●略奪婚成就でも、その後上手くいかない理由とは?
岡野さんによると、やはりと言うべきか、略奪婚で結ばれた人のほとんどは幸せになれていないとか。その理由は、略奪にいたるまでの過程にあるようです。
「よくあるのは、もともと不倫をしていた女性が家庭のある男性を略奪し結婚まで漕ぎつけたものの、また別の女性に略奪された、というケースです。なぜかというと、略奪するときに、『相手を自分のものにしよう』として最善の努力をしてしまうことで、略奪が成功したと同時に燃え尽きてしまうからなんです」(岡野さん、以下同)
では、なぜ燃え尽きてしまうことが、“幸せになれない”につながってしまうのでしょうか?
「男性にしてみれば、略奪するために“一時的に”健気だったり綺麗にしたりして努力している女性の姿を、その人の本当の姿だと思って心を射止められているわけです。しかし、女性にしてみれば、上手くいっている家庭をひっくり返そうとするわけで、振り子を左から右に振らせるパワーが必要。つまり相当な努力していることがほとんどですが、それに男性は気が付かず、女性のありのままの姿だと思ってしまうので、女性側が燃え尽きて“素顔”が出てきた瞬間に冷めてしまうことが多いようです」
なんとも皮肉な話ではありますが、女性のメッキが剥がれると同時に、男性の心が離れてしまい二人の関係性が崩れてしまうようです。
●略奪しにかかる女性のパワーとは?
そもそも、ほとんどの男性は恋愛感情だけで家庭を捨てようとは思わないはず。しかし、略奪をしようという女性は、並々ならぬエネルギーで男性に迫ってくると岡野さんは言います。
「略奪を仕掛ける女性は、男性への気配りがすごいですし、相手の好みをしっかり狙っていきます。たとえば、もし男性がお母さんみたいな人を求めるんだったらお母さんみたいに振る舞うとか、ツンデレがいいならツンデレにする。男性の性格を分析して、『この人はこういう女性がいいんだな』と戦略を練っています。それくらいしないと素のままで恋愛していたところで、一時的な浮気だけで終わってしまう可能性が高くなりますから、男性にとっての“得がたい女性”“理想の女性”という自分のイメージを作り上げるんです」
すでに、妻もしくは恋人など、特定のパートナーがいる男性を自分のものにしようとするパワーは計り知れないものがあります。とはいえ、そのパワーによって略奪後に燃え尽きてしまうようでは、略奪婚はデメリットの方が大きいと言わざるを得ないかもしれません。
(構成・文:末吉陽子/やじろべえ)