野菜ジュースの効果とは?効果的なとり方やデメリットを管理栄養士が解説

野菜ジュースの効果とは?効果的なとり方やデメリットを管理栄養士が解説

手軽に飲めて、野菜の栄養を摂れる野菜ジュース。

実際にどのような効果があるのでしょうか?

また、本当に野菜の代わりになるのかなど、デメリットが気になる方もいらっしゃるでしょう。

今回の記事では「野菜ジュースの効果」「デメリット」「効果的なとり方」について、管理栄養士が解説します。

野菜ジュースに期待される効果とは

野菜ジュースを取り入れることで、健康作りや美容に関する効果を期待できます。

しかし、野菜ジュースだけで野菜の代わりになったり、野菜不足の解消につながったりするわけではないため、注意が必要な部分もあります。

のちほど紹介するデメリットも知り、上手に活用しましょう。野菜ジュースを上手に活用した場合は、下記の効果が期待できます。

これらの効果について、詳しく解説します。

効果1.便秘の予防

野菜ジュースには、1本あたり1.8gの食物繊維が含まれ、便秘の予防に役立ちます。

食物繊維は便の材料となり腸を刺激して排便をスムーズにしたり、善玉菌のエサとなり菌数を増やしてくれたりするなど、腸によい働きをしてくれます。

効果2.むくみ解消

野菜ジュース1本で460mgのカリウムを補給できるため、むくみ解消を助けてくれます。

カリウムは、むくみの原因となるナトリウム(塩分)と一緒に水分を排出するため、むくみをすっきりとさせてくれる機能が期待されています。

効果3.美肌

野菜ジュースにはビタミンA、ビタミンC、ポリフェノール、リコピン(※トマトが入っている場合)などの抗酸化作用を持つ栄養成分が含まれ、美肌作りに役立ちます。

抗酸化作用とは、細胞を傷つけて老化を引き起こす活性酸素を取り除いたり、働きを抑えたりしてくれる作用のことです。

シワやたるみを防ぐ、いわゆるアンチエイジングの作用が期待でき、若々しい肌を保つのをサポートしてくれます。

野菜ジュースのデメリット

野菜ジュースにはさまざまな効果が期待されますが、先ほど伝えたとおり、野菜ジュースだけで野菜不足の解消になるわけではありません。

野菜ジュースばかりに頼ってしまった際のデメリットを3つ紹介します。

デメリット1.栄養素が少なく野菜の代わりにならない

野菜ジュースは製造の過程で、食物繊維やビタミン、ミネラルが失われてしまっています。

「1日分の野菜がとれる」「350gの野菜を使用」とされている商品がありますが、実際に野菜を350gとったときと同じ栄養素の量は摂取できません。

実際に、野菜ジュース1本をとった場合と、野菜350gをとった場合の栄養成分値を比較してみましょう。

野菜も調理加工によりカリウムやビタミンCの量が減るため厳密な比較ではありませんが、どの栄養素も野菜をとる方が優れていることがわかります。

特に野菜ジュースで少なくなるといわれている栄養素を比較すると、やはり野菜の方が優秀です。具体的に、野菜ジュースに比べて野菜は、食物繊維3.7倍、カリウム1.8倍、ビタミンC16.3倍もの量です。

野菜ジュースばかりでは、さまざまな栄養素が不足する可能性が考えられるでしょう。

デメリット2.咀嚼が必要ない

野菜ジュースは咀嚼の必要がなく飲めるため、噛む回数が減るデメリットがあります。噛むことは、次のような効果が知られています。
・満腹中枢を刺激して食べすぎを防ぐ
・唾液の分泌を促し口の健康を守る
・脳を刺激し働きを活発にする
・口の筋肉を鍛え、たるみの防止に役立つ

野菜ジュースではこれらのメリットを得られないため、よく噛んで食べられる野菜の摂取が大切であるといえます。

デメリット3.糖質を摂りすぎる

野菜ジュースによっては糖質が多いものがあり、糖質の摂りすぎにつながるかもしれません。

野菜ジュースは飲みやすくするために、かぼちゃやとうもろこしなどの甘みのある野菜が使われることもあり、糖質の量が多くなることがあるのです。

また野菜ジュースの中でも果物が入っているものは、さらに糖質の量が多くなります。

糖質の摂りすぎは肥満の原因や、血糖値を上昇させる原因となることがあるため、野菜ジュースばかりに頼らないよう、注意しましょう。