電気ケトルの使い方と選び方のポイント情報まとめ

第4188回 はじめてライフ
電気で熱々のお湯を手にすることができる「電気ケトル」は、その手軽さから家庭に欠かせない電化製品の1つとなりつつあります。火やガスを使うことなく、電気ですぐに熱々のお湯が沸かせるため、安全性も高いですし購入を検討している人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では電気ケトルとはどのような製品なのかを深く掘り下げつつ、具体的なメリットやほかの湯沸かし器との違い、さらには売れ筋商品を製造している各メーカーの特徴などについても詳しく紹介していきます。

電気ケトル本体の基本的な特徴や価格相場

そもそも「ケトル」という言葉は、「やかん」のことを指しています。商品カテゴリ的には湯沸かし器に分類されますので、やかんと同様にお湯を沸かすのがメインの使用用途です。
中にはゆでたまごを調理するときに電気ケトルの中に直接卵を入れている人もいるようですが、メーカーから推奨されている使用方法ではないため、故障のリスクを考えると調理器具としては利用しないほうがよいでしょう。
電気ケトルにはポットのような高い保温性能こそないものの、火の元を使うことなく電気でお湯が沸かせるというのが最大の特徴で、その安全性の高さが人気の理由の1つにもなっています。
本体価格もお手頃で、安いものは1000円以内で買えますし、高くても1万円前後、相場も3000円~5000円程度です。また、ワット数は1200~1500W程度で、1ℓのお湯を沸かしたときの電気代はおよそ3円~5円前後だとされています。
人によっては一度の湯沸かしで必要なコストにしては高いと感じるかもしれませんが、キッチンがない場所でも電気さえあればお湯が沸かせることを考えると、十分コストパフォーマンスの高い商品であるとはいえるでしょう。

電気ケトルを使うメリット

湯沸かし器として一般に普及しているものといえば、電気ケトル以外にも「やかん」や「電気ポット」などさまざまな製品があります。しかし、電気ケトルならではのメリットというのはどのようなところなのでしょうか。具体的な利用シーンを踏まえつついくつか紹介していきます。

お湯を沸かすのが楽

まずは、お湯を沸かすのがとにかく楽だという点です。一般的な電気ケトルは水を入れてスイッチを入れるだけですぐに加熱がはじまり、沸騰すると自動的にスイッチが切れる仕組みとなっています。したがって、吹きこぼれなどを気にしてケトルの前にずっといる必要もなく、湯沸かし中にも違うことができるのです。
食事の配膳前に水を入れてスイッチさえ入れておけば、配膳を済ませてテーブルに着いたころには熱々のお茶やコーヒーを楽しむといったことも十分に可能でしょう。

時間がかからない

ほしいお湯の量によって若干の差はあるものの、電気ケトルとほかの湯沸かし器とを比較すると沸騰までの時間が短めであるということも特徴の1つです。特に、マグカップや湯呑み1杯分(およそ150cc前後)のお湯だけがすぐにほしいというシーンでは、1分程度で沸騰させることのできる電気ケトルが重宝されます。

コンロを塞がない

電気ケトルは電気を動力源とするタイプの湯沸かし器なので、コンセントの差込口さえあればキッチン以外のどこであっても使用することができます。コンロを塞がないため料理の邪魔にもなりませんし、水さえ入れておけばリビングでもすぐに熱々のお湯を用意できるため、くつろいでいる最中にわざわざキッチンへお湯を沸かしに行く必要もないのです。

電気ケトルと他の湯沸し関連商品の違い

やかんや電気ポットといった他の湯沸かし器でも電気ケトルと同じようにお湯を沸かすことは可能です。ならば、電気ケトルと他の湯沸かし器との決定的な違いはどこなのでしょうか。湯沸かしにかかるコストや、一度に沸かせる量などについても比較しながらみていきましょう。

電気ケトルとやかんの違い

両者の決定的な違いは、使用する資源が異なるという点です。やかんはIHに対応している一部の製品などを除くと、ガスコンロをはじめとする火の元がなければお湯を沸かすことができません。一方で、電気ケトルは電気が必要であるものの火がなくてもお湯が沸かせるため、キッチンのないオフィスなどのあらゆるシーンでも利用可能です。
そして、お湯が沸くまでの時間も、やかんと電気ケトルを比較した場合は急速に加熱できる電気ケトルに軍配が上がります。
ですが、お湯を沸かすために必要なコストを見ると、やかんのほうがかからない傾向です。また、やかんは大型のものであれば4ℓ以上入るものまで販売されているのに対し、電気ケトルは大型の製品であっても2ℓ弱のまでしか一度に沸かすことができません。したがって、沸かしたい量が多いといったケースではやかんのほうが適していることになります。

