレンドティーは、飲むシーンや、飲み方、コンセプトなどをイメージして作られています。
ほとんどの紅茶メーカーでオリジナルのブレンドティーが販売されているので、気分や好みにあわせて、お気に入りのものを探してみるのはいかがでしょうか。
イングリッシュブレックファーストティー
代表的なブレンドティーのひとつに、イングリッシュブレックファーストティーがあります。
ボリュームのあるイギリスの朝食と合うようにブレンドされており、ミルクティーにして飲むとおいしく感じられるよう工夫されています。
茶葉の種類や量は紅茶メーカーによってさまざまですが、アッサムやセイロンティーを使うのが定番のようです。
ハーブをブレンドした紅茶「ハーブティー」
ハーブティーは、その名前のとおり、茶葉とハーブを組み合わせた紅茶です。
見た目や香りが華やかなハーブティーは、リフレッシュしたいときにもぴったりです。
ハーブティーに使われる代表的なハーブには、ローズヒップ、ハイビスカス、ペパーミント、エルダーフラワーなどがあります。
ノンカフェインで人気の高い「ルイボスティー」
カフェインの入っていない紅茶として注目されているルイボスティー。
厳密にいうとルイボスティーは紅茶ではありません。南アフリカで育つルイボスというハーブから作られる飲み物です。
紅茶によく似た香りや味、色をしているため、紅茶に代わる飲み物として親しまれています。
茶葉のサイズによる紅茶の種類のちがい
紅茶の茶葉には「グレード」と呼ばれる分類があります。
グレードというものの、これは茶葉の品質の優劣ではなく、サイズのちがいをあらわしたものです。
現在、オーソドックス製法で作られる紅茶では、おもに5つのグレードが使われています。
・OP(オレンジ・ペコー)
・BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー)
・BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス)
・F(ファニングス)
・D(ダスト)
上記の5つです。
OP、BOP、BOPF、F、Dの順に茶葉のサイズが小さくなり、Dに分類される茶葉は、おもにティーバッグ用に利用されます。
茶葉のサイズが大きいほど抽出されにくいため、紅茶を淹れるときの蒸らし時間は長くとるとよいでしょう。
配信: トクバイニュース