【別居の費用と準備】離婚リスクを最小限に抑える別居の方法

【別居の費用と準備】離婚リスクを最小限に抑える別居の方法

3、別居の準備

では別居をするための準備についてご紹介します。

(1)貯金をする

最初に別居に踏み切るためには貯金をする必要があるでしょう。

別居にかかる費用の相場は引っ越す場所や家賃などによっても異なります。

家具や家電製品を一から買い揃えるのか、少しは持っていけるかでも相場は変動するでしょう。

また、養育する子どもの数でも相場は変わりますから、ご注意ください。

①別居にかかる月額費用相場

別居にかかる月額費用は、「婚姻費用算定表」に基づき計算していきます。

例えば、子ども一人(18歳)で夫の年間の収入が700万円、妻の収入が50万円と仮定したなら、婚姻費用分担の月額費用の相場は14万円〜16万円です。

これはあくまでも夫から婚姻費用を分担してもらう場合の相場ですから、実際には、これだけでは足りないことが多いでしょう。

婚姻費用算定表

②別居にかかる一時費用相場

別居にかかる一時費用の相場は難しいもの。

引っ越し先の敷金や礼金などにも左右されます。

ですが、一般的に一人暮らし、または子ども一人連れての引っ越し先なら、家賃は10万円程度の場所になることでしょう(居住する地域にもよります)。

敷金・礼金などがそれぞれ2ヶ月分程度と仮定したなら、40万円+家賃 で50万円は必要です。

加えて、家具や家電製品を買い揃えることを考えると、100万円は手元に用意した方が安心できるでしょう。

引っ越し業者を使う場合はそれ以上の可能性も。

試算ではありますが、まずは別居に向けて自由になるお金を100万円程度は貯めておく覚悟をもつ必要があります。別居にかかる一時費用は夫が負担してくれるとは限りません。

(2)住む家を探す

次に別居で住む家を探す必要があるでしょう。

別居の理由によっては、夫の家からできるだけ近い方がいい場合や遠方にするべき場合があります。

事情に即して選んでいきましょう。

専業主婦の場合には、無職扱いになるため、アパートを借りづらい可能性もあります。

できるだけ保証人には夫や親など所得がある方に協力してもらう必要があるでしょう。

(3)別居の条件を夫婦で話し合う

次に別居の条件を夫婦で話し合いましょう。

別居の事情によって話し合う内容はまちまちです。ですが、下記3点は最初に話し合っておいた方がいい項目になるでしょう。

①婚姻費用はいくらもらうか

婚姻費用はいくらもらうのかを話し合っておきましょう。

離婚していない限り別居中でも婚姻費用を請求する権利があります。

基本的には婚姻費用算定表に基づいた金額を請求していけばいいでしょう。

②家族で会う頻度は?

別居した後に家族で会う頻度も相談しておいてください。

将来的に離婚したいわけではない場合には、家族として会う機会を無くしてはいけません。

月に一回、週に一回など、夫婦間で認識を合わせて別居に踏み切るようにしましょう。

③別居期間はいつまでにするか?

また、事情によっては別居期間を決めておいた方が無難です。

夫の浮気が原因での別居なら「浮気相手と別れるまで」などと期間を区切っておきましょう。

夫の面倒を見たくない場合には「別居期間は1年間」などと最初から区切っておいた方が夫も別居に応じやすくなります。

(4)子どもがいるなら学校などの手続き

子どもがいるなら学校などの手続きも必要です。

区切りよく入学の年に別居、などと考えていると、入学式に間に合わないなどの事態が想定されます。

地域によって入学式のタイミングが違うからです。

あらかじめ、子どもの幼稚園や学校の手続き方法、タイミングを調べておくようにしましょう。

(5)生活に必要なものを買い揃える

最後に生活に必要なものを買い揃えましょう。

離婚に向けた別居でないなら、全て一から買い揃える必要があります。

離婚に向けた別居なら財産分与で夫の家から物を運び出すこともできるでしょう。

4、別居から離婚にしないための心がけ5つ

別居をすると、お互いの気持ちが変わりやすいのは確かです。

お互いに共に暮らしていたストレスがなくなった反面、自分にとっての必要性や存在自体も同時に消えていきます。

そのため離婚はしたくないという方はいくつか注意が必要です。

以下、注意ポイントを5つご紹介します。

(1)別居中異性とは付き合わない

別居中に異性と付き合うことは厳禁です。

離婚していないなら、不貞行為になってしまい慰謝料の請求対象になってしまいます。

一度信用を失えば、信頼を回復することは難しいもの。

離婚したくないなら、不貞行為には十分注意してください。

(2)連絡を定期的にする

連絡は定期的にしていきましょう。

離婚したくないなら、夫を気にかけている姿勢は大切です。

週に一回程度でも電話やメールをして近況報告をお互いにできる関係を維持していきましょう。

(3)家族が揃う日を定期的に持つ

家族で会う機会を定期的に作るようにしましょう。

子どもがいるならなおさら夫婦関係が良好だと認識させる必要があります。

子どもが傷つかないようにできるだけの配慮を忘れないでください。

少なくても一ヶ月に一回程度は家族で食事をする機会を作るといいでしょう。

(4)別居中でも夫のことを気遣う

例え別居中でも夫のことを気遣うことを忘れずに。

寒い季節になれば体調を崩していないか、電話やメールなどで確認しておきましょう。

もしも体調を崩していたなら看病しに行ったり暖かい衣類を準備するなど、妻としてできることをしていくことが大切です。

やはり妻の存在は大切なのだと夫が再認識できるように仕向けましょう。

(5)夫と会う日には笑顔で過ごす

嫌いで別居したわけではないなら、夫に会う日にはできるだけ笑顔で過ごすこと。

そして女性として輝いている姿を見せることができれば、夫からあなたと離婚したいとは考えづらいものと思います。

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