沖縄の郷土料理「ゴーヤーチャンプルー」は今やゴーヤー料理の代表格。本来は炒めて作りますが、中華料理界のトップシェフ・脇屋友詞シェフはつゆだくな炒め煮風に仕上げていました。そして作り方のみならず、凍らせた木綿豆腐を使うという裏ワザも!中国では凍豆腐(トントウフ)というものがあり、中国料理ではおなじみなのだとか。凍らせた豆腐を解凍して使うと高野豆腐のように味染みが良いとのこと。これは作ってみなければ!
【ゴーヤーの簡単レシピ】茹でずに塩で炒めるだけ♪ウマさの秘密は「苦味を消す裏ワザ」…え、砂糖で⁉
凍豆腐(トントウフ)は凍らせて作る中国の豆腐のひとつ
「豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ」という落語の言い回しからきた冗談が日本語にはあるけれど、もしそれが中国東北地区の「凍豆腐」なら、本当に大変なことになってしまうかも…?(編集M) pic.twitter.com/DjeOnPSXDF
— 人民中国雑誌社 (@PeopleChina) December 30, 2021
X(旧Twitter)に凍豆腐のポストを見つけました。中国の東北地区(遼寧省、吉林省、黒竜江省)でおなじみの豆腐のようですよ。
ポストされた動画を見ると、極寒の中で豆腐を凍らせて作っていますね。割る様子を見ると氷のような硬さのよう!
脇屋シェフは「中国では凍豆腐を蒸して水分を抜いてから使う」と動画で説明し、家庭でも手軽に作る方法を紹介していました。「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」には解凍した凍豆腐を使うので、まずは木綿豆腐を凍らせてみます!
木綿豆腐をひと晩凍らせるだけ!自宅で簡単に作れる凍豆腐
脇屋シェフが紹介していた凍豆腐の作り方はとても簡単!木綿豆腐をパックのまま冷凍庫でひと晩凍らせるだけです。ひと晩で木綿豆腐がどう変わるのでしょうか?
ひと晩凍らせた木綿豆腐がこちら。白かった豆腐が凍ったことでうっすらと茶色く見えます。色が変わった理由は分かりませんがカチカチに凍っています。
自家製凍豆腐が出来たので「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」を作ります♪
炒め煮にするのがポイント!「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」を作ってみた!
脇屋シェフは味付けにシーズニングソースという、東南アジアを中心に使われるしょうゆのような調味料を使っていますが、入手出来ない場合はしょうゆで代用できるとのことです。筆者は入手できなかったのでしょうゆで代用します。
【材料】(2~3人分)
ゴーヤー(正味)…100g
木綿豆腐(冷凍したもの)…1丁
豚バラ薄切り肉…100g ※しゃぶしゃぶ用がおすすめ
卵…3個
きくらげ(水で戻したもの)…50g ※今回は乾燥きくらげ10gを戻したものを使用
太白胡麻油…適量 ※炒め用
にんにく(みじん切り)…小さじ1
しょうが(みじん切り)…小さじ1
豆板醤…小さじ1/3 ※お好みで増減可
酒…大さじ2
シーズニングソース…大さじ2 ※しょうゆで代用可
しょうゆ…小さじ1
砂糖…小さじ1/2
ゴマ油…大さじ1 ※調味料
生のゴマを絞って作る太白胡麻油を使うと、具材の旨味が引き立つそうですよ。
1.冷凍した豆腐のフタを少し開けてレンジ600Wで4分加熱し、手で食べやすい大きさにちぎります。
パックのフタを必ず少し開けて加熱してくださいね。
レンジ600Wで4分加熱しました。木綿豆腐に小さな穴が開いていてスポンジのようになっています。ぎゅっと押すと豆腐に含まれる水分がたくさん出てきて、簡単に水切り出来ました。
手でちぎった豆腐は断面がもろもろになりますが、表面積が増えて味染みが良くなりますよ。キッチンペーパーで軽く押さえて余分な水分を取っておきます。
2.ゴーヤーはわたを取り、厚さ5mm程度に切ってサッとゆでておきます。
ゴーヤーを1本用意しましたがわたを取って薄切りにすると、1/2本で正味100gになりました。ゴーヤーの苦みを和らげるためお湯で1分くらい茹でてザルに上げました。
