【小学校のプール】不安や苦手意識の原因と家庭でのかかわり方

【小学校のプール】不安や苦手意識の原因と家庭でのかかわり方

梅雨に入り、蒸し暑い日が続いていますね。もうすぐ学校で水泳の授業が始まります。
楽しみにしている子もいる一方、「水が苦手」「プールはあまり行ったことがない」「泳げない!」というお子さんはドキドキしているかもしれません。

元フィットネスインストラクターで15年ほど水泳指導に携わっていた筆者が、水泳指導の経験と、生後6か月から小学校卒業までスイミングスクールに通ったわが子の様子から「水泳の授業が始まるまでに家庭でできること、お子さんの不安を取り除く方法」について考えてみました。

プール嫌いの原因!?「水の4大特性」って知ってる?
まず知っておいてほしいのは、「水中と陸上はまったく違う」ということ。
「水の4大特性」である「浮力・抵抗・水圧・水温」が、身体に大きな影響を与えるためです。「水の4大特性」を調べてみると、なぜプールが苦手なのか想像できるかもしれません。

1.「浮力」
水中に肩まで浸かると、体重は約10分の1に激減します。
また、全身についている脂肪は水より軽い上、浮力も加わり、無重力空間にいるようなフワフワした状態になります。慣れないお子さんは「不安定で怖い」と感じるかもしれません。

2.「抵抗」
プールの中を歩いていただけ、浸かっていただけなのに疲れた、と感じたことはありませんか?
水の密度は空気の約800倍。水中を進む場合、スピードの二乗に比例して抵抗を受けます。そのため、陸上で運動するより運動強度が上がり疲れやすくなります。

3.「水圧」
水圧がかかることにより肺活量が減少し、息苦しさを感じることがあるかもしれません。

4.「水温」
水は空気より熱の伝導率がよいため、水中では陸上の25倍の早さで熱を奪われます。
プールが怖かったり、あまり泳げない初心者は動きも少ないため、よりいっそう水が冷たく感じられ、「寒い! もう出たい!」とネガティブな気持ちになることも。

お子さんが「プールがイヤ!」と感じるのには根拠があるんです。
つい「ほかの子は楽しくやってるのに」と思ってしまいますが、繊細なお子さん、感受性が豊かなお子さんほど影響を受けやすいかもしれませんね。

じゃあプールに入るメリットってなんだろう?!

「水の4大特性」、メリットもたくさんあるんです。

1.「浮力」
浮力により骨格や関節に負担をかけずに筋力向上を目指せるため、体が未発達な子どもたちも安全に運動ができます。プールにプカプカ浮いているだけでもリラクゼーション効果を得られます。

2.「抵抗」
動かす方向すべてに抵抗が生じるため、シェイプアップや筋力強化に効果があります。動く速さによって運動強度をコントロールできるので、無理せず自分にあった強度で運動ができます。

3.「水圧」
心臓から送り出される血液量が増えることで血液循環がよくなり、疲労回復、リラックス効果も期待できます。また、腹部が水に押され、内臓が横隔膜を押し上げ、自然に腹式呼吸が促されます。これにより呼吸筋が強化され、心肺機能が向上します。

4.「水温」
寒冷刺激により、体温調節機能が鍛えられ、風邪をひきにくい体作りができます。

水に浸かって軽く運動をするだけでもメリットいっぱいのプール。ぜひ好きになってもらい、水泳の授業を楽しんでほしいと思います。

学校で水泳の授業が始まる前に家庭でできること

お子さんがスムーズに水泳の授業に入れるよう家庭でできることを考えてみましたが、ズバリ「特に何もしなくて大丈夫!」というのが、元インストラクター、元小学生ママである筆者の結論。
いつものお友達といつもと違う体験ができるプールは、「イヤそうにしていても行ってしまえば楽しい」という子どもあるあるになる可能性も大きいですから。

なお、小学校の水泳の授業は、プールへの入り方、上がり方、プールサイドを伝って歩く練習からスタートします。その後も到達度別に分かれて練習するので心配しなくて大丈夫。
強いて言うなら、頭からシャワーが浴びられて、水の中で目が開けられればベスト。

小さなことですが、学校指定のものがなければ、お子さんの好みの水着やタオルやプールバッグを一緒に選ぶとプールの授業が待ち遠しくなるかもしれません。

どんな水着がいい? 日焼け止めは?

経験上、背中で肩紐をクロスするタイプの水着は、小さなお子さんはひとりでは着にくそうです。短時間で自分で脱ぎ着をすることを考えると、シンプルなスクール水着タイプがよいと思います。スイミングスクールに通っているお子さんは着慣れているそちらで充分。
禁止されていなければ、プール後に目が痛くならないよう、ゴーグルの使用もオススメします。ゴーグルのサイズはご家庭でしっかり調節してあげてください。

日焼け止めは、水質保持のため使用禁止のところがほとんどだと思いますが、ラッシュガードを着用できる学校も多いです。小学校の水泳の授業はプールサイドで待機している時間も長いので、用意しておくとよいかも。

女の子は髪の長さや髪型も要注意

女の子は特に気になるのが髪の長さと髪型。
腰まであるロングを結ばずに来る子は、髪をスイミングキャップに入れるのにかなり苦労します。
また、ドライヤーがない小学校がほとんどですし、ゆっくりタオルドライをしている時間もありません。見ていると髪からポタポタしずくがたれ、洋服の肩から背中までが透けるほどびしょ濡れになっている子も。
可能なら、バスタオルと別に、帽子タイプのタオルを持たせる、高めの位置で結んであげる(プールの中を歩くだけのクラスもあるので、髪があまり濡れないこともアリ)、プールがある間だけでも少し短く切っておくなど、プール後に濡れた洋服で体が冷えて風邪をひかないようにご注意を。

プールボランティアに行ってみよう!
筆者自身も小さな頃からスイミングクラブに通っていましたが、思い返すと学校の水泳の授業はキライでした。
理由は、屋外にある小学校のプールは、プールサイドに鳥のフンが落ちていたり、水の中に枯れ葉や虫が浮いていたから…(笑)。
水泳の授業の時にPTA活動としてプール清掃やプール監視のボランティアを募集している学校もあります。
真夏のプールボランティアは暑くて大変だけど、参加してみるのもよいかもしれません。ママがプールサイドで見守っていると、お子さんも喜びますよ。

また、少しの油断や悪ふざけが取り返しのつかない事故につながる水泳の授業では、先生方もピリピリしていることがよくあります。
以前、忘れ物をした児童がみんなの前でかなり厳しく注意をされ、その日は見学するよう言われて涙ぐんでいました。母の立場で見ると「何もそこまで…」と思いましたが、先生方もそのくらいの緊張感を持って取り組んでくださっているのだと思います。
自分やお友達の安全や命を守るため、いつも以上に先生の言うことをしっかり聞くよう、お子さんに話してあげてください。

それでもどうしても心配! スイミングクラブの短期水泳教室ってどう?

「それでも心配」「お友達はみんな泳げるみたい」という場合は、最終手段としてスイミングクラブの短期水泳教室や、無料体験を利用してみるのもひとつの方法。水泳指導のプロフェッショナルにまかせておけば言うことナシ。
ハード面でも、ロッカーが広い、水温がきっちり管理されている、温かいシャワーやサウナ、ジャグジー完備など、デリケートなお子さんも入りやすい条件が揃っているかもしれません。

暑い日にお友達と一緒に入る学校のプールは、冷たいシャワー、塩素の匂い、タオルの温かさ、いつもよりおいしく感じる給食とともに、とてもよい思い出になると思います。
お子さんが水泳の授業を楽しめますように。

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