お食い初めのマナー情報まとめ!初めてでも大丈夫

第4180回 はじめてライフ
お食い初めは、生後100日頃を目処にして行われます。赤ちゃんのこれからを願うものでもあるので、お食い初めのマナーをしっかりと押さえておくことが大切です。しかし、お食い初めを初めてする場合には、「どのようにしたら良いだろう」と誰でも悩むものです。お食い初めのマナーや当日の流れなどを心得ておくと、初めてでも簡単にお食い初めを行うことができるようになります。この記事では、お食い初めのマナーについて詳しく解説していきます。

お食い初めに関する基本情報

お食い初めのやり方については、地域によって異なります。しかし、お食い初めの基本情報を心得ておくとスムーズに当日を迎えることができます。お食い初めは、赤ちゃんにとって一生で一度の行事です。マナーをしっかりと押さえて、気持ち良くお祝いをしてあげましょう。

そもそもお食い初めって何?

お食い初めとは、赤ちゃんの生後100日の成長を祝う儀式です。また、子どもが生涯食べ物に困ることのないように、との願いが込められたこの行事は、「お食い初め」と呼ばれるのが一般的ですが、他の呼び方で呼ばれることもあります。
例えば、お食い初めの儀式で、赤ちゃんが初めて箸を使うことから「箸ぞろえ」「箸始め」などと呼ばれることもあり、また、地域によっては「歯固め」などと呼んで行われている場合もあります。

お食い初めの時期は生後100日が基本

お食い初めをする時期は、生後100日が基本とされています。赤ちゃんが生まれた日を1日目として数え、生後3カ月半から4カ月頃を目安として吉日を選ぶのがベストです。また、生後100日が基本とされてはいますが、地域によっては生後110日や120日がお食い初めの日数となっている場合もあります。赤ちゃんやママの体調や、地域の風習などに合わせてお食い初めを行うと良いでしょう。

お食い初めに招待する人

お食い初めをするときには、招待する人もあらかじめ決めておくと良いでしょう。お食い初めの参加者は赤ちゃん、赤ちゃんの両親、祖父母が基本となります。人によっては親しい友人を呼ぶケースもあります。しかし、お食い初めは家族だけで行われる場合がほとんどであるため、赤ちゃんと両親だけでお祝いをしても何ら問題はありません。招待する人数が重要なわけではなく、「心からお祝いしてあげよう」という気持ちが大切なのです。

お食い初めで準備すべきことは?

お食い初めに必要とされる準備は、意外とたくさんあります。そのため、計画的に準備を進めていく必要があります。お食い初めの料理や食器、服装、赤ちゃんへの贈り物などは、どれもすぐに準備ができるものではないため、赤ちゃんが生後2カ月を過ぎた頃から少しずつ準備を開始し、マナーを守ってみんなでお祝いをしましょう。

料亭の予約か料理の準備

もしお店でお食い初めをしようと考えるのであれば、料亭の予約をしておくことをおすすめします。家族が集まってお祝いをすることが目的であるため、お店でお食い初めをするときには個室の予約をしておくのが良いでしょう。
また、自宅で行う場合には、料理や食器の準備をすることが欠かせません。自宅でお食い初めをすると決めたら、用意しなければならないものもたくさんありますから、計画的に準備を進めていくことがポイントです。

3つの道具の準備

お食い初めには、3つの道具の準備が欠かせません。「祝い箸」「祝い膳」「歯固めの石」が必要とされています。まず、「祝い箸」とは、柳で作られた両端が細くなっている箸のことをいいます。今後、赤ちゃんが成長したときに使用することを考えるのであれば、通常の箸で代用しても良いでしょう。
次に、「祝い膳」ですが、お食い初めの祝い膳の献立は「一汁三菜」が基本といわれています。これに、鯛などの尾頭付きの焼き魚と吸い物、煮物、香の物、赤飯を準備しておきましょう。
また、歯固めの儀式用の小石として、「歯固めの石」と呼ばれるものがあります。これはお宮参りで神社などを訪れたときにもらうことができます。お宮参りでもらうことができなければ、海や川などの水辺にある小石を拾って、十分にきれいに洗ってから用いても良いでしょう。

