「ママとお姑さんの関係が疎遠なら、まずはその関係が良くなるように動いてみましょう」
こう話すのは、NPO法人 孫育て・ニッポン理事長のぼうだあきこさん。大切なのは質より量のコミュニケーションだという。実家と同じくらい義理の家族にも電話をかける、電話が苦手なら手紙をたくさん出すなど、コンタクトを取る頻度を増やすといいのだとか。
子ども自身が世代の離れた大人を苦手に思うケースもある。そういう場合はどうしたらいい?
「『おじいちゃんおばあちゃんはいい人作戦』が有効です。お祝いをしてもらったときや、会ったときに『成長を喜んでくれるとうれしいね』『おばあちゃんはこんなことを知っていて教えてくれたね』など、前向きな話をして、子どもの持つ祖父母への印象を良くしていくといいですね」
●距離を縮めるには上手に甘えること
「祖父母の存在が薄いと、子どもは苦手意識を持つようになります。逆にコミュニケーションが増えて慣れていけば子どもはなつき、祖父母は寄ってくる孫がかわいく感じるようになります」
そして孫と祖父母との関係がいいと、熱を出したときに預かってもらうときに頼みやすいというメリットもある。
「わたしが推奨しているのが、お泊り保育がある年長さんまでに、子どもがひとりで祖父母の家にお泊りができる関係を築くこと。子どもが社会経験を積む場としても、祖父母の家へのお泊りは、いい体験になりますよ」
ママに遠慮があるままだと、会う機会が減ってしまう。そのような状況を子どもは敏感に感じ取り、祖父母になつきにくいのだそうだ。ママがお姑さんと距離を縮めるポイントは、甘えること、弱みを見せることだとか。定年を迎えたシニア世代は頼りにされる機会が減るため、頼りにされるとうれしく感じるという。
「できないということを言えない人が多いです。ダメな嫁でも大丈夫。お母さんたちが来るときは部屋を完璧に片付けていたけれど、手が回らなくなってぐちゃぐちゃの部屋に呼んだら、『なんで言ってくれなかったの?』と、いろいろ助けてもらえる関係になった、という話も聞いたことがあります」
共働きのママにとって祖父母の協力はなにより助かるもの。子どもが祖父母との関係がいいと、預かってほしいときに頼みやすくもなる。子どもと祖父母が仲良くなるように、親から働きかけてみて。
(ノオト+石水典子)