●風俗は浮気に分類される?
西郷さんによると、風俗は『他人に手伝ってもらう自慰行為』という感覚の男性が少なくないという。出会い系サイトで女性と出会い、連絡を取り合って肉体関係をもつ浮気や不倫とは、動機も目的もまったく別のものだという認識を持つ男性が多い。
「風俗においては、男性は基本的に受け身です。それでも風俗嬢を羨ましく思ったり、夫の性にまつわる事象を全部自分で独占できないことに、憤りを感じたりしますか?」(西郷さん 以下同)
店舗に通ううちに女性に恋愛感情をもち、浮気や不倫に発展する可能性もゼロではない。が、たいていは風俗嬢からの好意は「営業」で、男性が頻繁に通ったり、プレゼントをしたりしても、ほとんど実らないという。その場合、多額の出費がないか気を付ける必要があるだろう。
●「欲望」と向き合ってみよう
夫の風俗通いが心配な妻には「まず性欲のあり方を知ってほしい」と西郷さんは語る。
「女性にも当然性欲はあります。私の電話相談では、『性欲の発散方法に悩んでいる。家庭は大事だけれど、女として求められ、性の喜びを感じることを諦めたくない』と訴える女性はたくさんいらっしゃいます。人肌を求める気持ちに全く共感できないという女性が大勢いるとは思えません」
既婚者にとって、配偶者とのセックスが互いの望む頻度であり、何年経っても飽きずに楽しく続けられることが理想だ。しかし、欲望というものは法律や他人の干渉によって消せるものではない。
「風俗通いを容認するかは夫婦間で決めることですが、『風俗=絶対悪』という意識をもっている限り、問題の解決どころか、根をより深くしてしまう危険もあるのです」
●性感染症には注意が必要
是非は別として、夫が風俗に通っている場合、一番注意すべきことは性感染症だ。
「口のサービスをする場合でも、最初から最後までコンドームを使用しないと性感染症予防にはなりません。また、感染していても症状が出ない場合もあるので、風俗通いを許すならば、定期的な検査も必要です」
男性の風俗に対する意識やリスク、互いの性欲のあり方を知って、夫婦間での話し合いや価値観の共有を進めてほしい。
(北東由宇+ノオト)