祖父母による「孫差別」って何?

第1回 わが子に孫差別 どうしたらいい?
おじいちゃん、おばあちゃんの対応が孫によって違う……。ママのなかには、いわゆる“孫差別”を感じている人もいるのでは?

「例えば、うちの子にはなにもしてくれないのにほかの孫はしょっちゅう預かる。子どもにくれるものの内容に差があるなど、祖父母の対応に差があるというお悩みはよく聞きます」

こう話すのは、NPO法人孫育て・ニッポン理事長のぼうだあきこさん。ちなみに、祖父母が孫に差別をする理由とは?

「孫への気持ちというより、お付き合いの頻度、住んでいる距離が関係しているように思います。また、息子の嫁の子どもより、自分の娘の子の方がかわいい、という話は多いですね。これは、嫁より実の娘の方が話しやすく、会う回数が多いからというのもあるでしょう」(ぼうださん 以下同)

地方によっては、長男の子か次男の子かでも、祖父母の対応が変わる地域がまだあるそう。今まで、長男が家を継ぐという風習だったなら、優先順位が違うもの。それは郷に入っては郷に従うと割り切るほかないのだとか。

孫を見守る祖父母

●孫差別の原因は、親子関係がうまくいっていないせい?

ママ自身が義理のお母さんのことが苦手で疎遠にしていると、孫にも影響することがあるそう。

「会う機会が多ければ、なにかと孫にあげたりするものです。それらがちりも積もれば、内容に差があるように感じますよね。でも、この子にはいくら分あげた、この子にはいくらって記録をつけないでしょう?(笑)」

それに会う機会が多ければ、子どもはおじいちゃん、おばあちゃんになつく。なついている孫のほうがかわいいと感じるのは当たり前だという。

また、祖父母が孫に全て平等にするのは難しいそうだ。それは祖父母の状況によっても対応が変わるため。相手の状況を察する努力も必要だという。

「祖父母の年齢によっても、できることが変わります。例えば、収入がまだある60歳のときに初孫が生まれたとします。2人目の孫は、66歳で年金生活だったとする。後者は以前より6歳年老いているので体力も落ち、資金面でも余裕がありません。祖父母が孫に対して、何かしてくれるのは当然と思い込んではダメです」

ぼうださんは、「私自身もそうでしたが、祖父母の存在を都合よく思っているママが、最近多いと感じています」と指摘する。育児を終えてからの余生を楽しみたい人もいるし、小さな子どもが苦手と感じる人もいる。孫を見てくれることを当然と思わず、相手の都合やどんなタイプなのかを知ることも大切だ。
(ノオト+石水典子)

お話をお聞きした人

ぼうだあきこ
NPO法人 孫育て・ニッポン
母親ひとりが子育てを抱え込むのではなく、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんなど家族のつながり、地域の中で子育てができる社会になるよう活動中。
母親ひとりが子育てを抱え込むのではなく、パパ、おじいちゃん、おばあちゃんなど家族のつながり、地域の中で子育てができる社会になるよう活動中。