電気ケトルと電気ポットの違い

電気ケトルと電気ポットはどちらも電気を使うタイプの湯沸かし器なので、火の元を必要とするやかんと違って使う資源に変わりはありません。ならば、どこに大きな違いがあるのかというと、「保温が利くかどうか」という点です。
電気ケトルはあくまで湯沸かし器なので保温性能は持ち合わせていないのに対し、電気ポットは湯沸かし器と保温機という両方の機能を持ち合わせています。したがって、いつ使うか定かではないがお湯は必要といったケースでは電気ポットのほうが適しているといえるでしょう。一度に沸かせる量についても電気ケトルのほうが少ない商品が多いため、一度にたくさんのお湯がほしいというときにも電気ポットのほうが向いているかもしれません。
ただし、電気ポットは保温のためにも電気を使用している製品が多いため、コスト的な面を見ると保温性能のない電気ケトルのほうが割安となっています。また、お湯が沸くまでの時間も「沸かす」という機能に特化した電気ケトルが勝っていることが多いです。

電気ケトル製品の基本的な使い方は?

一般家庭向けに販売されている電気ケトル製品は、多少の違いはあっても大半のものが同じ使い方となっていて、製品の形状も類似しているものが多いです。より具体的な活用シーンのイメージが膨らみやすいよう、一般的な家庭向け電気ケトルの使い方を紹介します。
まずは土台部分をコンセントに繋ぎ、ケトル部分を取り外して必要な量だけ水を入れましょう。このとき、メーカーによって推奨されている量以上の水を入れないことだけは注意しておく必要があります。あとは土台部分に水を入れたケトルを戻し、スイッチを入れて待つこと数分でお湯が沸くといった非常にシンプルな仕組みです。

電気ケトルを使うのに適したタイミング

家庭や職場など、あらゆるシーンでさまざまな目的に利用されているであろう電気ケトル。その中でも特に「電気ケトルが大活躍するタイミング」や「こんなときにあれば便利」といったシチュエーションをいくつか見ていきましょう。

コーヒーやお茶を飲むとき

「すぐにお湯を沸かせる」というのが電気ケトル最大の特徴だということもあり、熱々のお茶、コーヒー、さらには紅茶などがすぐに飲みたいといったタイミングで利用されているケースがもっとも目立ちます。特に、何かと時間のない朝に重宝されていることが多く、1人分であればパンが焼き上がるより早くお湯が沸くので、出勤前などの1杯には大変便利なアイテムです。

カップラーメンを食べるとき

電気ケトルは、お湯を必要とするインスタント食品を食べたいときにも大活躍します。先にスイッチを入れておくと、カップラーメンに必要な量程度のお湯であれば開封して粉末スープなどの準備をしているうちに沸きますので、「お湯が沸くのを待つ」という無駄な時間が発生しません。
また、コンロがなくてお湯が沸かせないことを理由にこれまで職場などでの昼食にカップラーメンが食べられなかったという人も、電気ケトルさえあれば好きなときに食べることができるようになります。

電気ケトルの家電選びのポイント

使い方に関してはどの製品も概ね同じの電気ケトルでも、性能や価格、安全性などは商品によってまちまちです。実際に電気ケトルを購入する際はどのような点に注目しておくべきなのか知っておくためにも、商品によって異なることが多い部分をいくつか紹介します。購入後に失敗したと思わないためにも、事前にしっかりとチェックしておきましょう。

ワット数を確認する

「お湯さえ沸かせればいい」という気持ちから、ワット数(消費電力)を気にせずに電気ケトルを購入している人も多い傾向です。しかし、この数値は電気代に直結するため、必ず確認しておかなければならない重要な項目だといえます。同じメーカーの製品であっても、大きさやモデルが違えば消費電力も変わってきますので、後のコスト削減のためにも購入前に欠かさずチェックしておきましょう。

