浦本真梨子さんのMy Better Room都心で暮らすヒントが詰まった、 大きな窓から光差し込むワンルーム。

取材や撮影で都内を軽やかに駆け回るライターの浦本真梨子さん。都心でありながら落ち着いたエリアにあるマンションの一室に引っ越してきたのは、コロナ下のことだった。

「まだ思うように外出できなかったとき、大きな窓から緑が見えるところに惹かれてこの物件を選びました」と浦本さんが言う通り、高い天井から広がる窓から気持ちの良い光が部屋に差し込んでいる。「決して広くはないけれど、朝方に入る柔らかな光や緑に癒されています」と言うその窓の近く、部屋の中心に配置されているのは、円形のテーブルだ。「エクステンションで大きくなるものが欲しくて、ネットオークションでヴィンテージのテーブルを狙い撃ちしました」と浦本さんが丸いテーブルを広げると、オーバル形の6名用に。
「家で過ごす時間が増えて、友人を招くことができる場所にしたいなと思うようになったんです。心地よい時間を過ごしてほしいから、テーブルは迷わずこの部屋の特等席に」


部屋に入るとまず、大きな窓の向こうの緑が目に入る。天井が高く、上から光が差し込むこの部屋の特等席にはダイニングテーブルを配置。

ダイニングテーブルに座ると、窓の外の緑は目に入るが、ロフト上のベッドルームは死角になる。もともと自宅で仕事をすることも多く、「仕事をするスペースとベッドルームを分けたい」と思って部屋探しをしていた浦本さんの狙いは、このロフトによって叶えられている。
「人を招いたときにプライベートスペースが目に入ることがなので、お互いに気を遣わずに過ごせます」。そう言われてみると、部屋の中を見渡してみて目に入るのは、本棚に並ぶ書籍雑誌と選び抜かれた家具や家電くらいで、良い塩梅で生活感がない。それも空間を広く感じる一因かもしれない。


香水やルームミストが無造作に並べてあるだけで絵になる、玄関の印象的なガラスタイル。


着物用の桐箪笥の隣にはサイドボード。プロジェクターでモルタルの壁に映像を映し出せば、部屋が大画面のシアター仕様に。


ベッドが置かれたロフトから見下ろしたリビングルーム。来客時にはテーブルのエクステンションを広げれば6人まで着席できる。天井が高いこともあり、窮屈さは感じない。


サイドボードの前は、ソファが置かれたリラックススペース。ロフトの下に位置し、リビングルームよりも天井が低くなっているので落ち着くポイントだ。

「食器棚や靴箱のほかにはクローゼットが一つあるくらいで収納は少なめ。存在感のあるテレビの代わりに小型プロジェクターを導入したり、シーズンオフの服はクリーニング店に預けるなど、ミニマルな空間を心地よく保つ工夫をしています」

時に本棚の上はスタンディングデスクに、ロフト下のソファはこもって映画を見るのにぴったり。都会の暮らしを楽しむために、限られた空間を生かすヒントがこの部屋に詰まっている。


大きな窓の下に配置した本棚は、スタンディングデスクとして使用するのにもぴったり。気分転換で窓の外の緑を眺めながら仕事をすることもあるそう。

浦本真梨子

うらもと・まりこ/フリーランスの編集者・ライターとして、雑誌やウェブメディアでライフスタイルにまつわる様々なインタビューや取材を行う。趣味は茶道とバドミントン。

photo : Yu Inohara text : Rio Hirai (FIUME Inc.)

No. 1222


My Better Room 小さな部屋を自分らしく。/BE:FIRST 2023年06月28日 発売号

インテリアを楽しむのに大切なのは“想像力”と“とりあえずやってみる精神(DIY)”。正解もゴールもなく、少しずつ居心地の良い部屋へと作りあげていくプロセスも、また楽しみの一つです。何をどう選び、どう合わせるか。この特集では、人気インテリアショップスタッフの自宅とお店を拝見や、フルリノベ、移住をして暮らしを変えた人、心に“余白”を作る整理と収納など、自分らしく楽しく暮らす30人のアイデアを紹介します。

もっと読む

関連記事:

Hanako.tokyo
Hanako.tokyo
ちょっと素敵な生活を送りたい女子のためのライフスタイル誌『Hanako』の公式ウェブサイト。グルメ、ビューティ、スイーツ…毎日情報更新中!
ちょっと素敵な生活を送りたい女子のためのライフスタイル誌『Hanako』の公式ウェブサイト。グルメ、ビューティ、スイーツ…毎日情報更新中!