さまざまな効果が期待できるといわれている「亜鉛」。
亜鉛の多い食べ物の代表として牡蠣がありますが、ほかの食べ物はどのようなものがあるのでしょうか?
手軽に食べられるものを中心に、一覧表で紹介します。
また1日に必要な量や効果的な摂り方について知り、不足することなく補給しましょう。
今回の記事では「亜鉛が多い食べ物」について、管理栄養士が解説します。
亜鉛が多い食べ物一覧
亜鉛が多い食べ物には、魚介類、肉類、豆類、種実類などがあります。
そもそも亜鉛は、タンパク質やDNAの合成に関わる栄養素です。
具体的には下記の働きがあると考えられています。
・タンパク質合成:健やかな肌や髪の毛を作る
・タンパク質、DNA合成:子どもの成長に必要
・免疫機能の維持:侵入してきた細菌やウイルスから体を守る
亜鉛が不足することで皮膚炎、味覚障害、免疫機能の低下、成長の遅れなどの影響がみられることが知られています。
そのため、子どもから大人まで不足することなく摂りたい栄養素です。
具体的に、亜鉛が多い食べ物を一覧で見てみましょう。
魚介類
亜鉛は魚介類の中でも、特に貝類に多く含まれています。
注目すべきは牡蠣の亜鉛含有量で、100gあたり14.0mgと、食べ物の中でもトップクラスです。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
カニやさざえなどはあまり食べる機会が多くないかもしれませんが、ししゃも、しじみ、あさりなどは普段の食事に取り入れやすいでしょう。
肉類
肉類の中でも、レバーや牛肉に亜鉛が多く含まれています。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
肉類の中でも、脂身の少ない部位に多く含まれているため、脂身を避けて赤身のものを選ぶとよいでしょう。
豆類
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
きなこは牛乳やヨーグルトに混ぜ入れて使うと、簡単に亜鉛をプラスできます。
また納豆やがんもどきなどの大豆製品は毎日でも取り入れやすく、亜鉛を手軽に補給できるでしょう。
卵類・乳製品
卵類や乳製品にも亜鉛が含まれ、特にチーズに豊富です。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
鶏卵は1個あたり(約50g)では亜鉛が0.55mgとなり少なくなりますが、毎日手軽に亜鉛を補給できるためよいでしょう。
チーズはプロセスチーズに豊富で、ほかにはモッツァレラやカマンベールにも含まれます。
おつまみやおやつとして取り入れるのもよいでしょう。
種実類
種実類もよい亜鉛の補給源となります。特に多いのはかぼちゃの種やごま、カシューナッツがあります。
出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
種実類はカロリーが高いため、食べすぎには注意が必要です。
1日あたり20~25g程度を目安に取り入れるようにし、カロリーオーバーに気をつけましょう。
コンビニで手に入るもの
これまでに紹介した食べ物の中で、コンビニで手に入りやすいものは下記があります。
・牡蠣の缶詰
・ほたての貝ひも
・あさりのみそ汁
・スモークレバー
・ゆで卵、半熟卵
・キャンディチーズ
・ミックスナッツ
手軽に取り入れられるものばかりなので、亜鉛をしっかりと摂りたい方は、間食やおつまみとして取り入れるのもよいのではないでしょうか。
食べすぎるとカロリーや塩分の摂りすぎになるため、食べすぎには注意して上手に活用しましょう。
亜鉛の1日に必要な量【食べ物だけで摂れる?】
亜鉛の1日に必要な量(推奨量)は、成人男性では10~11mg、成人女性では8mgです。
年齢と性別によって異なるため、詳しく見てみましょう。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
成長期では、年齢が高くなるほど推奨量が多くなることがわかります。
亜鉛の平均的な摂取量を調査した結果では、成人男性では9.2mg、成人女性では7.7mgであり、不足気味の傾向です。
亜鉛を含む食べ物を積極的に取り入れるほか、次に紹介する効率的に取り入れるための注意点を知っておきましょう。
※参照:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」,厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
配信: トクバイニュース