安全性に配慮して選ぶ

電気ケトルはいくら火を使わないといえども、熱々に沸騰したお湯を作るための製品なので、うっかり転倒させてしまうとやけどなどの大けがを負う可能性も否定できません。実際にけがをしてしまった(させてしまった)という事例もわずかながら存在するのです。
このことを踏まえて、2013年4月に一般財団法人日本品質保証機構が電気ケトルをはじめとする可搬型電気湯沸かし器に新たな安全基準を設けています。この基準を満たしている電気ケトルには「Sマーク」という認証の証がついていますので、やけどなどのリスクを最小限に抑えるためにも知っておいて損はないでしょう。
とはいえ、Sマークがついていなくても製造メーカーが独自に転倒時の流出水量を抑えるような仕組みを導入している製品も数多く存在します。したがって、Sマークの有無というより、しっかりと安全性に配慮されている商品かがチェックすべきポイントとなってきます。

適正価格で選ぶ

電気ケトルは、国内メーカーだけでなく多くの海外企業も販売している製品です。このことから、売り場を見ると料金も性能もまさにピンからキリという状態になっています。したがって、購入の際には相場価格を参考にしながら性能面に対して納得の品質なのかという点についてはきちんと確認しておく必要があるでしょう。

人気の高い電気ケトル製品

日本では多くのメーカーからさまざまな種類の電気ケトルが販売されています。その中でも消費者から常に高い支持を得続けているメーカーが3つほど存在します。人気の理由となっている特徴などをメーカーごとにまとめましたので1つずつ見ていきましょう。

ティファール

日本国内の電気ケトル市場で、もっとも高い知名度を誇っているといっても過言ではないのが「ティファール」製の電気ケトルです。長年テレビCMなども放送されているので、名前だけは聞いたことがあるという人も多いでしょう。
ティファール製の電気ケトルは、毎日使うことを最優先して設計されているため、とにかく使い勝手がよいものが多く、かつ値段もお手頃であるという特徴を持ちます。電気ケトルを販売しはじめてからの期間も国内トップクラスなので製品の種類も多いですし、湯沸かしのスピード、転倒時のお湯漏れなどについても高いレベルを維持し続けているトップメーカーです。

デロンギ

本社をイタリアに置くデロンギ製の電気ケトルが特化している点は、ヨーロッパならではの「高いデザイン性」と「コンパクトなボディ」です。
ボディがステンレス製のものが大半を占め、色も深みのあるレッドなどの大人な雰囲気漂う商品が多いことから、言われなければ湯沸かし器と判断できない人もいるでしょう。また、デロンギ製の電気ケトルの大半は最大容量が1ℓとなっているため、少量のお湯がほしいときに素早く沸かすことができるというのも人気の理由の1つとなっています。

タイガー

紹介している3メーカーの中で唯一日本国内に本社を置くメーカーで、電気ケトルのほかにも魔法瓶や炊飯ジャーなどの製品が有名です。タイガー製の電気ケトルは、ティファールはデロンギと比較するとややデザイン性に乏しい部分は否めませんが、日本メーカーならではの安全性に対する追求は群を抜いています。
転倒時のお湯漏れ防止機能はもちろん、本体が熱くならないような工夫、さらには蒸気でやけどすることのないような省スチーム設計や蒸気レス構造などと、とにかく安全面には余念がありません。経済産業省からも高い評価を得ていて、子どもたちの安全・安心を重視した製品のみが評価されるキッズデザイン賞では、「優秀賞 経済産業大臣賞」を受賞している製品も存在します。

電気ケトルを生活に取り入れてみよう

電気ケトルは、水を入れてスイッチを入れるだけでお湯が沸かせるという、子どもから大人まで幅広い世代が手軽に利用できる優れものです。火の元は一切使わないため安全性も高いですし、コンロのない場所でもコンセントの差込口さえあればお湯が手に入るというのも大きな特徴となっています。
また、類似製品に分類されるやかんや電気ポットと比較してみても、少量のお湯が沸くまでのスピードが電気ケトルに勝る湯沸かし器はありません。何かと忙しい朝の通勤前などでもお湯が沸くのを待たずにコーヒーやお茶が飲めますし、カップラーメンなどはかやくや粉末スープの封を切っている間に熱々のお湯が完成しています。
このように、ほしいときに瞬時にお湯が手に入る電気ケトルがあるだけで、生活はもっと豊かなものになるでしょう。購入を検討している人はこの機会に生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。