3.水で戻したきくらげと豚バラ肉を食べやすい大きさに切ります。
乾燥きくらげは40℃くらいのお湯に30分くらい浸して戻しました。きくらげも豚バラ肉もゴーヤーと同じくらいの大きさになるように切りました。
4.太白胡麻油を引いたフライパンを強めの中火で熱し、溶き卵を入れて半熟状に火を通します。
溶き卵を流し入れて1分弱で半熟状に。とろんとした状態に焼くのがポイントです。
焼いた卵はお皿に除けておきます。卵は崩して加えるので形は気にせずに焼いてくださいね。
5.卵を取り出したフライパンを中火で熱して豚バラ肉を色が変わる程度に炒め、にんにく、しょうが、適量の太白胡麻油を加えて香りを立たせ、豆板醤を加えて香味野菜だけ炒めます。
豚バラ肉は1分ほどで色が変わったのでフライパンの中央を開け、太白胡麻油、にんにく、しょうがを軽く炒めてから豆板醤を加え、香味野菜だけを炒めて香りを引き出しました。
一般的なゴーヤーチャンプルーは豆板醤を入れませんが、脇屋シェフは豆板醤のピリッとした辛さで味にニュアンスをつけていましたよ。筆者は辛い味が苦手なので小さじ1/4程度に控えておきました。
6.豚バラ肉と香味野菜を混ぜ合わせ、ゴーヤー、豆腐、きくらげ、酒、しょうゆ、シーズニングソース、砂糖、具材が1/3浸る程度の水を加えてフタをして3分煮込みます。
具材と調味料を入れて水を注ぎます。豆腐からも水分が出るので具材が1/3程度浸る程度の量で良いそうです。今回はフライパンが大きめだったので水を300ml入れました。
フタをして中火で3分煮込みます。
8.お好みでこしょう(分量外)で味を調え、粗く崩した卵を加えて軽く火を通し、最後にゴマ油を加えて香りを付けます。
焼いた卵を崩して1分ほど温め、最後にゴマ油を回しかけると香ばしいコクのある香りが広がりました。「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」はつゆだくの仕上がり。煮汁ごとお皿に盛り付けたら完成です。
豆腐から煮汁がじゅわ~♡あっさり和風な煮物風ゴーヤーチャンプルーに♪
凍らせた木綿豆腐を使った「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」がおいしそうに仕上がりました。見た目は炒めて作るゴーヤーチャンプルーとそれほど変わりませんが、煮汁がたっぷりとあり、卵もとても鮮やかです。
まずは豆腐からいただきます!しっかりとした硬さがありつつ弾力もあって、噛むとじゅわ~っと煮汁が溢れます♪
普段、ゴーヤーチャンプルーを作る時は島豆腐のような硬い豆腐が手に入らないので水切りした木綿豆腐を使うのですが、炒めている途中で小さく崩れてしまって豆腐のボリュームが全然出なくて困っていました。
凍らせた豆腐を使うだけで、簡単に豆腐の存在感が出たのでとても驚きました。
ゴーヤーは煮込んでいるので炒めた時よりもやわらかいのですが、シャキシャキとした歯ごたえは残っています。煮汁を吸っているおかげで苦みは和らいでいて食べやすい♪きくらげもコリコリとしていてゴーヤーの食感に似ていて合います。
煮汁にはだしを使っていませんが豚肉のおいしさが染みていて、和風だしのようなおいしさ♪にんにく、しょうが、豆板醤、ゴマ油と中華っぽい味付けにしましたがあっさりとしていて、ほっとするおいしさを感じます。
豆腐を凍らせる裏ワザで、豆腐も主役になるゴーヤーチャンプルーに
「脇屋流ゴーヤーチャンプルー」は木綿豆腐を凍らせるという目からウロコの裏ワザが光り、豆腐も主役級のおいしさに仕上がるレシピでした。
木綿豆腐を凍らせると高野豆腐のようにたっぷりと煮汁を含ませることができ、煮物向きな豆腐に激変しましたよ。それでいて高野豆腐のようなキシッとした食感はなく、豆腐らしいなめらかさを保っていたので、他の料理にもかなり使える裏ワザだと感じました。
木綿豆腐を凍らせておけば、おいしいゴーヤーチャンプルーをすぐに作れますよ。ぜひ旬のゴーヤーを手に入れて作ってみてくださいね。
配信: あたらしい日日
関連記事: