家電を買って補助金が出る? 自治体が実施している、省エネ家電購入の補助金とは

電気代の値上げにより、省エネ家電の購入を検討したいけれど「費用面が気がかり」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。なるべく支出を抑えつつ、省エネ家電を購入するための方法のひとつとして「補助金の活用」が挙げられます。そこで、省エネ家電関連の補助金について、FP(ファイナンシャル・プランナー)の平野さんにお話をうかがいました。省エネ家電の基礎知識や、代表的な省エネ家電の選び方にも触れているので、ぜひ参考にしてください。

そもそも省エネ家電とは?

平野さんによると、省エネ家電は「明確な定義はない」とのこと。しかし、一般的には、「エネルギー効率を高め、エネルギー消費を抑えた家電製品」を指すそうです。

2023年現在、『トップランナー基準※1
』によって各家電製品に省エネ目標の基準値が設定され、メーカーは目標値以上の省エネ性能を目指すよう、製品開発を行っています。省エネ家電は、家庭の電気代節約という観点だけでなく、地球環境のため(CO2削減)にも必要な製品といえます。

※1 一般社団法人省エネルギーセンター「トップランナー基準とは」

省エネ家電の見分け方

「消費者の方にとっては、電気店に行った際に、“統一省エネラベル”がついている製品が省エネ家電であるという認識が一番わかりやすいでしょう。特に、消費電力量の多い家電を買い替えようと思った際には、省エネ家電を選んだ方が、電気代削減の恩恵も大きいと言えます」

出典:省エネポータルサイト「平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果」

統一省エネラベルの見方は?

統一省エネラベルは、おもに「多段階評価(★の数)」「省エネルギーラベル(省エネ基準達成率)」「年間目安エネルギー料金」の3つから構成されています。

多段階評価(★の数)……市場に出ている製品のうち、省エネ性能が高いものを上から順に並べ、5.0から1.0までの41段階で表示しています。
省エネルギーラベル(省エネ基準達成率)……目標となる省エネ基準(トップランナー基準)を基に、製品ごとに定められた省エネ基準をどの程度達成しているかを示しています。
年間目安エネルギー料金……当該の製品を1年間使用した場合の目安の電気料金を示しています。

出典:経済産業省資源ネルギー庁「省エネラベルが変わりました」

「星の数は製品の省エネ性能を示しており、消費電力量や電気代を示しているわけではありません。星の数が多いからといって、イコール消費電力量が少ないわけではないので注意を。例えばエアコンなら、8畳なら8畳用の製品を比較して、より省エネ性能の高いものを選ぶなどの選び方ができます」

省エネ家電を購入するメリット

「まず大きなメリットとして『経済的なコストの低さ』が挙げられます。省エネ家電は電力を節約するように作られているため、通常の家電と比較して運用コストが低く、初期費用がかかったとしても、長期的に見ると電気代の節約により投資分が回収されることも。さらに、現在は自治体の補助金や減税制度も利用できることも踏まえると、資金的なコストは安く抑えられるケースも多いでしょう。

『環境性』についていえば、CO2排出量の削減、エネルギーの有効利用などにより、省エネ家電を選択することが環境に対する負荷を軽減し、持続可能な社会への貢献につながるという側面もあります。

あとは『快適性』の高さもメリットですね。例えば、省エネエアコンの空調機能は、センサーなどの最新技術によりエネルギー効率を維持しながら温度を均一に調節する機能がありつつ、とても静かに稼働します。

さらに、最近の家電はスマートフォンとの連動機能もあります。同じくエアコンの例を挙げますと、昔はリモコンでオンオフを切り替えていたのが、スマートフォンで室温をみて、電源をつけたり、設定温度を変えることが可能です。

総じて、『省エネだけではなく、生活がより便利になる』ことがメリットだといえますね」

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