「“あざ”と一言でいっても、いくつか種類があります。あざの色は、症状を判断するときに最初に目に入る判断材料の1つになります」(高野先生 以下同)
●赤いあざにはどんなものがある?
ではまず、赤いあざにはどのような特徴があるのか。高野先生によれば、代表的なものに次の4種類があるという。
・サーモンパッチ
「生まれつき、眉間や上まぶたにできることが多いです。皮膚の表面近くにできる血管腫といわれるもので健康に害はなく、1歳くらいには自然治癒することが多いものです」
・ウンナ母斑
「サーモンパッチと同じ血管腫で、害はありません。こちらは消えないことも多いのですが、髪が伸びると目立たないうなじや首の後ろにできることが多いです」
・いちご状血管腫
「生まれつきにできるあざで、1歳くらいに自然に治る可能性が高いです。赤みが強く、盛り上がることがあります。拡大化してきたり、目立ったりしてきたら形成外科での治療を検討することもあります」
・スタージウェーバー症候群
「これは珍しい病気ですが要注意です。脳内に血管腫ができ、あざは顔の目立つ場所にできます。てんかんや片麻痺などを起こす可能性があります。顔の広い範囲にあざが見られる場合は小児科を受診しましょう」
●青あざには、どんなものがある?
青あざは、大きく分けると2つが代表的だそう。
・太田母斑(おおたぼはん)
「赤ちゃんのうちから出るあざです。健康上に害はありません。顔に出ると目立ちます。気になる場合、レーザー治療するのが主流です」
・蒙古斑
「お尻、腰にできる『蒙古斑』はたいてい自然治癒しますが、手や足、顔に出る『異所性蒙古斑』は消えないことも多いようです。明らかに目立つものは全体の数%です。気になる場合、レーザー治療を検討してもいいと思います」
●茶色のあざの具体的な症状は?
茶色いあざの場合は、「扁平母斑(へんぺいぼはん)」が主に見られる症状だとか。
・扁平母斑(へんぺいぼはん)
「生まれつきでできる、しみのようなあざです。危ないものではありません。範囲が広く気になる場合は、レーザー治療で薄くすることができます。1カ所ではなく、数カ所にあざが見られる場合、遺伝性の病気『レッグリングハウゼン病(カフェオレスポット)』の恐れがあります。これは、神経や皮膚に良性腫瘍ができる難病です。数多く見られる場合はまずは小児科を受診しましょう」
●黒いあざ、ほくろに危険性は?
黒いあざは、ほくろが該当するそう。
・先天性色素性母斑
「いわゆるほくろには、ほとんど害はありません。ただし、稀ではありますが悪性化することがあります。特に足の裏にできるものは注意。気になる場合は検査を行い、拡大化して目立つ場合は、切除を検討することもあります」
高野先生によると、危険なあざや目立つ状態でないなら、基本は様子見で大丈夫とのこと。どうしても気になる場合は、専門医に相談してみよう。
(石水典子+ノオト)