服装の準備

参加者は、もちろんスーツや着物などを着用する必要があります。しかし、女性で授乳する必要がある場合などは、ワンピースなどでも良いでしょう。赤ちゃんの服装に関しては、特に気を配った方が良いといえます。
お食い初めの日には、合わせて「色直し式」と呼ばれる儀式も行います。昔は、生まれてから100日目までは赤ちゃんに白い産着を着せていました。そして、100日目には「色直し式」のお祝いをして、赤ちゃんに初めて色付きの小袖を着せてあげたといった風習があります。こういった風習も考慮しつつ、生後2カ月を過ぎた頃から、赤ちゃんの服装の準備も少しずつ始めていくのがベストです。
ただ、お食い初めの儀式では食事をするため、食事中の赤ちゃんは普段着が便利です。この辺りは臨機応変に、赤ちゃんが過ごしやすい服装に着替えをさせてあげると良いでしょう。

赤ちゃんへのお祝いの贈り物

お祝いをする立場であれば、生後100日のお祝いとして赤ちゃんに贈り物を用意しておくのがおすすめです。お食い初めの贈り物の定番として、季節に合ったものや当日必要になりそうなものなどを贈る場合が多いです。
まず、季節に合ったものでは、夏であれば使用頻度の高い帽子、冬には防寒対策に役立つものが喜ばれます。また、当日必要となりそうなものを贈り物としても良いでしょう。ベビー用食器を贈る場合もありますが、ベビー用食器については出産祝いですでにもらっている可能性もありますから、贈る前に確認をしておくようにしましょう。

お食い初めの献立と食器の基本マナー

お食い初めの儀式には、お祝い用の献立や食器に関するマナーがあります。地域によって献立などは多少異なりますが、基本的なマナーを押さえておくと、初めてのお食い初めでも迷うことなくお祝いすることができます。自宅で料理を作る場合は調理手順を工夫するなどして、無理なく作るようにすると良いでしょう。

祝い膳の基本的な献立

祝い膳の基本は、海の幸と山の幸を取り入れた「一汁三菜」といわれています。「一汁三菜」とは、焼き物・赤飯・お吸い物・煮物・香の物で構成された献立のことです。基本は一汁三菜ですが、地域によって献立が異なる場合もあります。
例えば、大阪・兵庫・四国ではタコ、岩手ではアワビを取り入れるなどを献立に取り入れます。食材の準備などが大変な場合もありますから、臨機応変に対応すると良いでしょう。

お食い初めに使う食器

お食い初めでは、専用の食器を用いてお祝いをします。離乳食用の食器で代用する場合もありますが、正式には漆器を使用すると知っておきましょう。また、お食い初めに使う食器は、男の子は家紋を入れた内外両側が朱塗りのもの、女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りの漆器にするのがマナーです。そして、箸は柳箸を使用することが基本とされています。

お食い初めの料理をする場合の材料とレシピ

自分たちで料理をしてお食い初めの祝い膳を用意する場合には、材料の調達から始めなければなりません。中にはすぐに揃わないものもあるため、計画的に準備を進めていきましょう。また、レシピを知っておくとスムーズに料理ができるので、基本的なレシピも押さえておくことをおすすめします。

鯛の御頭付が主な焼き物

尾頭付きの鯛は、祝い膳には欠かせません。コツを押さえておくと簡単に作ることができます。まず、鯛をそのまま焼いてしまうと皮が縮んでしまい、不格好になってしまいます。そのため、鯛を焼く前には、鯛の皮に竹串やフォークなどで刺して穴を開け、焼成によって皮が縮むのを防ぎましょう。そして、鯛全体に塩を振ります。高い位置から塩を振りかけると、全体にまんべんなく塩が行き渡ります。ヒレの部分は焦げないように、塩を多めに付けておきましょう。グリルで約20分焼けば、尾頭付きの鯛の完成です。

邪気を祓う赤飯

赤飯は「邪気を祓う」と言われていますから、ぜひ準備をしておきましょう。赤飯は通常はもち米のみで蒸しあげます。しかし、炊飯器を使って炊くのであれば、もち米とうるち米を同量ずつ合わせて炊く方法が簡単でおすすめです。
まず、小豆2分の1カップ程度(ササゲでも可)を約20分煮ます。そして、もち米とうるち米(3合)を水で洗ったものに、小豆のゆで汁と小豆を入れて炊飯器で炊きます。もち米とうるち米の配合については、お好みで変えても良いでしょう。

