仕事でPCとにらめっこしたり、ゲームに熱中したり、目を酷使している時にやってくる頭痛。そんな症状が現れた人は、「緊張型頭痛」の可能性がある。
「後頭部から首筋、こめかみが締め付けられるような重苦しい痛みがだらだらと続くのが特徴です」と解説してくれたのは、頭痛専門外来を持つ山王クリニックの院長・山王直子先生。
「緊張型頭痛は、肩や首の筋肉・神経の緊張状態が続き、血流が悪くなって周囲の神経を圧迫することで起こるもの。近年では、PCに加えてスマホを使用する時間が長くなり、深夜まで目を酷使する人が多くなっているため、同様の状態に陥る患者は増加傾向にあります。また、体を動かす日常動作が少なくなりがちで、筋肉がほぐれにくいことも原因のひとつでしょう」
頭痛の種類を見分けるチェックリスト
山王先生が教えてくれた、頭痛の種類を見分けるチェックリストは以下の通り。
□運動すると楽になる
□風呂に入ると楽になる
□飲酒で楽になる
□吐き気はない
□生活に支障がないレベルの痛み
5つのうち3つ以上当てはまる人は、緊張性頭痛の疑いアリ。スマホやPCの使いすぎによる眼精疲労にも気をつけたいが、ダイエットや睡眠不足による肉体的ストレスや、人間関係などによる精神的ストレスも原因になるという。とはいえ、オン・オフ問わず必需品となっているスマホ・PCの利用を断つのは不可能に近いが…。
「人間は本来、太陽が沈んだ後は休むようにできているんです。利用をやめることが難しくても、“夜9時以降はなるべく使わない”など、目を休ませる時間を作ると良いかもしれません」
それでも緊張型頭痛になってしまった時、自分でできる対処方法はあるのだろうか。
「ストレッチや軽い運動は症状を改善させますよ。また、体を温めて血行を良くしたり、心をリラックスさせると痛みが緩和されるので、ホットタオルを目や首筋に当てたり、お風呂に入るのも効果的です」
ただ、同じ頭痛でも、実は別の病気という場合もあるそうだ。
「仕事や家事に影響が出るほどの痛みは『片頭痛』である可能性が高いです。緊張型頭痛とは原因も対処法も異なるので注意してください」
自覚症状がある人は、生活習慣や環境を見直すいい機会かもしれない。
(田中恵里菜/GRINGO&Co.)