ビタミンDの1日の摂取量の目安【食品が偏ると不足しがち?】
ビタミンDの1日の摂取量の目安は、下記のとおりです。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
この目安量に対し、ビタミンDの平均的な摂取量は、不足がちであることがわかっています。
出典:厚生労働省「令和元年「国民健康・栄養調査」の結果」
目安量とは年齢の区分が違うため厳密な比較はできませんが、多くの年代で不足の可能性がある数字です。
特に、魚介類やきのこ類を食べる回数が少ない方は、不足の心配があります。先ほど紹介した食べ物を意識的に取り入れるようにしましょう。
ビタミンDが不足するとどうなる?
ビタミンDが不足すると、骨の健康に影響を与えることが知られています。
ビタミンDが欠乏した状態では、小腸や腎臓でのカルシウムの吸収率が低下し、小児ではくる病、成人では骨軟化症、高齢者では骨粗しょう症性骨折のリスクとなります。
・くる病…骨が変形する病気で、発育・発達の遅れにつながることがある
・骨軟化症…骨が弱くなる病気で、骨の変形や痛みなどの原因となる
・骨粗しょう症性骨折…骨粗しょう症(骨量が減った状態)により起きる骨折
ほかにもビタミンD不足により、免疫機能の低下、がん・心臓の病気、うつ病との関連がある可能性もわかってきており、さまざまな影響が知られてきています。
のちほど効率よく摂るポイントを紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
ビタミンDを過剰摂取したときの影響は?
日光によって必要以上にビタミンDは産生されないものの、食品・健康食品・サプリメントから過剰摂取を続けると、健康に影響を及ぼすことがあります。
具体的には高カルシウム血症による吐き気、おう吐、筋力低下、食欲不振などや、腎障害などが挙げられます。ビタミンDは過剰摂取を避けるために「耐容上限量」が定められており、成人男女で100μgまでが基準です。
食品では過剰摂取の心配が少ない数字ですが、健康食品やサプリメントの摂りすぎにより、ビタミンDが過剰とならないように注意しましょう。
ビタミンDを効率よく摂るポイント【含まれる食品と一緒に知る】
不足によりさまざまな影響が知られるビタミンDは、効率的に摂るために下記のポイントを実践してみましょう。
油と一緒に調理する
ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、脂質と一緒に摂ることで吸収がよくなります。
魚はビタミンDと脂質を両方含むため、効率的にビタミンDを摂取できるといえます。きのこ類には脂質が含まれないため、油を使って調理するか、油を使ったメニューと組み合わせるようにしましょう。
きのこをバターやごま油で炒めたり、きのこのスープにごま油やオリーブオイルを垂らしたりしてみてください。
日光浴をする
ビタミンDは皮膚でも作られるため、適度な日光浴をすることも大切です。
5.5μgのビタミンDを産生するために必要な日光浴の時間は、地域や時間帯により異なりますが、正午の時間帯は、夏では3~5分、冬では7~77分となっています。(※)
ガラス越しの紫外線ではビタミンDが産生されず、日焼け止めや衣類により紫外線を遮っている場合もビタミンDの産生量が少なくなります。
室内にいることが多い方や、紫外線対策をしている方はビタミンD不足のリスクがあるため、食品から積極的に摂ることを心がけましょう。
配信: トクバイニュース