季節ものを使ったお吸い物

お吸い物は昆布などから取っただし汁を沸かして、好みの具を入れていきます。季節のものとして、蛤・鯛・タケノコ・松茸などを入れると良いでしょう。また、花麩などを用意しておけば、祝い膳がぱっと華やかになります。最後に、酒・みりん・塩・薄口しょうゆで味を調えておきましょう。

さまざまな意味のこもった煮物

煮物にはさまざまな意味が込められています。煮物に入れる具材で一般的なものとしては、かぼちゃ・椎茸・人参・大根・里芋・レンコンなどがあります。
例えば、かぼちゃや椎茸は亀の甲羅型に飾り切りすると「長寿」を表します。次に、人参と大根は「紅白」、里芋は多くの小芋を成すことから「子宝」を意味しています。また、レンコンには穴が開いていることから、「先を見通せる」といった意味になります。煮物は一つひとつの材料を別々に煮ると時間がかかりますから、筑前煮を作るような感覚で、ひとつの鍋に材料を入れて簡単に料理をすると時短ができます。

香の物

季節の野菜を使った香の物も用意しておきましょう。きゅうりや茄子などに塩を加えただけの浅漬けは、少ない材料で簡単に作れるのでおすすめです。また、冬にはかぶや大根などを使った酢の物も手早く作ることができます。

お食い初めに必要な作法のやり方

一生に一度しかないお食い初めの儀式ですから、お食い初めの作用を知っておきましょう。特に、初めてのときは必要とされる作法が分からない場合が多いですから、全体的な流れについて知識として心得ておくと安心です。

正式なお食い初めの作法

まずは、正式なお食い初めの作用を知っておきましょう。お食い初めは、高脚の御前に乗せた漆器を使用します。また、祝箸で食べさせるといった特徴があります。お膳を食べさせる正式な順番については、赤飯→お吸い物→赤飯→焼き魚→赤飯→お吸い物→赤飯→煮物→赤飯→お吸い物→赤飯→酢の物→赤飯→お吸い物→赤飯→歯固めの石→赤飯→お吸い物→赤飯とされています。歯固めの儀式に関しては、箸先に石を軽くつけ、その箸の先を赤ちゃんの歯茎にやさしく触れさせるようにしましょう。

略式によるお食い初めの作法

お食い初めは、場合によっては略式で行われることがあります。まず、祝い膳を食べる順番や歯固めの儀式については、正式な作法と変わりはなく、基本的には同じものとして行いましょう。
次に、食器は専用の漆器を用意するのが難しければ、離乳食用の食器を選んでも問題ありません。今後離乳食で使うことを考えて、離乳食用の食器をお食い初めでも使用している家庭は多いです。
また、祝膳セットを揃えたければ、ネットで購入する家庭もあります。ネットショップでは祝膳セットのデザインも豊富であるため、自分が気に入ったものが購入できるといったメリットもあげられます。

お食い初め当日の流れ

当日は赤ちゃんと両親のみでお食い初めを行う場合も多いですが、中には祖父母や友人なども交えて賑やかにお食い初めをするという人もいます。お食い初め当日の朝も手順に困らないように、事前に知識を蓄えておきましょう。

料亭でお食い初めをする場合

料亭でお食い初めをするときには、前もって予約をしておくことを忘れないようにしましょう。そして、予約をしておいたお店には、参加者が全員揃ってから入店をします。料理が運ばれるのを待って、いよいよお食い初めがスタートとなるのが一般的な流れです。お食い初めの後は、そのまま家族で食事会をすることもありますし、儀式が終わり次第解散する場合もあります。家族で食事会をするのであれば、食事の予約もしておくのがスマートです。

自宅でお食い初めをする場合

自宅でお食い初めをするのであれば、前日までに料理の下準備を済ませておくことをおすすめします。当日は何かと慌ただしくなることが予想されます。そのため、お食い初め当日は簡単な調理と盛り付けのみで、お食い初めの儀式を速やかに始めることができるようにしましょう。

マナーを押さえたお食い初めの実施を!

赤ちゃんにとって、お食い初めの儀式は人生でたった一回しかありません。そのため、お食い初めを行う上でのマナーをしっかりと把握して、子どもの幸せを家族みんなで願うことが大切です。お食い初めをするには、祝い膳や贈り物などの準備が欠かせません。また、服装に関してもマナーを守ることが望まれます。初めてのお食い初めは不安もありますが、マナーを意識しながら準備を進めていき、気持ち良く当日を迎えましょう。