断水や停電… 災害時の正しいトイレの使い方を知ろう!

近年、豪雨や地震などの自然災害が頻繁に起きており、その傾向は今後も続くと言われています。災害が起きて断水したり停電したりした場合、すぐに困るのがトイレです。

災害時だからといって、トイレをせずに済ませることはできません。トイレをがまんしたり、水分摂取を控えたりすると、体調不良を起こすばかりか、命を落とす危険性もあります。非常用トイレなどを準備し、正しい知識も得て、災害時にもトイレで困らないようにしましょう。

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災害の前に準備を!

正しい情報を知っておこう

最近はWebやSNS、動画サイトなどで気軽に防災情報を得ることができます。しかし、中には専門外の人が解説する、誤った情報もあるんです。間違った情報を参考にすると、トイレ機器の故障につながるおそれもあるため、注意しましょう。

また、停電時はインターネットが繋がらないことも想定されるので、対応方法や問い合わせ先などをあらかじめ紙に印刷しておきましょう。加えて、いま家庭で使っている製品の取扱説明書をわかりやすい場所に置いておくと安心です。

困るのは断水、停電、排水管・下水管破損

被災時、トイレの問題が起きるのは、主に①断水②停電③排水管や下水管の破損――があった時です。順番に見ていきましょう。

お風呂の水をためておくと安心

【断水時(排水管等の破損なし)】

トイレ本体に破損がなく、役所やマンションの管理組合などからの情報で排水管などにも異常がないと確認できていても、断水していればトイレで排泄物を流すことができません。その場合は、浴槽にためておいた残り湯などで流すことができます。

災害時にも、生活するための水は欠かせません。浴槽に落ちる可能性がある小さい子どもがいる場合などを除き、お風呂に水をためておくと安心です。

ただ、お風呂の水をトイレに使用すると、メーカーによっては不具合を起こすことがあるため、各メーカーが出している注意事項を守りながら使用してください。

便器にバケツ1杯の水を一気に流し込む

トイレのタンク内には内部金具があり、タンク周辺に電気部品が付いています。自分でタンクに水を入れて、電気部品に水をかけたり、部品に衝撃を与えたりすると故障につながるため、タンク内の水を使い切った後、水は便器の中に直接流してください。

▽バケツでの水の流し方

1.排泄後、バケツ1杯分(6~8L程度)の水を、水はねに注意しながら一気に流し込む。

※流すのに必要な水の量は、排泄物の大小にかかわらず、常にバケツ1杯分

2.排水管の途中に汚物が停滞するのを防ぐため、2~3回の使用につき一度、バケツ1杯の水を流した後、さらに3~4Lの水を静かに流す。

電動式トイレでも、手動レバーで流せる場合も

【停電時】

トイレ内が暗いと、転倒する危険性もあるので、まずはトイレ全体を照らすランタンのような明かりを準備しておきましょう。

上下水道が使用できる状態で停電した時は、手動レバーを活用しましょう。

電動式のタンクレストイレも、機種により、便器横にある手動レバーで手動便器洗浄が可能です。停電が1日の場合は24時間で約20回、停電が2日以上にわたる場合は、乾電池を装着して100回以上の手動便器洗浄が可能な機種もあります。

住まいが集合住宅の場合、給水方式によっては、停電すると水も使えなくなってしまいます。

自宅が停電時に水が使えるのかどうか、確認しておきましょう。貯水槽方式など、停電すると水が使えなくなる住まいの場合は、【断水時】と同様の対応が必要になります。

何かトラブルがあった場合、解消するまで非常用トイレを使いましょう。

出典:国土交通省「災害時のトイレ、どうする?」

【上下水道管が破損している場合】

避難所の仮設トイレを使うか、非常用トイレを使いましょう。

非常用トイレは、携帯用と備蓄用があり、携帯用トイレは片手で持ちやすいコンパクトな作りで、アウトドアなどの時にも使うことができます。備蓄用は、洋式便座にセットして使います。

非常用トイレは、家族の人数×1人1日5回を目安に、1週間分は用意するのがおすすめです。

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